昼間のおもらしはなくなった、さあ、夜のオムツ外し!と思っていたら、アレレ?朝のオムツはパンパン、これじゃ、外せそうにない~、ということはありませんか。お友達は夜もパンツ、という話を聞くと心配になりますよね。でもママが気にすると、子どもにとってプレッシャーになることも。お互いストレスにならないオムツ外しを目指しませんか。
夜のオムツ外しは難しい?!
SS、S、M、Lとお世話になってきたオムツ。そろそろ外してもいいんじゃないかな~とママの方は思います。ところが、朝起きた時のオムツはいつまでもズッシリ重い、子どもの方もまったくオムツとサヨナラする気がないとなれば、いったい、いつ外したらいいの~?!と考えてしまいますよね。
「夜寝る前にトイレに行ったのに~」「水分もあまり与えていないのに~」とイライラしてしまったりすることもあるのではないでしょうか。
夜のオムツ外しをするタイミングは、「子どもの体の機能が整ってから」!
まず、子どもの体の機能について知っておきましょう。
寝ている間におしっこが出る 子どもの体のメカニズム
夜におしっこが出る理由
子どもが夜寝ている間におしっこをしてしまうのは、体の機能が未発達だからです。
具体的には、
1. 尿の量を抑える『抗利尿ホルモン』の分泌が少ない
2. 夜間の膀胱の容量が小さい
3. 冷え症状など、自立神経系統の障害
4. 睡眠障害、ストレス
5. 膀胱や腎臓などの機能的な異常
などの理由が考えられます。子どもに多いのは1と2で、次が3と4です。体が未発達なゆえに起きる症状なので心配はいりません。遅かれ早かれ必ず、夜のオムツは外れます。
夜間のおしっこを止める『抗利尿ホルモン』とは
抗利尿ホルモンとは、「尿を濃くして、尿量を少なくするホルモン」のことです。小さい子どもは、ホルモンの分泌が少ないため、薄い尿を多く出しているのですね。5才くらいですと、膀胱の容量がまだ小さい上、ホルモンの分泌量も十分ではないので、毎晩オムツにおしっこをしてしまう、ということがめずらしくありません。
成長と『抗利尿ホルモン』の関係とは?
生まれたばかりの赤ちゃんは、一日中寝たり起きたりしています。この時期は、昼夜関係なく、おしっこがたまれば出しています。
生後6ヶ月を過ぎる頃から、昼夜の区別がついてきて、夜寝ている間に分泌される抗利尿ホルモンがじょじょに増えて行きます。
5~6歳ごろになると、昼寝の必要がなくなる子も出て来て、朝起きて夜寝る生活リズムができてきます。
でも、抗利尿ホルモンが大人と同じように分泌されるのはまだまだ先、だいたい10歳くらいといわれています。
なので、年長さんになっても夜オムツが取れない、おねしょをしてしまう、というのは自然なことなのです。
夜のオムツが外れるまで ママができること
子どもが気にするよりももっと、ママの方が心配してしまうということがあるかと思います。
お友達のうちや保育園・幼稚園でのお泊りがあったりすると、「オムツでいいのかな~、お泊りの前に早く外した方がいいかも?!」と気をもんでしまいますよね。
ママが心配していると、子どもにとってもストレスになってしまうことも。ムリせずお泊り会もオムツでOK。
「いつかは外れる」と思って、気楽に様子を見ましょう。ママの心構えのコツをお伝えします。
おねしょ三原則
子どもをおねしょ卒業へと導く上でやってはいけない「おねしょ三原則」というのがあります。
オムツが外れない時にもあてはまるので、ご紹介します。
1.「叱らず」:期待が強いと、「またおしっこしている!」と怒りがわいてしまいがち。子どもが努力してもどうかできることではないので、なにごともなかったかのように、朝オムツをサッと捨ててあげましょう。
2.「焦らず」:「あなただけオムツよ~」と言われると、子どもながらに傷つきます。他の子と自分を比べて劣等感を持ってしまう子も。精神的なストレスは、抗利尿ホルモンの分泌を乱す可能性もあります。「いつまでも赤ちゃんでいてくれてもいいのよ~」くらいの余裕の気もちが持てればいいですね。
3.「起こさず」:夜中に起こしてトイレに連れて行けば、朝までおしっこをしないのではないかと思って、起こすママもいますが、睡眠バランスが崩れる上、抗利尿ホルモンの分泌もさまたげるのでNGです。
抗利尿ホルモンの分泌を助ける生活を!
子どもは自分ではなかなか生活リズムが作れないものです。規則正しい生活は、抗利尿ホルモンの分泌を促進しますので、ぜひ心掛けてあげましょう。
【抗利尿ホルモンの分泌を促す生活習慣】
1.早寝早起きをし、外遊びをたっぷりと
早寝早起きをすると、自律神経が整います。外遊びをすることで、夜もぐっすり眠れるので、抗利尿ホルモンの分泌が活発になります。
2.午前中に水分をしっかり取り、午後からは少なめに
心がけとして大事なポイントですが、子どもが欲しがっているのに与えない、というのはNGです。熱中症にかかりやすくなりますし、子どものストレスにつながります。また、夕食に利尿作用のある果物を与えたくない、という場合は、他の家族も食べないようにしてあげましょう。
3.夕食の時間は早めに。塩分の取りすぎに注意する
寝る前に食事を取ると、睡眠中の血糖値が上がって、抗利尿ホルモンの分泌をさまたげてしまいます。大人も同じですが、寝る3時間前には食事を終わらせておくと健康にも良いですね。また、塩分を取ると水分も取りたくなりますから、ひかえめに。
オムツが外せそう!という時のポイント
基本的には体の機能が整えば、自然とオムツは外れるものです。それは突然やってくるものです。こんな時は、オムツの外し時かもしれません。
1.「あれ、今日はオムツぬれてない」という日が10日ほど続けば、オムツを外しましょう。
2.何日かオムツがぬれない日があり、子どもから「パンツで寝る!」と言われた場合。シーツの下におねしょシートをひくなど対策をして、様子を見ましょう。
寝る前に水分を多く取ったり、環境が変わったりすると、睡眠中におしっこをしてしまうことがあるので、一喜一憂せずに見守りましょう。子どもが「あちゃ~」とバツが悪そうにしても、「いいよ、いいよ」と言ってあげると、子どもは安心します。
夜のオムツ外しは案外時間がかかる?!
昼間のオムツが外れて、すぐに夜も...と思っているうちに、一年以上過ぎてしまったという方も多いのではないでしょうか。
筆者の娘はもうすぐ6歳になりますが、夜はまだまだオムツのお世話になっています。
「夏のお泊り会までには取れているかな~」と思っていたら、当日はこっそり先生にオムツをはかせてもらうことに。(周りにばれなかった上、安心して眠れたようです)
娘を観察していると、よくお茶を飲む、トイレに行ってもまたすぐ行きたくなる、などオムツ外しの準備段階に入っていないことがよく分かります。
「まだ体の機能が整っていないんだな~」と思うと、幼い我が子が愛しくなります。
子供が小さなままでいてくれる期間は、けっこう短いですよね。叱らず焦らず、「ゆっくり成長していいよ♪」という大らかな気もちで見守っていきたいですね。
コメント