親の扶養から外れてしまうと、税や保険料の支出が増えると何かと不都合なことばかりですが、どういう時に外れるか、またこんなことを知っておいたほうがいいという点についても解説します!
親の扶養から外れるってどういうこと?
条件は税金と健康保険で異なる
一方健康保険では、年間の収入見込みが130万円未満という条件があり、税金計算上の扶養より上限が高く設定されています。しかし、失業給付・通勤手当などの非課税所得も含める点は注意が必要です。また親御さんと同居されているのであれば、親御さんの収入の1/2未満の条件もあります。なお、親御さんが自営業等で国民健康保険のほうに加入されている場合は、そもそも親の扶養に入ることができません。
扶養家族とは、配偶者・子・親など養っている家族のことですが、自力で十分な収入を得られないから養うのであって、所得や収入に限りがあります。一見複雑そうに見える扶養家族の所得について3つのポイントにまとめて解説いたします。
フリーターだとこんなことが起こるかも
ただし年収103万円以下のようなフリーターですと、実は決して悪い話でもなさそうです。親の扶養であっても、20歳以上であれば国民年金保険料は、月額16,260円(平成28年度)を納める必要はあります。職場の社会保険に加入すれば、年金保険料は厚生年金のほうが給与から天引きされることになります。
月収85,000円のケースでは、健康保険料と厚生年金保険料をあわせておよそ月13,000円程度と、国民年金を下回ります。また少しでも長く厚生年金に加入しておいたほうが、将来の年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方もらえるので有利になるのです。
パート収入で家計を助けている方が、もし年収130万円以上となった場合、あるいは4分の3以上常用的に仕事をしているような場合に勤務している会社から社会保険の加入について相談やお知らせがあることがあります。果たして配偶者の扶養から外れた方がいいのか判断に迷うことでしょう。そのような手助けの為にまとめてみました。
必要な手続き
その後は親御さんの給与から天引きされる源泉所得税の金額が増えるでしょう。ただ、年末調整や確定申告で扶養を正しく申告していれば問題無いので、この手続きはあまり神経質になることはないと考えられます。健康保険は、健康保険被扶養者(異動)届を親御さんの勤める職場に提出します。これは月収×12が130万円をオーバーしている時点で提出が必要です。
健康保険の扶養から外れた場合、職場の社会保険に加入しなければ国民健康保険に加入しますが、これは前年の所得に応じます。前年の給与収入103万円であれば、健康保険料の均等割40,000円程度を払うことになります。勤め先の社会保険に加入することになった場合はすでに述べていますが、年金保険料とあわせると実は社会保険に加入するケースのほうがお得ということも述べました。
学生は勤労学生控除の活用も
なお、住民税は勤労学生控除26万円、基礎控除33万円ですので、所得が6万円となり、所得割6,000円+均等割5,000円の納税が想定されます。収入が6万円下がって給与年収124万円であれば住民税がかかりません。
学生が働いている場合、規定を満たせば「勤労学生控除」を受けることができます。勤労学生とは?扶養控除とは?アルバイトも頑張っている大学生もそのママも必見!税金や保険に関する大事な制度だからこそ、知っておきましょう。
例えば、医療費の支払いを抑えるための制度として、高額療養費制度というのがあります。これは所得に応じて1カ月の医療費の限度額が定められていますが(限度額を超えた医療費は戻ってきます)、未申告の方は所得が一番上のランクとなります。住民税非課税世帯が月35,400円、最上位の所得者が最低でも252,600円が自己負担限度額です。
1カ月の自己負担が20万円以上変わるのは相当大きな差でしょう。扶養に入れば未申告になりませんが、扶養を外れるのであれば最低限住民税の申告はしましょう。所得税の確定申告でも構いません。
いくら健康に気を遣っていても、いつ事故に遭うか・病気になってしまうかわかりません。そんなときに「お金がないから」といって病院に行くのをためらうのは良くないこと。実は通院・入院・薬局などの医療費には<自己負担額の上限>という、ありがたい制度があるんです。難しい制度の内容ですが知っているだけで医療費を大きく抑えられるはず!
以上、親の扶養から外れたらどうなるか見ていきました。社会保険の加入のように、扶養を外れることが必ずしも損とは言えないケースもありますし、勤労学生控除は有効活用したいところです。逆に安易に扶養を外れて未申告になると、高額療養費制度で相当不利な状況に追い込まれることもわかったと思います。
扶養の条件は税と健康保険で異なりますが、税の申告が健康保険に影響を及ぼすこともあります。平成28年からは両者を管理するマイナンバー制度も始まりました。マイナンバーは扶養の手続きにも使いますので、今後マイナンバー制度の動向にも気をつけて行きましょう。
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