大人になると人生の大半の時間を使う仕事。仕事は自己実現の手段になるだけではなく、賃金を得るための手段となるなど、人生において非常に重要な活動です。
しかし、時にはダメだと分かっていても「働きたくない」と思ってしまうことだってあるはずです。
そこでこの記事では、「働きたくない理由」と「その対処法」についてお伝えします。
「働きたくない」と思いながら悶々と過ごす時間が少しでも早く解決してやる気を取り戻し、質の高い仕事をするためのヒントにしてください。
働きたくない理由7選
待遇や職場環境に不満がある
給料が安い、休みがない、労働時間が長い…など、世の中には完璧な職場環境はなかなかないのが現状です。労働基準法だって過半数の企業でどこかに違反があるくらいです。
残業代が払われない、有給休暇が取れない、賃金が最低賃金を下回っているなど、労働基準法による労働条件が守られていない場合は、労働基準監督署に相談してみるということも手の一つです。
ただし、労働基準監督署は労働基準法又は労働安全衛生法など、労働基準監督署が監督している法令についてのみ相談を受け付けております。
もし労働基準法などに基づかない不満、例えば、職場いじめ、退職勧奨など、職場いじめ、などでやる気をなくされているのであれば、労働組合など他の機関にご相談されることも可能です。
休み明けだから
毎週日曜日に放送されている「サザエさん」を見て休日の終わりを感じ、憂鬱になってしまうことを「サザエさん症候群」と言います。
同じような症状にブルーマンデー症候群というものもあります。
多くの人が特に「働きたくない」と感じるのは、休日明けという統計データがありました。
休日モードから仕事モードに気持ちを変化させるのは、相当なエネルギーを必要とするものですが、休日があるなら働く日があるのは当然のことです。
ただし、仕事の前日は毎回深刻な憂鬱な状態になったり、腹痛などの身体的症状が出る場合は、精神的な病の可能性があります。
もし当てはまる方は、次の「ストレスがたまっている」を慎重にみてみてください。
ストレスがたまっている
ストレスがたまると、それだけで仕事を続けたい気分になりません。
ただし、「うつ病」が疑われるケースもあり、もし、ストレスを感じていて、その結果「仕事をしたくない場合」には、うつ病のセルフチェックをしてみて、そのうえで必要と感じたら心療内科に行くことも必要です。
ストレスを放置しておくと、うつ病になるだけではありません。
最悪、ストレスが原因で犯罪を犯したり、自殺をするなど、家族に迷惑をかけるといった事態になるとも限りませんので、早期のストレスケアが必要です。
なお、ストレスケアの方法としては、以下があります。
1.体を動かす
スポーツをするなど:心理学的には「ストレス解消」2.体を休める
一日中ボーっとする:心理学的には「リラクゼーション」3.自己分析を行う
自分の現状について考える:心理学的には「セルフカウンセリング」
悩み事がある
多額の借金がある、家庭内不和を抱えている、など、たとえそれが仕事以外のことであっても、「悩み事」があってそれに四六時中頭を悩まされている状態であったら仕事をする気分にはなれません。
「悩み事」の種類にも寄りますが、どこに相談すべきか情報を得ることから解決はスタートします。
例えば、借金の問題であれば、弁護士や司法書士、家族の問題であれば弁護士か司法書士、行政書士、心理カウンセラーなどが挙げられます。
悩み事に対しては、多くの知識を得た専門家が待っています。
インターネットで探してみて尋ねてみるのも良いですし、もちろん、信頼できる知り合いにそのような資格者がいればその人にご相談されるとより良いでしょう。
※ただし、近年は「着手金」目当ての士業も多いため、人選には注意してください。着手金とは、士業などが最初に仕事を処理するために必要とする最低限の事務経費のことを言います。内容にもよりますが、平均的には数万円から数十万円で、手付金の意味合いもあります。基本的には、仕事の結果に関わらず、返却されることがないお金のことです。
自分自身が責められているように感じている
仕事の納期、報告書の内容、プレゼンテーションなど、働く場面では結果を求められる場面にいくつも遭遇します。
実際に人から叱責を受けていなくても、自分で自分を叱責してしまっているなんてこともしばしば。
そのような状態のときには、当然仕事が手につかず、自分の価値について疑問がわき、それが堂々巡りとなってしまいます。
しかし、上司はもともと部下がミスをしたときに責任を取ってくれる最初の存在のはずです。
今までの積み重ねで上司が信用できない場合はともかく、一度上司に現状を相談されるのはいかがでしょうか?
やりたくない仕事をしている
もし現在の職場があなたが目指していた職種と違った場合や、仕方なく入社した会社だった場合、働きたくないと感じてしまうのは当然のことかもしれません。
もちろん生活していくためには働いてお金を稼ぐ必要がありますが、人生の大半の時間をやりたくない仕事で費やすことでストレスがたまってしまっては、それこそ問題です。
ある程度キャリアや職歴があるならば、転職で情熱をもって打ち込める仕事を探してみるのも、働く意欲を取り戻す手です。
仕事で大きなミスをした
仕事で大きなミスをしたとき、どう思うでしょうか?
その結果として、お客様との契約が打ち切られ、発注をもらえなくなった。
獲得できるはずの新規受注を失注した。
多額の損害賠償責任が発生した。
その上に、上司からとんでもなく厳しく怒られたかもしれません。
しかし、これは全て人間社会における「取引」に基づいて起こる結果の一部にしかすぎません。
それが理由で直接あなたまでが仕事を失ったり、生命を失ったりするわけではありません。
近年、会社は従業員を守らなくなったとよく言われますが、あなたが背任などの犯罪行為を犯していない限り、あなたを簡単に解雇したりするようなことはありません。
もちろん、それを機に「仕事をしたくない」という気持ちも分からなくはありません。
そんな時は取り敢えず、やる気が回復するまで時間を待つのも有効手段かもしれません。
働きたくないときの対処法7選
それでは、いったいどうすれば「働きたくない」という気持ちに打ち勝つことができるでしょうか?
働きたくない理由を整理する
どうして働きたくないのでしょうか?その原因を取り除けば自然に働きたくなることは明白です。
そこで、とりあえず働きたくない理由を可能な限り書き出してみるとよいでしょう。
これは、先ほどの「セルフカウンセリング」の代表的手法の一つです。
働きたくない理由として、会社の人間関係、仕事のノルマ、通勤電車など、嫌なことやツラいと感じていることなどがいろいろ出てくることでしょう。
それらは自らの行動で取り除くことができるでしょうか?恐らくは全てを取り除くことは出来ないでしょう。
なぜなら、これらの苦痛の多くは、自分の性格やスキル、技量などの問題ではなく、「他人」の行動が原因でストレスを受けている可能性も否定できないためです。
そのため、ストレスの原因が自ら起こしていることなのか、それとも、他人の行動が原因で起こったことなのか、いったん整理することで、「働きたくない理由」を回避、又は除去できるのか、冷静に分析することができます。
もし、回避又は除去ができないレベルであれば、今の仕事を辞めるに値するほどの苦痛なのか考慮してみて、転職などの他の行動を取るべきなのかを考えてみるのも良いでしょう。
仕事の環境を変えてみる
いつも同じ環境下で仕事をしているがゆえにやる気が落ちている人は、外出先でパソコンを使って入力作業をする、などのように強制的に場所を変えてみると、違った気分で仕事ができるようになり、働く意欲を起こすキッカケになります。
ただし、環境を変えるといっても安易な転職はおすすめできません。今の環境の中で現状を変えていくことをまずはおすすめします。
体を休める、長期休暇を取る
仕事のし過ぎで疲れている、休みが取れていない、睡眠が十分にとれていない、などで体のコンディションが万全ではないといった状態では、どれだけ仕事ができる人でも「働きたくない」と感じてしまうことは当然です。
そのような場合、無理は禁物です。
体を十分に休め、コンディションを万全に整えて再度仕事に挑戦することが必要です。それだけでも積極的に仕事にかかわれるようになります。
また、精神的な疲れやストレスが長期にわたってたまり、少し休んだくらいでは何ともできない場合は、思い切って長期休暇を取り旅行に行くなどもよいでしょう。
とりあえず、仕事に取り掛かる
働きたくないと感じていても、多少の気力が残っている場合は、取りあえず手を動かすなど、惰性でも取りあえず仕事に着手してみてもよいでしょう。
有名なコンサルタント、箱田忠昭さんの対処法として「嫌な仕事はとりあえず4分間だけやってみる」いうものがあります。
取り敢えずやってみて順調に進まなければ休む、いったんはそんな気持ちで取り組んでみると、意外と仕事が進むこともあるでしょう。
全ては時間薬(時間が解決してくれる)です。
今の世の中、失敗して詰め腹を切らされたり、間違っても死刑になるようなことはそうそうありません。
心療内科にかかる
一度、うつ病のセルフチェックをしてみて、「うつ病」にかかっている可能性があれば、心療内科にかかってみてください。必要によっては心理カウンセリングが行われます。
働きたくない理由は理屈ではなく、その人の内的な心の変化や、何らかの精神的な病気をはらんでいる可能性もあります。
もし、チェックの結果、そのような兆候が見られた場合は、直ちに対処をしたほうがいいでしょう。
うつ病の場合、症状が初期の段階で対処することにより、勤務に対する影響が軽いうちに復帰することもできます。
キャリアカウンセラーに相談する
心療内科と同様、キャリアカウンセラーも、働きたくない理由について支援をしてくれる専門家です。
「仕事をしたくない理由」が理屈で説明できるものの場合、それはこれまでに多数の前例がある問題で可能性があるため、あなたにあった解決方法を提示してくれるでしょう。
一人でできる仕事をしてみる
もし、「働きたくない理由」が「避けられない人間関係」にある場合であれば、会社を辞めて独立してみるのも方法のひとつです。
会社で仕事をしていると人間関係から逃れることはほぼできません。最もストレスの種となる「職場の人間関係」から逃れるだけで、気分が一気に変わります。
独立して一人で仕事を始めると、労働時間も出勤日だって自分で決めることができます。
確かに、「独立なんて無理!」と尻込みをしてしまうかもしれません。
しかし、インターネット環境などが充実している今では、やり方次第では十分に生計を立てることもできます。
まとめ
今の状況は、決してあなたが一人で孤独であるというわけでは決してありません。
周りに相談できる人の意見を聞いて、対処していくと、案外うまいこと行くケースも少なからず存在します。
そして、「働きたくない」と感じている自分自身を受け止めて、そのうえで、その理由や対処を考えてみてください。
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