うつ病の原因は、一つの要因だけでなるのでなく、複合的に色々な要因が重なってなると考えられています。性格、遺伝性、生活環境・社会環境・社会情勢などの変化、時代の変化、脳の機能が正常に機能しなくなったなどといった要因の複合された結果起こりうるものです。
ただ専門家の間では、うつ病になった人の発症前の性格にいくつかの共通点が見受けられることが知られています。
性格は生まれ持った遺伝的に持っているものと、生育環境によって大部分が決まると考えられ、個人の考え方も性格や環境によって変わるものと考えられています。今回はうつ病になりやすい性格をご紹介します。
几帳面で真面目な人
一般的に、まじめで几帳面な人、完璧主義者、責任感が強くて何事にも一生懸命取り組む人ほどうつ病になる傾向が高いと言われています。
こうした性格の人は、何事に対しても全力でこうしなければいけないという義務感が強すぎて、まだまだ、もっともっと頑張らなければいけないと自分自身を追い込む傾向が強く見られます。
仕事では、自分で抱え込んでしまって過労とストレスの塊に陥って、うつ病の引き金となっていくと考えられています。
言いたいことが言えない人
感情表現が下手だったり、頭では考えがあっても口にうまく出せない人も要注意です。
人から何かを頼まれても断れないとか、言いたいことも対立を避け我慢や遠慮してしまいます。自分一人でこれも背負い込んで心身ともに疲弊していくのです。
その他11タイプをまとめてみました。
・神経質で几帳面
・仕事を他人に任せられない
・道徳観が強く、義理人情にあつ過ぎる
・完璧主義者、潔癖主義者
・理想主義者(理想や目標が高すぎる)
・がんこで融通が利かなかったり、その場に応じた臨機応変さがない
・人に頼まれると断れない
・自分さえ我慢すればとよく思う
・まじめで何事にも熱心、責任感や義務感が人一倍強い
・自分の感情や考え方、想いを表現したり、相手に伝えられない
・他人の評価が気になり過ぎたり、被害妄想的な面がある
複数個当てはまる人もいらっしゃるかもしれませんし、極端にほぼ当てはまる方もいらっしゃるかもしれません。そうした方々の中でもうつ病ぎみの方もいらっしゃれば、あまりストレスと感じていない方もいると思います。
ストレス耐性は、性格や人によって容量が違うからです。ただ、このようなタイプの人は、他の人たちよりも大きなストレスを心身ともに受け、ダメージとなっていることは、認識しておいて下さい。
精神医学からの「うつ病になりやすい性格の分類」3パターンの性格
循環気質(ドイツ精神医学者:クレッチマーによる)
・社交的で親切、性格が明るくユーモアに富み、活動的。一方で物静かで気弱、悲観的という抑うつの要素を持っている。
メランコリー親和型性格(ドイツ精神医学者:テレンバッハによる)
・保守的で秩序を愛し、人との円満な関係を好み、何か頼まれると断れない。人と争うのを嫌う。律義で誠実、責任感が強く、几帳面で仕事熱心。
執着性格(日本精神医学者:下田光造による)
・責任感や正義感が強く、几帳面で仕事熱心、生真面目な性格。思い込みが激しく、頭の切り替えがなかなかできない。何事も徹底的にやらなければ気がすまず、ごまかしやおおざっぱなことを嫌う。
以上のように精神科医学の研究からも性格からによるうつ病傾向の指摘がある通り、概略すれば、まじめ・完璧主義・自己表現力不足など一定の傾向がわかります。
先にも言った通り、性格が似ていても人によって、ストレス耐性は違います。ストレスに自分は強いと思っている人も突然自分のコントロールできないところで、脳内で自立神経の破損や脳内分泌ホルモンの異常が起こり始めているかもしれません。
現代社会で、ここで上げたような性格の方の性格を直せとは、言えません。真面目で悪いことは何もありませんから。ただ、自分でも知らず知らずのうちに内面や脳内にストレスをため込み、うつ病発症要因となっていることをわかっておきましょう。
自分をコントロールする
まじめで完璧主義の人は、頑張り過ぎて自分で気づいていないことが多いので、あえて適度な息抜きや手抜きをやっていくこともとても大切です。
まじめで責任感が強いことは良い事ですが、結果、うつ病になりやすい性格は、ほめられたり、評価される性格ではありません。何事もほどほどの中庸が大切です。
一朝一夕で性格は、変えられませんが、頑張りすぎて、あげくにうつ病になって、家族や職場に迷惑をかけたら、もともとまじめな性格が災いして悪循環に陥ります。
うつ病にならないためにも性格は、変えれなくても、自分で手抜きや息抜き、言いたいことは時には、はっきり言ったり、自分自身でコントロールする努力は必要です。
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