精神的な病気の薬を飲み始めた子どもでは、体重が増えるだけでなく、2型糖尿病のリスクが高まることが分かった。
米チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィアのデイヴィッド・ルービン氏らの研究グループが、有力医学誌の小児科版、ジャマ(JAMA)ペディアトリクス誌において2015年4月6日に報告している。
発達障害からADHDへ、一般的に
精神的な病気の薬は従来、統合失調症や双極性障害の子ども、または自分や他人を傷つける可能性がある攻撃的な行動が見られる発達障害の子どもに限って処方されてきた。
研究グループによると、最近では、注意欠如・多動症(ADHD)などと診断されて破壊的な行動に走りがちな子どもや若者に対しても、安全性や有効性が確実でないにもかかわらず処方されるようになっている。
研究グループは、精神的な病気と診断された10歳から18歳の若者130万人以上のデータを使って検証を行った。
抗うつ薬も併せて飲んでいるとリスクが2倍に
その結果、精神的な病気の薬を飲んでいない若者が糖尿病になるリスクは400人の1人、精神的な病気の薬を飲み始めている若者ではリスクは260人の1人で、抗うつ薬を飲みながら抗精神病薬を飲み始めた若者では200人に1人だった。
研究者は、子どもに精神的な病気の薬を処方することについて、本当のリスクと利点を十分に考える必要があると述べている。
「差し迫った危機的状況の子どもに対しては、迅速に対処するという点で、精神的な病気の薬の利点の方が糖尿病のリスクよりも勝るということを認めなければならない」と指摘している。
子どもに精神的な病気の薬を処方しようという場合には、できるだけ少ない量から用心して飲み始めるよう専門組織は勧めている。
また、それと同時に、体重が増えることや検査結果が異常であるなど、糖尿病の発症につながる兆候には十分注意するよう勧めている。
薬の前に、カウンセリングやその他の支援サービスを受けることを考えてもよいかもしれないとのことだ。
薬を始めるときには慎重に考えたい。
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