仕事で、クレームはさけて通れないものです。最近では店員に土下座をさせ、その写真をネットにアップする悪質なクレーマーがニュースで取り上げられていました。
「モンスターペアレント」ならぬ「モンスタークレーマー」という言葉で表現されるほど、最近はどんどんクレーマーの態度が横暴化している印象さえ受けます。
理不尽に聞こえるクレームも相手には理不尽でないから話がややこしくなります。
今回はモンスタークレーマーも黙らせる、クレーム対処の方法をご紹介します。
1.了承、同意の言葉を引出すアプローチを
クレームが入ると反射的に「大変申し訳ありません。」「おっしゃる通りです。」などと相手の機嫌を損ねないように対処してしまいがちですが、「それって、そっちの非を認めたってことだよね。だったらこっちのいう事を聞きなよ。」というクレーマーのペースに乗る展開になってしまいかねません。
対処方法の一つとして、クレーマーから了承・同意のことばを引出す工夫をしてみましょう。相手のペースにはまらない為にも、この手法はマスターしておきましょう。
まず、話を聞くことは重要なので話を聞きながら、タイミングを見計らって了承や同意を求める言葉を投げかけていくのです。例えば、こちらの意向をお話しし、「○○のこの部分は、ご理解いただけると思いますが如何でしょうか。」などといえば相手は、こちらの言い分に了承・同意を判断せざるおえません。
了承・同意を判断すればするほど、激昂状態から冷静になります。小さな了承・同意を重ねていく事が説得へと繋がって行くのです。この方法は、相手が激昂していて話の内容がつかめない場合にも有効な方法の一つです。活用してみましょう。
2.「言った」・「言わない」をなくす
クレーマー対応で、長引く(時間がかかる)要因になるのが、「言った」「言わない」の水かけ論が起きた場合です。言った、言わないの根本にあるのは、発した言葉の解釈と認知にあります。微妙なニアンスを悪く受け取るときによく起こります。
電話等のクレームでは、録音が重要になります。対峙しているクレーマーの場合は、録画や複数人で対処に当る事をお勧めいたします。クレーマーの中には自分自身の認識で、やっかいなクレームをわざとするケースもあります。複数人で当たる事により、その様な誤認から対応を間違えるケースをも防止できます。
3.素早い状況把握
クレームという火に水をかけるか、油を注ぐか。それを左右するのが、「スピード感」です。たとえ解決に時間がかかる事態だったとしても、状況把握だけでもスピーディに対応すべきでしょう。
「事情がよく分からない状態でしたので、直接お話をお伺いしようと・・・。」といって駆けつけたり、こちらから電話をするなど、「早く解決させる」という気持ちを両者が共有することにより、問題の沈静化・解決化を図ることができます。
相手からのアクションで話が始まると、いかに困っているか、大変なのか、から聞かなければならず、そのリアクションへの反応が薄かったりすると、「さらに強く言わなければ自分の気持ちが伝わらない・・・。」と相手は考え、語気が荒くなったり攻撃的な言葉を投げかけたりしてきます。
そのうち、その感情、言葉から、激昂していき、モンスタークレーマーが完成するのです。
4.収集する
自身の対応、他人の対応に関わらず、うまく行ったクレーム対応の事例を集めて認識しておきましょう。クレームの対処方法で重要な事は「自分自身が慌てないこと」です。想定していない反応や事態のときに慌ててしまい、さらに悪化させてしまう。というケースはよく聞く話です。
事前に、過去の事例を認識しておくことで対応に余裕が生まれ、ある程度の落としどころなんかも見えてきます。対応報告書などを活用したり、顧客の問合せ履歴や対応表などを活用することも一つの方法です。
過去のクレーム状況を確認することで、そのクレーマーの傾向も見てとれます。
5.言葉のクッションで真摯さを伝える
相手に対して、事実や現状に即した相手への心遣いを表す言葉をお客様に「お伝えする」ことも怒りを受け止め、クレーマーに冷静さを促す効果があります。その言葉を用いる度「この人は分かってくれている」理解されているという感情がわいてくるものです。
やさしい一言を発する事ででも鎮静化していきますが、あいずちや頷き、身なりなども言葉のクッションと同様の効果があります。
また、自分の担当ではなかったり、自分は本来、受け付けだからと、自分の責任範疇を超えた途端、トーンダウンして、クレーム対応が雑になってしまう人も多く見受けられます。
電話をとったらある程度までは、自分で問題解決にまで導くという覚悟がないと、よいクレーム対応は望めません。
まとめ
クレームは、もとを断つ事が重要です。
クレーム対応完了後もなおのこと、何が原因だったのか、何故起きてそうなったのかをつかんでおく事が重要です。
また、クレーマーは明日の優良顧客という面もあります。モンスタークレーマーが?と思うところは確かにありますが、好きだからこその気持を汲みと思って、真摯に対応する必要があります。
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