ポリフェノールとは、植物が持っている苦みや渋み、色素の成分となっている化合物の総称で、自然界に5000種類以上存在していると言われている栄養素です。この5000種類以上のポリフェノールすべてに、強力な抗酸化力があり、もっている効果が違います。改善したい症状にあわせて、ポリフェノールを選んでとるようにしましょう。
ポリフェノールとはなに?
ポリフェノールとは、植物を強い紫外線や、自然界の様々なダメージから守り、若い細胞を作り出す働きを助けている成分といわれています。ポリフェノールとは、植物が光合成をすることでつくられるものです。
そのため、ポリフェノールの効果といえば、「抗酸化力」です。
植物も動物も紫外線を過剰に浴び続けたり、排気ガスや電磁波、医薬品、そしてそれに加えて、ひどいストレスがずっと続いたりしてしまうと体内に活性酸素がつくられてしまいます。
活性酸素とは身体の細胞を酸化させ(サビさせ)、細胞の正常な働きを失わせ、老化の原因となるシミ、シワ、ガン、動脈硬化、糖尿病、認知症、白内障といった、深刻な病気や老化の原因になるといわれています。
そんな活性酸素を、ポリフェノールは体から排出させる働きをもっているのです。
これから詳しくポリフェノールについて、お話していきたいと思います。
ポリフェノールのすごい健康効果とは
抗酸化作用「病気の抵抗力アップ」
なんといってもポリフェノールの一番の働きは抗酸化作用です。ポリフェノールは5000種類以上あって、ポリフェノールごとにたくさん種類があるのですが、効果のほとんどに抗酸化作用が含まれています。
「ポリフェノール」の「ポリ」は「たくさんの」という意味です。そして、「フェノール」はベンゼン環に水酸基(OH)が結びついた化合物です。
水酸基には活性酸素をつかまえて、取り除く力(抗酸化力)があるため、水酸基をもつポリフェノールは抗酸化作用のある成分であるといえるのです。
活性酸素の働き(身体がさびていく)を抑えることができるため、様々な病気に対して対抗する力がつくといわれています。
抗酸化作用「アンチエイジング効果」
抗酸化作用のおかげで、身体のさび付くのを防止するということは、老化を食い止める、そして、嬉しいことに食い止めるだけでなく、なんと若返り効果もあると言われています。
抗酸化作用により、さびていた血流が改善し、それに連動して、代謝の改善、脂肪の燃焼効率があがります。
血流が改善するということは、代謝がよくなり、しみ、そばかす、むくみなどとのいった症状が解消されることにもつながっていきます。
ポリフェノールによって発揮する効果がちがう!
あとで、詳しく説明させていただきますが、ポリフェノールはほとんどの植物に含まれています。
どの成分にも抗酸化力があるそうなのですが、その植物が育ってきた環境によってそれぞれのポリフェノールがもつ力が違います。改善したい悩みや症状と相談しながら、お好みのポリフェノールを選ぶことができるのです。
例をあげてみますと、
赤ワインなどに含まれるアントシアニン→肝機能改善、認知症予防
そばなどに含まれるルチン→血管壁強化、動脈硬化予防、高血圧予防
ココアなどに含まれるカカオマス→便秘予防 疲労回復、ストレス、ピロリ菌除去効果
緑茶などに含まれるカテキン→抗菌 コレステロールの減少、血糖値の正常化
大豆などに含まれるイソフラボン→女性ホルモンバランスの調整、美白
どうですか??このポリフェノールの力、ありがたいですよね!
ポリフェノールの摂取目安量って?
様々な食品に含まれているポリフェノール、研究などから、1日の摂取目安量は、1000から1500mgが望ましいといわれています。
日本人の大人の平均摂取量は、男女ともに、1日1000mg程度だといわれています。効果を実感するためには、あと、500mg程度、意識して補うとよいでしょう。
ポリフェノールは身体に溜めることができないので、一度にたくさん摂ってしまっても、3時間くらいで、抗酸化力がなくなってしまうといわれてます。そのため、多めに摂っても、問題はないそうです。
反対に言えば、3時間くらいで、効果がなくなってしまうので、3時間おきくらいに摂取することが望ましいということです。食事のたびに、お茶やコーヒー、赤ワインを飲んだり、おやつのときにココアやチョコレートをつまむなど、抗酸化力を下げない工夫をすることが大切だといわれています。
ポリフェノールを含む食品とは
ポリフェノールは前述したように、食品ごとに様々な作用があるといわれています。
そこで、知っておくとありがたい、代表的なポリフェノールに注目してみたいと思います。
症状別にまとめたので、当てはまる症状をえらんで、あなたにあったポリフェノールを日々の生活に取り入れてみてください。
視機能改善を望む方
【アントシアニン】
アントシアニンには、視機能を改善する効果があるといわれています。
ものを見るとは、対象になったものを光の情報として信号化し、その信号を脳に伝え、ものとして判断し、認識する機能のことをいいます。
アントシアニンは、その光の情報を信号化するときに働くロドプシンというたんぱく質を助ける作用があると言われています。
さらに、目を酷使するとおこる疲れ目やしょぼしょぼする感じを予防したり、改善したりする効果があり、疲れ目の予防や改善効果があるそうです。
アントシアニンが多く含まれる食品:ブルーベリー ブドウ カシス チェリー ハスカップ プルーンなど
美肌効果を望む方
【レスベラトロール】
レスベラトロールは、細胞を生き生きと若々しく保つ効果があるといわれています。
細胞を生き生きと若々しくするレスベラトロールの働きは、肌細胞に良い影響を与えるとして、美肌維持効果があるとされているそうです。
長寿のポリフェノールとしても注目を浴びているそうです。
レスベラトールが多く含まれる食品:赤ワインやブドウの果皮 アーモンドの薄皮 リンゴの皮 ザクロ イチゴなど
更年期障害の症状の改善を望む方
【イソフラボン】【リグナン】
イソフラボンやリグナンは、更年期障害の症状を改善する効果があるといわれています。
更年期障害は、加齢や閉経などが引き金となって、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することによって起こる症状です。
イソフラボンやリグナンは、女性ホルモンと同じような物質構造をもつため、体内でエストロゲンと似た働きを行うそうです。そのため、女性ホルモンのバランスが乱れることから引き起こる突然の発汗、イライラ、倦怠感、顔のほてりなど、女性特有の悩みを改善することができるといわれています。
イソフラボンが多く含まれる食品:大豆、大豆製品(豆腐、納豆、みそなど)
リグナンが多く含まれる食品:ごま、ごま製品
肝機能の改善を望む方
【クルクミン】
クルクミンは、胆のうにある胆汁の分泌を活発にする働きや、肝機能の解毒作用を助ける作用を持つといわれています。そのため、肝機能を高める効果を期待されています。
よく飲酒の前後にウコンをのむのが良いといわれているのは、ウコンにはクルクミンが含まれており、そのクルクミンが摂れるというのがいいのです。
クルクミンを摂ることで、肝機能を高めることができるので、アルコールの分解などを促進をうながし、二日酔いを予防することができるといわれています。
クルクミンが多く含まれる食品:ウコンなど
生活習慣病の予防を望む方
【カテキン】
カテキンには、生活習慣病を予防する効果があるといわれています。
生活習慣病が発症する原因のひとつに、中性脂肪が増加し、血中のコレステロールが増えることであるとされています。
カテキンは、肝臓でつくられる胆汁酸の排出を促進し、血液中のコレステロールの増加を抑制する作用を持つといわれているため、生活習慣病の予防や改善に効果的です。
カテキンが多く含まれる食品:緑茶 煎茶 番茶 ほうじ茶など
肌の引き締めを望む方
【タンニン】
タンニン酸は収縮する作用をもっています。そのため、皮脂腺や開いた毛穴などを小さく縮ませることができるといわれています。そのため、肌の毛穴を目立たなくするとされています。
女性は加齢とともに毛穴が気になる方が多いので、嬉しい作用です。
タンニンが多く含まれる食品:緑茶 烏龍茶 紅茶 プーアル茶 コーヒー ワイン 柿など
血流の改善を望む方
【へスぺリジン】
ヘスペリジンは、末梢血管を強くする作用を持つといわれているため、滞った血流を改善する効果があるとされています。
手先、足先などの末梢血管は、体内では特に血流が悪くなりやすい血管であるため、ヘスペリジンの働きによって血流がよくなると、冷え症などの症状に大変助かる作用といえるでしょう。
へスぺリジンが多く含まれる食品:みかんやオレンジなどの柑橘類の皮や袋、スジなど
高血圧の予防を望む方
【カテキン】
お茶に多く含まれているポリフェノール「カテキン」です。
カテキンは、血圧上昇を抑え、血圧降圧効果もあると言われています。最高血圧も最低血圧のどちらも低下することが研究結果により実証されているとのことです。
カテキンが多く含まれている食品:緑茶 煎茶 番茶 ほうじ茶など
がん予防を望む方
【カテキン】
日常的に緑茶を飲む人は、ガンの発生率が低いといわれています。
ガンが発生してしまう原因は、活性酸素などがDNA細胞を傷つけることでおこります。
しかし、緑茶に含まれるカテキンにより、発ガン物質の作用を低くしたり(抗イニシエーション作用)、ガンの進行をゆっくりにする(抗プロモーター作用)効果があるといわれています。
実際、緑茶の生産量が一番多い静岡県ではガン死亡率が低く、同じ静岡県内でも、お茶の産地では特に胃ガンの死亡率が低いことが報告されています。
緑茶に含まれるカテキン、素晴らしい活躍です。
カテキンが多く含まれている食品:緑茶 煎茶 番茶 ほうじ茶など
高血糖予防を望む方
【カテキン】
何度も出てくる「カテキン」には血糖値を上げさせない効果もあるといわれています。
カテキンには、唾液や膵液に含まれている消化に必要なアミラーゼという酵素の働きを抑制する効果があるといわれています。
そのため、ブドウ糖が血液に取り込まれるのに時間をかけるので、食後の血糖値が急激に上昇できなくなり、高血糖になりづらいという長所をもっています。
カテキンが多く含まれている食品:緑茶 煎茶 番茶 ほうじ茶など
ポリフェノールを効果的に摂るためのポイント
3~4時間おきに摂取する
ポリフェノールは、身体に取り入れてから3~4時間しか、効果が持続しません。
ということは、3~4時間おきにポリフェノールを身体に取り入れたらいいのです。
食事のときは、しっかりポリフェノールをとるとして、食間にポリフェノールが入ったお茶を飲むだけでもいいのです。老化の原因になる活性酸素は常に生み出されていることを考えて、細かい対応をしたらいいというわけです。
活性酸素を増やさないためにもこまめにポリフェノールを摂取するようにしましょう。
水分にして摂取する
赤ワインにせよ、緑茶、コーヒーにせよ、ポリフェノールは水に溶けるという性質があります。
水分として摂取できるので、身体の中に取り入れてから、30分程度で身体の中で働いてくれはじめます。即効性があるので、水分としてとると、効果がでやすいといわれています。
多量にとらない
カテキンなど、体に良い作用があるといってしまいましたが、飲みすぎはよくありません。
茶ポリフェノールは一気にいきなり飲み過ぎると胃腸に障害を引き起こす可能性があるといわれています。
そのため、1日30杯程度に相当する緑茶からとれる抽出物が許容範囲とされていたりするので、何事もやりすぎ、とりすぎなどはやはり、身体にはよくないようです。
持病がある人は医師に相談する
糖尿病や貧血、高血圧など持病があり薬を服用していて、併用してポリフェノールのサプリメントを飲む方もいらっしゃると思いますが、そのような場合、作用が大きく出すぎたり、小さくなってしまったりする可能性が出てきます。
今飲まれている薬と、ポリフェノールのサプリメントと薬との飲み合わせが悪かったり、他の持病との兼ね合いが悪かったりして、体にとって不利益なことが起きてしまってはいけないので、持病がある方は、かかりつけの医師に相談してから、摂取するようにしましょう。
ショウガと一緒にポリフェノールをとる
温めたショウガに多く含有しているショウガオールは、主におなかを中心に温める効果があるといわれています。おなかで温かくなった血液を体の末端まで行き渡らせるには、血液をサラサラにする成分=ポリフェノールと一緒にとるのが効果的なのです。
そのため、一時期、ショウガ紅茶が流行ったんです。
相乗効果でさらにポカポカして、代謝がよくなるので、お試しください。
ポリフェノールのまとめ
ポリフェノールの作用は多岐に及び、現代人には欠かせない成分の一つであることはお分かりいただけたかと思います。
ポリフェノールは、ほとんどの植物にはふくまれていますので、何かを多く食べるというよりは、バランスよく食べることがポリフェノールの良さを一番に引き出す方法ではないかと思います。
植物のありがたさがよく分かっていただけたかと思います。一口一口にも、あなたを守る成分がギュッと詰まっているので、ありがたさをかみしめて、サラダを食べていただけたら嬉しいです。
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