ロードバイクのメーカーにはどんなものがあるのか、よく目にするブランドについてまとめました。
- コルナゴ(COLNAGO)
- ビアンキ(Bianchi)
- ピナレロ(Pinarello)
- チネリ(Cinelli)
- デローザ(De Rosa)
- トマジーニ(Tommasini)
- カザーティ(Casati)
- ジオス(GIOS)
- パッソーニ(Passoni)
- カレラ(Carrera)
- MASI(マジィ)
- ウィリエール・トリエスティーナ(Wilier Triestina)
- TVT
- ルック(Look)
- タイム(TIME)
- ラピエール(LAPIERRE)
- コラテック(corratec)
- フェルト(FELT)
- BMC
- スコット(SCOTT)
- リドレー(RIDLEY)
- オルベア(ORBEA)
- BH
- コガ(KOGA)
- サーヴェロ(cervélo)
- トレック(TREK)
- キャノンデール(Cannondale)
- GT
- ジャイアント(GIANT)
- メリダ(MERIDA)
- アンカー(Anchor)
- パナソニック(Panasonic)
- ミュラー(MULLER)
- まとめ
コルナゴ(COLNAGO)
近年はツール・ド・フランスで日本人選手の新城幸也が快走する姿でも鮮烈な印象を残しているコルナゴは、1954年にイタリアで創業した老舗メーカー。クローバーのマークが特徴です。近年は台湾大手のジャイアントとの提携によりエントリーモデルを拡充する一方で、カーボンフレームの開発では1986年以来、自動車メーカーのフェラーリと協業。以来フェラーリとのダブルネームのフレームも定期的に発売しています。

ビアンキ(Bianchi)
毎年、決められた日のミラノの空の色にあわせて配合を変えているとも言われる伝統的なチェレステカラーが有名なビアンキは、1885年からイタリアで自転車の製造を行ってきました。後年フィアットに吸収合併されたアウトビアンキも、同じルーツを持ちます。
近年はブランドが残りながらも会社は再編され、各地の需要に合わせて企画されたモデルが、主に台湾で生産されています。日本では廉価帯のモデルは代理店のサイクルヨーロッパが開発しています。
ピナレロ(Pinarello)
純イタリア資本として躍進を続けるピナレロは1953年に創業。元は金属フレームを得意としていましたが、カーボンフレーム移行期を日本の東レとタイアップして乗り切り、近年は競合であるチームスカイのバイクとしても採用されるなど、注目度が非常に高まっているメーカーです。
チネリ(Cinelli)
日本では力道山が壊れない自転車として選んだという逸話も知られるチネリ。東京オリンピックで外国人選手が使用している姿でも有名になりました。代表的なクロモリフレームのスーパーコルサは、今でも憧れの1台として挙げられることも多いメーカーです。
チネリの創業は1948年のこと、1985年には関係の深かったフレームメーカーであるコロンバスを擁する、グルッポに買収され、近年はコロンバスの先進的なテクノロジーを利用したロードバイクメーカーとしても存在感を発揮しています。
デローザ(De Rosa)
1953年創業のイタリアのデローザは、その知名度に比して、家族経営での小規模でのイタリア生産にこだわってきたことでも知られてきました。金属フレームの溶接の美しさでは特に知られていましたが、規模の小ささはカーボンフレームへの転換期で大きく遅れを取ることになり、上級モデルでは日本のミズノとの協業などを行う一方、近年は中国に生産拠点を持つモデルを販売するなど、生き残りながらイタリア生産モデルを継続する道を模索しています。
日本では漫画「弱虫ペダル」の強烈なキャラクター、御堂筋翔の使用する自転車としても、近年急速に知名度が上がりました。

トマジーニ(Tommasini)
トマジーニは1957年にイタリアで創業。日本ではスチールフレームの印象の強いメーカーですが、実はカーボンやチタン、ステンレスなどのフレームにも野心的に取り組んでいます。生産規模を大きくし過ぎず、趣味性の高いブランドとして知られています。
カザーティ(Casati)
「CASATI MONZA」 スチールの良さを存分に楽しめるイタリアの老舗の限定車
1920年に創業したカザーティ。イタリアでの生産にこだわり続け、現在でも職人の技が光る溶接をはじめ重要な製作工程を自社工場で行っている。
トマジーニと並んで趣味性の高いブランドとして紹介されることが多いのがカザーティです。1920年創業のイタリアの老舗ですが、イタリアのU23チームへのフレーム供給など、レース活動と、そこからのフィードバックなど、積極的な姿勢も持ち合わせています。
ジオス(GIOS)
青いジオスブルーが印象的なジオスは1948年にイタリアのトリノで発祥。日本の代理店のジョブインターナショナルが企画した台湾製造の廉価帯モデルで手が届きやすいラインアップも揃えてきましたが、現在はこちらがイタリア本国でも販売されています。
一方でイタリアで生産されていたジオスは、2011年にジオス・トリノ(GIOS Torino)として別の道を歩むことになりました。古くからのファンにとっては、やや残念なニュースとなってしまったようです。
パッソーニ(Passoni)
パッソーニはイタリアの超高級ロードバイクメーカーで、古くはチタンフレームから自製する偏執的な設計思想で知られていました。近年はさすがにフレームはコロンバスなどから調達していますが、他のメーカーで作っていないカーボンとのハイブリッドフレームなどは、パッソーニの独自性が溢れ出ています。

カレラ(Carrera)
イタリアの巨大自転車メーカー、ポディウムのスポーツバイク製造部門がカレラです。追って紹介する、ブリヂストンが持つアンカーブランドのような構図をイメージすると分かりやすいかもしれません。設立は1989年とまだ日が浅いものの、レース志向の強い人から人気が高いモデルです。

MASI(マジィ)
イタリアの老舗、MASIはオーダー制による少量生産を行っていました。一方で分家してアメリカでもMASIブランドが発祥し、現在はイタリアブランド、アメリカ資本、台湾生産のMASIが広く流通しています。クラシカルなデザインと手の届きやすい価格帯で人気のロードバイクです。
ウィリエール・トリエスティーナ(Wilier Triestina)
1906年創業のイタリアの老舗、ウィリエール・トリエスティーナ(以下ウィリエール)は、特に第二次世界大戦後のジロ・デ・イタリアでの活躍が知られていますが、スクーターの普及や戦後の不景気などで、自転車メーカーとしては1952年に一旦終焉してしまいました。しかし1969年にウィリエールブランドは復活、以来レースシーンでも往年の活躍を髣髴とさせる実績を残しています。
TVT
フランスのTVTはカーボンフレームのロードバイクの草分け的存在でした。元は自社ブランドを擁しておらず、OEMとしてルックなどにフレームを供給していましたが、後にTVTとして自社ブランドも発足、その後ブランドは消滅してしまいますが、その流れはルックとTIMEが引き継いでいます。
ルック(Look)
フランスのルックは1951年創業でしたが、元はスキー用ビンディングの製造メーカーでした。しかし1984年にロードバイク用ビンディングペダルに参入、先進的なルックの方式はビンディングペダルのベンチマークとして定着しました。1986年には当時新素材だったカーボンフレームで自転車製造に参入しましたが、生産は当初はTVTに委託していました。のちにTVTがタイムに買収される際に、人材の一部はルックに移り、現在のルックに繋がっているようです。

タイム(TIME)
タイムは、ルック同様に自転車用ビンディングペダルの製造メーカーとして1986年にスタートしました。同社のペダルの構造はルックのそれによく似ていますが、これはルックのエンジニアが、より理想的なペダルを作りたいがために独立したことに起因します。その後業績を伸ばしたタイムは、TVTを吸収合併、ロードバイクメーカーとして成長を続けています。

ラピエール(LAPIERRE)
1946年フランス創業のラピエールは、ロードバイクに限らず多くの自転車を製造する大手メーカーです。スポーツバイクの開発はマウンテンバイクが先行したものの、ロードバイクでも人気を伸ばしています。
コラテック(corratec)
ドイツのコラテックは1982年創業。マウンテンバイクで頭角を表しつつ、ロードバイクでも存在感を高めています。
フェルト(FELT)
フェルトは競技用オートバイのフレーム製作を行っていたジム・フェルトが、自身のために1989年にトライアスロン用のフレームを作ったことが、その発祥です。いくつかのメーカーでの製品開発を経てハイエンドはもちろん、低価格帯までのフルラインアップ構成の自転車メーカーとして2001年に独立しました。開発拠点をドイツとアメリカの2ヶ所に置き、フレーム製作のノウハウを活かしながら、レースシーンで活躍しつつ、手の届きやすい価格帯のロードバイクを販売しています。
BMC
bicycle manufacturing companyの略称であるBMCは、元々は1986年にスイスでのラレーの自転車の製造と卸売からスタート。1994年に自社ブランドをおこし、2003年からは海外への輸出販売を行っています。革新的なフレーム構造から徐々に浸透、レースシーンでも活躍しています。
スコット(SCOTT)
スコットは1958年にスイスでのスキー用品メーカーとして発祥。ロードバイクには1986年から参入し、各レースで活躍しました。現在もスキー用品の製造が大規模に行われています。また2015年には韓国の永元貿易がスコットを買収したことが話題になりました。

リドレー(RIDLEY)
ベルギー発祥のリドレーは、1990年に塗装メーカーとしてスタートした、まだ日の浅いメーカーです。しかし石畳が多くシビアな路面が多いベルギーの道に合わせるように、フレーム形状に工夫を凝らしたリドレーのロードバイクは、空力の追求のためのオーバルコンセプトとのタイアップなどにもより、戦闘力の高い自転車としてレースシーンの表舞台に踊り出ています。
オルベア(ORBEA)
オルベアはスペインの大手自転車メーカーです。元は1840年創業の武器や鋼管製造メーカーで、自転車には1920年に参入。イタリアのポディウムやフランスのラピエールに近い存在かもしれません。北京オリンピックでの優勝バイクもオルベア製でした。
BH
BHは1909年創業のスペインの会社で、オルベア同様に銃器の開発などからスタートを切りました。自転車製造を開始したのはオルベアより少し早い1919年のことで、現在も複合企業として、自動車部品の製造なども行っています。

コガ(KOGA)
オランダのコガは1974年に設立、創業以来レースシーンで活躍してきました。一時期は日本のミヤタとタイアップしてコガミヤタブランドを展開、現在はパートナーシップは解消し、ミヤタはメリダの輸入販売に舵を切っています。

サーヴェロ(cervélo)
サーヴェロは1995年にカナダで設立されました。当初より空力を重視したトライアスロン向けフレームで定評を獲得、ロードバイクのレースでも積極的に採用され、活躍しています。またサーヴェロ自身が一時期、自前のレースチームのサーヴェロ・テストチームも擁していました。

トレック(TREK)
トレックはアメリカで1976年に創業、最初は旅行用自転車の製造を行っていましたが、徐々にスポーツバイクの総合メーカーとして成長し、またマウンテンバイクの元祖とも言うべきゲイリーフィッシャーや、後述のクラインを傘下に収めてきました。後年ドーピングのスキャンダルが発覚するも、現役時代無類の強さを誇ったランス・アームストロングの乗るバイクとしても、トレックは広く知られていました。
キャノンデール(Cannondale)
1971年アメリカ創業のキャノンデールは、当初は自転車用のリアカーなど、自転車関連用品の製造を行っていました。本格的な自転車の販売は1983年からで、1984年から発売したマウンテンバイクで頭角をあらわしました。以来ロードバイクの製造にも参入、また純アメリカ製にこだわっていましたが、バイク(モーターサイクル)事業の参入に失敗して倒産し、現在は廉価帯のモデルは台湾生産に移行しています。とはいえ塗装品質や溶接の丁寧さでは、現在も定評があります。
GT
1973年にアメリカでBMXの製造メーカーとして誕生、1980年代からはスポーツバイク全般の製造開発を行ってきました。1990年代に全盛期を迎えますが1998年に倒産、その後ライバルのシュウィン傘下に入るも、そのシュウィンも倒産、台湾のパシフィックサイクル傘下でブランドのみが残る状況になりましたが、スタッフ有志がGT事業を再開、2004年のドレル買収後にGTは再興し、現在はスポーツバイクのブランドとして復活を遂げています。

ジャイアント(GIANT)
台湾最大の自転車メーカー、ジャイアントは1972年発祥。OEM生産を続けながら、徐々に生産規模を拡大させました。ロードバイクのフレーム素材が、ヨーロッパの工房で作られる鉄フレームから、アルミ、カーボンへと移行する中で資本力を活かして存在感を強め、現在はロードバイクのレースシーンでも見掛ける機会が多くなりました。またイタリアのコルナゴとも提携しています。
メリダ(MERIDA)
ジャイアントに継ぐ規模の台湾の自転車メーカー、メリダは、奇しくもジャイアントと同じ1972年発祥。やはりOEM生産で規模を大きくしてきましたが、シュウィンの倒産を機に、1998年にセンチュリオンと提携、自社ブランドの開発拠点は、ドイツに全面的に移管し、ヨーロッパ水準での開発と、コストパフォーマンスに優れたモデルの販売を行っています。
アンカー(Anchor)
世界シェアトップを誇るタイヤメーカーとして知られる日本のブリヂストンですが、自転車の試作は戦後間もない1946年からスタート、1949年に自転車メーカーとして分社化され、以来自転車販売を続けてきました。レース用の自転車への本格参入は、自前の自転車競技部を創部した1964年がターニングポイントに。1999年にはチームが改組され「アンカー」を名乗るようになり、自社の競技用スポーツバイクもアンカーブランドに再編されました。日本企業ならではの高い品質管理とコストパフォーマンスで知られています。

パナソニック(Panasonic)
松下グループの自転車産業参入は、自転車に思い入れが深い松下幸之助の意向などもあり、1952年のナショナル自転車工業の設立に端を発します。以来実用的な自転車を作りながら、徐々にオーダーメイドのフレームメーカーとしても名声を獲得、現在はセミオーダーシステムのパナソニック・オーダー・システムが広く知られており、クロモリやチタンのオーダーフレームを手軽に手にできるブランドとして人気があります。

ミュラー(MULLER)
ミュラーは鉄素材のフレームを専門に手掛ける日本の新興メーカーです。まだ誕生から日が浅いものの、品質の高さや、シンプルで上質なデザインから、注目度が高まっています。
まとめ
ロードバイクのメーカーは手作りに近いところもあり、ここに挙げなかった中にも他にも沢山あります。興味を持たれたら、是非調べてみてください。
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