税務調査とは
そもそも税務調査とは何なのか。基本的なことを確認しておきましょう。
税務調査とは、個人や法人が毎年行っている申告に対して、その内容が正しいかどうか調査をするために行われています。もちろん正しい申告を行っている人にも入る可能性はありますが、一般的には、税務署が申告内容に確認すべき点があった場合に行われています。
たとえば、法人に対して、平成24年7月から平成25年6月までに行われた税務調査の件数は、93,000件にも及びます。その年の申告を行っている法人は約276万件でしたので、全体の約3.4%が調査に入られているということになります。
あくまでもこれはこの1年の数字にすぎませんが、この割合を見て安心すべきなのか、不安に思うべきなのか、というと難しいところになると思います。ですが、税務調査に入られるということは、この割合の中で選定されてしまったということですので、きちんと対応をしておかないと厳しく調査された結果、修正申告をしいられ、高額な税金を追加で納めなければならない可能性があるということを覚えておいてください。
税務調査の調査告知
税務調査は、何の告知もなく行われるのでしょうか。テレビや映画のイメージで、調査官が突然やってくると思われる方もいらっしゃると思いますが、決してすべてのケースでそのようなことがあるわけではありません。
税務調査は、大きく「強制調査」と「任意調査」にわけられます。
「強制調査」とは、査察ともいわれ、「マルサ」といわれる国税局査察部が、悪質に脱税を行っているものに対して、捜査令状のもと強制的に調査を行うことをいいます。悪質な脱税の疑いがある強制調査の場合だと、調査の告知はありません。
しかし、一般的に、個人や法人が入る税務調査は「任意調査」となります。
強制調査と違い、任意調査の場合だと、「事前通知」といって事前に調査の告知があります。
事前通知
平成23年11月に行われた税制改正によって、税務調査を行う場合は、事前に納税義務者または税務代理人に事前通知を行わなければいけなくなりました。
事前通知では、以下の項目を知らされます。
事前通知の通知項目
- 調査対象となる納税義務者の氏名と居住地
- 実地調査の開始日時
- 調査場所
- 調査目的
- 調査対象となる税目(所得税なのか、相続税なのかなど)
- 調査対象となる期間
- 調査対象となる書類
- 担当する調査官の氏名と所轄税務署名
- 調査日時と、調査場所の変更が可能である旨
- 上記項目に記載されてない事項でも、非違の疑いがある場合は、質問調査が行われる旨
事前通知は調査官より電話連絡にて通達されます。(税理士に申告を任せている場合は、税務代理人である税理士に直接連絡がいく場合もあります。)
病院に一時的に入院する予定がある場合や、身内の葬式がある場合など、やむを得ない場合は、日程の変更に応じてもらうことができますので、都合の悪い場合は調査官に申し出をするとよいでしょう。また電話連絡ですので、通知された上記の事項をあわてず正確にメモをするように心がけなければいけません。
まとめ
このように、税務調査が入る場合、ほとんどのケースはきちんと税務署から事前通知がきて調査に入ります。
事前通知から実地調査までの準備と、実地調査での対応が税務調査の鍵となります。事前通知がきたけど、どうしたらいいのかわからないという方は、慌てず一度専門家に相談するのがよいでしょう。
また、普段から税理士などの専門家に相談するなどし税務調査を未然に防ぐことも大切といえますね。
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