スーツのジャケットは私服として使えるのか?この疑問は誰もが一度は通る道。ならば解決しようじゃないか!Mr.willsの期待を胸に、スーツのジャケットをめぐる思考の旅にいま出発。ジャケットはカッコいんだもの、スーツもかっこいんだもの。この謎が解けたとき、貴方のファッションは未知の領域に突入する。
実際、スーツのジャケットは私服として使えるの?
男なら一度は考えたことのある問題ではないでしょうか。「スーツのジャケットは私服に使えるのか?」。オフィスカジュアルなんて言葉もあるくらいなので、チノパンの上にスーツのセットアップからジャケットのみチョイス、なんてこともできそうですよね。
でもでも、世の中を見回してください。チノパンにスーツのジャケットを合わせてさっそうと街を歩くナイスガイに出会ったことがありますか?ん?ありませんよね?
私の周りだけなのか?皆さんはそういったナイスガイに出会っているのか?との疑問もありますが、少なくとも普段の生活でお会いする機会はなさそうです。
だったら、「スーツのジャケットは私服利用NG」と決めてしまえば簡単なのですが、それではMr.willsを名乗る資格はありません。
ファッションに対して常に探究的であることがMr willsの条件です。私も大学時代に恩師に言われました。「わからないことが悪いのではなく、思考を停止することが悪いのだよ」と。スーツの似合うナイスガイな恩師の言葉を胸に、「ジャケットのスーツは私服として使えるのか」を思考停止することなく、掘り下げていきます!どんな結果になろうとも、思考を巡らせることが真にカッコいい大人、Mr willsの条件だということを忘れずに進んでみましょう。
スーツを定義すると…?
「スーツのジャケットは私服として使えるのか」を考えるときにある疑問が浮かびます。まずスーツってなんだ?他のジャケットとスーツのジャケットって何が違うんだ?ん?一緒じゃね?やばい思考停止しそうです。何が違うのかを、ちょっと詳しく見ていく必要がありあそうですね…
これはあれだ、就職してから会社の役員さんが言っていた言葉を思い出すんだ。「ヘーゲルの現象学に個別、特殊、普遍というのがあってね、物事の特殊性を考えるときは普遍から出発するといいよ」。うん。そのときは意味わからなかったけど、今ならいけそうな気がするぞ!このヘーゲルの現象学を駆使して、スーツというものを定義して見せるぜ!
普遍としてのスーツ
スーツを普遍化するとなんだ?服。そう服。着るものだよね。そうなってくるとの他のジャケットとの違いはなさそうです。ということは、私服に合わせようが、チノパンに合わせてオフィスカジュアルを演出しながら、デスクワークに励もうが関係ないんじゃないの?という気がしてきます。でもきっとダメなんですよね…これ思考停止ですよね…。
じゃあなんだ?いくつかスーツに関することを概念化してみましょう。
仕事着?
パーティーとかで着る?=フォーマル?
いや待てよ、北野武のアウトレイジではみんなスーツ着てるぞ?なぜだ?あれは私服なのか?セットアップだから許されるのか?ちがう、あれが彼らの仕事だから、あれも仕事着か?
どうして仕事着とパーティー用の服が同じなんだ?
キーワードはフォーマルか?
アウトレイジもあれフォーマルか!!
そうだフォーマルだ!!
結論として、スーツ=フォーマルな服でよさそうですよね?先生。
フォーマルな服の「特殊」を考える
フォーマルな服の特殊ってなんだ?フォーマルな服にとって特殊なこと…。
あれか、ジャケットタイプか。
フォーマルの本丸お役所の中で働いている男性ってみんなジャケット着てるよね。
まて、このジャケットってスーツとは限らないぞ。
オフィスカジュアルがいい例だ。あれはテーラードジャケットじゃないか?
ん?テーラードジャケットもスーツか?
いや、テーラードジャケットはチノパンと合わせて着るぞ?デニムとも合わせるぞ?
じゃあなんだ?フォーマルな服でも、スーツのジャケットは特殊に注目するとテーラードジャケットとの細かい違いがあるのか?
テーラードジャケットは私服で使っている人が多いけど、スーツのジャケットは使っている人を見たことない…。
これはこの2つを比べれば見えてくるんですねよ?スーツのジャケットを私服として使っていいのかが…。ねえ○○さん。
スーツのジャケット&テーラードジャケットの違い
スーツのジャケットとテーラードジャケット、何が違うんだ?これは個別の問題か?そもそも個別ってなんだ?その服で違こと?特殊との違いがないぞ?あるのか?ん?思考停止してしまえば楽じゃないか?テーラードジャケット≒スーツのジャケット。テーラードジャケット私服使用OK。スーツのジャケット私服使用NG?
うーん。完全な思考停止ですね…。
これはあれだ、就職後同じ部署になった先輩の言葉を思い出すんだ。「量は質に転化するよ、××くん」。これだ、とにかく量を比較して、質(答え)を導き出せばいいんだ。いくぞ、これからスーツのジャケットとテーラードジャケットの実物や画像を見比べるデスマーチの始まりだ!よっしゃ、慣れたもんだぜ。まかせろ。
見た目の生地感の違い
もうね、それぞれ10枚くらいの画像を見比べて気づきました。明らかな違いに。
明確な違いは「見た目の生地感」。スーツは光沢のあるものばかりですが、テーラードジャケットは光沢のない(もしくは少ない)もので、素材も様々です。形は似ていますが、どうも素材で分けられているようです。
少し調べてみました。
スーツの素材は、主にウールなのですが、ウールの織り方でフォーマル用とカジュアル用に適したものがあるようです。日本で用いられるフォーマルなスーツの織り方は、多くが「バラシア」と呼ばれる織り方で、表面に細かなひし形が形成されるのが特徴で、それゆえの光沢が発生するようです。これはフォーマルな衣類の多くに用いられているらしく、光沢のあるジャケット=フォーマルとして現在のファッションシーンに定着しているようです。
対して、テーラードジャケットには様々な織り方の生地が使用されており、代表的なところでは、ツイードなどがその例です。ツイードはスコットランド特有の織り方で、ウールの素材感を生かした冬にぴったりの生地です。ハリスツイードなどが有名です。このツイードに代表されるように、光沢感がなく、素材感が前面に出たようなものは、カジュアルとフォーマルの中間に位置し、フォーム(見た目の形)はフォーマルだけどそれ以外はカジュアル向けのようです。
肩パットの有無
20枚ほどを見比べた時点で気づきましたが、特に着用画像で差が顕著なのが肩パッドでした。テーラードジャケッは肩になにも入っていないような感じのものが多いのに対して、スーツのジャケットは間違いなく肩に何かが入っています。間違いなく入っています。
こちらも調べてみました。
スーツの肩パッドは、全体のシルエットをしゃきっとして見せる効果があるようです。そのため、フォーマルな衣類には小さくはありますが、肩パッドが入っているようです。これは、肩パッドがあることによってしっかりしたイメージが付き、いわゆる「信頼できる」印象を与えるようです。というか、肩パッドの入ったスーツを見慣れた私たちは、肩パッドの入ったカチッとしたスーツにそういったイメージを重ねているようです。要するに、肩パッドの入ったジャケット=フォーマルのイメージが出来上がっており、スーツのジャケットこそがそのイメージの出発点のようです。
スーツのジャケットの印象がフォーマルなのか、フォーマルの印象を作りあげたのがスーツのジャケットなのか「鶏卵論争(にわたま論争)」のようですね。
いやはや、計40枚ほどの画像で答えにたどり着くことができました。先輩、これでいいんですよね?
欧米にはない日本のスーツ文化論
以前から気になっていたのですが、テーラードジャケットの本場、欧米では「スーツ」という考え方自体がありません。大学院時代にかの有名なオックスフォード大学から研究室に留学してきたマイケル(仮名)は、誕生日も卒業式も、クラブに行くときも同じジャケットを着ていました。曰く「なにかあるときはこれよ」とのことでした。
欧米では、すべてのジャケットがテーラードジャケットであり、それはフォーマルシーンでもカジュアルシーンでも使用できるものらしいです。ただ、ダークトーンのネイビーがもっともフォーマルなものらしく、それ以外の違いはそこまでないそうです。
どうもスーツという文化自体が、かなり日本風の考え方で、そのスーツのイメージは、ほかの衣類とは一線を画するものになっているようです。そのため、スーツのジャケットだけを私服で着用することは、難しいことのようです。
衣類としてのスーツはテーラードジャケットであり、十分に私服での利用が可能なものなのですが、スーツについたイメージがそうはさせないと。衣・食・住の中で特に衣は文化的な制約を大きく受けているようですね。興味深い。
スーツのジャケットを私服で使いたい人のために
それでもあきらめきれず、どうしてもスーツのジャケットをカジュアルに着こなしたい方向けに、スーツのジャケットを私服として着用するための後押しをできればと思い、以下の2つの考察をご紹介します。
前提には「日本の社会は私服としてのスーツのジャケットを許さない」というものがありますので、自己責任でお願いします。
社会的な偏見をなくすために活動する
例えば、スーツのジャケットに対する社会的な偏見をなくすためのデモ活動なんかのためには、まさにうってつけの服装ですよね。だって、そのものを訴えるのですから。歴史は勝者が作るではないですけど、活動が広く認知されて、多くの人の関心を集めることができれば、スーツのジャケットを私服で使おうが、だれも不自然には感じない世の中が到来します。そう、自分たちで社会を変えてしまえばいいのです。
幕末に日本の伝統的な服装でブーツを着用していた坂本龍馬は、「いやそれないやろ…」との突っ込みを受けたかもしれません。ですが、彼らが作り上げた開国後の日本では、ハイカラさんと呼ばれる袴にブーツの女性が多くいました(大正時代)。間違いなく坂本はエポックメイキングなことをやってのけたのです。あなたが、スーツのジャケットを私服に使うパイオニアになる日も遠くないかもしれません。あなたがスーツのジャケットを変える坂本です。頑張れ坂本!!!!
「スーツは3割増し」
多くの情報サイトや雑誌の特集として、「スーツ男子は3割増し」や「スーツがイケてる人は仕事ができそうで頼れそう」など、スーツに対する女子の目は結構寛大です。この着ているだけで女子のハードルが下がるスーツを私服に取り入れない手はないのではないか?と個人的には思います。
坂本のように日本全体を変えることはできなくても、自分の人生は変えることができるのではないでしょうか?聖書でも言われています。「行動しなかった人よりした人がえらいよ?君?」と。モテたい人は行動あるのみ!スーツを使って最初から3割増しでチャレンジしましょう!
「スーツがいけてる人が私服もイケてると得点アップ」です。このダブルで得点が上がるスーツと私服を両立させましょう。ジャケットにスーツを用意し、インナー&パンツは私服です。カジュアルファッションです。そして、彼女の前でさっそうとスーツのジャケットを脱いでみましょう。スーツですでに3割増しになっているのに、そこからさらに私服への大胆なチェンジを演出できます。あなたの魅力は相乗効果でバク上がりです。
足し算じゃありません。掛け算です。3割+私服の得点ではなく、3割×私服の得点です。もう他の人は太刀打ちできない魅力を彼女に与えることができるでしょう。
最初の、社会がスーツの私服利用を許さないと矛盾してる?いや、恋に王道はありません。それぞれの人が切り開いていくのです。社会を気にしてどうする。社会よりも目の前の彼女でしょ。「行動しなかった人よりした人がえらいよ?君?」。
スーツのジャケットは私服として使えるの?まとめ
スーツのジャケットは私服として使えるのか、その答えはNoではありません。ただし、現在の日本では、スーツの特徴=フォーマルなイメージが出来上がってしまっているので、少々難しいかもしれません。
ですが、そういった「社会の目」など気にしなければ、スーツのジャケットを私服で使用することに問題はありません。誰かがチャレンジしていかなければイノベーションは生まれません。21世紀のファッションを変えるのはあなたかもしれません。目指せ未来の坂本!
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