「ミドリムシ…なんだか聞いたことある」と思う方も多いのではないでしょうか。中学校の理科の教科書に載っていることが多いミドリムシですが、最近、健康や美容に効果があることが分かり、世界的に注目されています。現在多くの会社がこぞって様々なミドリムシのサプリメントや健康食品を販売しています。そこで、気になるミドリムシの効果やダイエット情報を詳しくまとめました。
ミドリムシの効果やダイエット方法とは?
ミドリムシと言えば、最近テレビや新聞、雑誌でよく見かける話題の微生物ですよね。健康に気をつけている方は特に、ミドリムシの存在が気になるのではないでしょうか。近年、ミドリムシはたくさんの可能性を秘めた素敵な生物であることがわかってきました。
ミドリムシは果たして、健康や美容にどのような効果があり、またダイエットにどう役立つのでしょうか。中学生の頃に勉強したミドリムシに、まさかこんな力があったなんて…、ときっと驚くはずです!
そもそもミドリムシってどんな生物?
ミドリムシ(ユーグレナ)とその歴史
ミドリムシは名前にある「ムシ」ではなく藻の一種で、およそ0.05mmととても小さな生物です。髪の毛の太さよりも小さな生物であるため、肉眼ではっきり見ることはできません。そんなミドリムシは、5億年以上前から存在する私たち人類の大先輩でもあります。
1660年代にオランダのレーウェンフックが発見しました。ミドリムシの学名は「ユーグレナ」といいますが、これはラテン語で美しい(eu)眼点(glena)を意味します。ミドリムシの繊毛の基部にある赤い点が眼点と名付けられましたが、これが実際に光を感じるわけではなく、光を妨げる働きをしているのだとか。
1950年代には、メルヴィン・カルヴィン氏らがミドリムシを用いた光合成の研究により、光合成による炭素固定反応である回路を解明しました。その功績によって、1961年にノーベル化学賞を受賞しています。
また、1970年代にはNASAでの宇宙開発に利用された際、ミドリムシは太陽光と二酸化炭素で育つことができ、更に光合成によって酸素を放出することがわかりました。それから、様々な研究が行われ、ミドリムシが秘めた可能性が明らかになってきたようです。実は昔から注目されていた生物だったのかも…?
ミドリムシは「動物」であり「植物」でもある
ミドリムシは、動物と植物の両方の特徴を持っています。動物のように細胞を変形させることで移動をしながら、植物として光合成を行い、栄養分を体内に蓄えているのです。このように、生物学上両方の性質を持ち合わせている生物は大変珍しく、貴重であるといえます。
ミドリムシは光合成を行うため、太陽光と水と二酸化炭素だけで育つことができます。高濃度の二酸化炭素の中という過酷な環境の下でも生存できる強い生物でもあります。大昔から存在していることも頷けますね。
光合成によって酸素をつくるわけですが、ミドリムシはその生産効率が群を抜いており、地球温暖化対策に役立つのでは、と有望視されています。栄養素の生産効率はなんと稲の約数十倍とも言われているそうです。
ミドリムシの栄養素はなんと59種類!
ミドリムシはビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸を含む59種類もの栄養素を含んでいます。私たちが生きていくために必要な栄養素の大半を持っている生物なのです。動物と植物、両方の特徴を持ち合わせているからこその豊富な栄養素であると言え、栄養バランスはほぼ完璧。
私たちが摂りにくいとされる亜鉛もクロレラのおよそ77倍も含まれており、アミノ酸や不飽和脂肪酸もユーグレナ1個で充分に摂取できるほど。そんなミドリムシは、途上国で微量栄養素不足に苦しむ人々の食糧援助になりうる希望の生物として期待されています。
更に、動物としての性質を持っているミドリムシには細胞壁がないため、細胞壁のある野菜よりもより栄養素が効率的に吸収されると言われています。野菜の吸収率がおよそ40%なのに比べ、ミドリムシの吸収率は90%超とされています。たしかに壁がないと、スーッと身体に吸収されそうな気がしますよね!
残りカスさえ利用できる「究極」のエコロジー
沢山の可能性を秘めているミドリムシですから、これから大量に培養されることは目に見えています。そこで気になるのが、ミドリムシから必要な栄養素を覗いた後の残りカス。当然ながら、大量に廃棄するにはコストや環境面で色々な問題が出てきますよね。
なんとミドリムシは、サプリメントやバイオ燃料を作ったあとの残りカスでさえ活用することができるのです!油分や栄養素を抽出しても、なんせ59種類もの栄養素を含んでいるのですから、残りカスにも栄養素が豊富に含まれるため家畜や養殖魚のエサとして利用できます。
実際に与えてみたところ、養殖魚は生存率がアップ、鶏は栄養素であるタウリンが増加したそう。残りカスがもはや、残りカスと言うのも申し訳なくなります。二次的三次的に利用できるミドリムシは環境にも優しい究極のエコロジーであると言えるでしょう。
ミドリムシを効果的に摂取するには?
栄養豊富なミドリムシをどのように摂取すれば、一番効果を得られるのでしょうか?せっかく飲むのですから、しっかりとその効果を享受したいですよね。どうすれば一番吸収されやすくなるか考えてみる必要があります。
たくさん消化吸収されるためには、効率よく分解していく必要があります。そうすると、やはり食前や食後の消化器官が活発に働いているときが効果的に吸収できそうです。
食前か食後かで比べると、食べたものに多少影響されて栄養成分が変化するおそれがある食後よりも、食前のほうが良いのだとか。そう考えると、一緒に飲む飲料もジュース等よりも普通の水が良さそうですね。
また、1日に1度の摂取だと決めている人は朝の空腹時に飲むと良いそうです。ミドリムシの1日の推奨摂取量は小さじ1/4(0.5g)ほど。肉や野菜をバランスよく摂取していることが前提です。さすが、小さな体にギュッと栄養素を詰め込んでいるだけあってほんの少量で済みますね!
ミドリムシとミトコンドリアの違い
ミドリムシとミトコンドリア…なんとなく名前も似ているし、どう違うのかがきになりますよね。ミドリムシは紹介したとおり淡水に住む生物であるのに対して、ミトコンドリアは、細胞に核を持つ生物(真核生物)の多くに含まれている細胞小器官なのです。生物か器官かの違いですね!
ミトコンドリアを顕微鏡で覗いた時の図とミドリムシの形がなんとなく似ていることもあり、混ざってしまいそうですが、実際は全くの別物です。
気になるミドリムシの効果と効能まとめ
ミクロホールによる強力デトックス効果
ミドリムシが含む成分で今最も注目されているのが、β-グルカンの一種である「パラミロン」です。なんとこの成分、地球上でミドリムシしか持っていないのだそう!そしてこのパラミロンは、体内の不要なものを外に追い出す「デトックス効果」があると言われています。
その仕組みとしては、パラミロンは複雑な構造をしていて、表面にはミクロホールと呼ばれる小さな穴が無数に存在します。この穴が、不要な物質を吸収します。パラミロンは食物繊維と性質が似ており、吸水性に優れ、腸内で消化されにくいことから、体内に取り込まれることなく、老廃物を抱え込んだまま体外に排出してくれるのです。
体内の脂肪分をジワジワ排出
上で紹介したパラミロンですが、中性脂肪も吸収して体外に排出してくれます。便秘気味の人は特に、腸内に脂肪がこびりついていることがあります。それを落とすことはかなり大変なことなのですが、パラミロンはそれらを絡め取り、落とさないまま体外に追い出してくれるというのです!
実際に、メタボが気になる30~50代の男女を対象に行った実験によると、ミドリムシを2ヶ月間摂取し続けたところ、中性脂肪が平均で17%減少するという結果が得られたとのこと。ミドリムシはダイエットにも効果が期待できそうです。
メタボリック症候群に効果的
老廃物や中性脂肪を体外に排出してくれるということがわかり、これだけでもメタボリック症候群に効果がありそうですが、それに加えてミドリムシは血液中の善玉物質アディポネクチンを増やす作用があると言われています。
この善玉物質アディポネクチンは、肥満や動脈硬化が進むと分泌量が減ってしまうとされています。メタボリック症候群の人が、一ヶ月間ミドリムシのサプリを飲んだところ、3人中2人にアディポネクチンが増加するという結果が得られたという情報も。
ストレスを軽減し、疲れにくい身体を作る
疲れがたまると、イライラしたり集中力がなくなったり…、良いことないですよね。人はストレスを感じると、セロトニンという物質を分泌します。このセロトニンが、イライラを落ち着かせてくれるのですが、ストレス状態が続くと、減少してしまうと言われています。
セロトニン不足状態が続くと、よりストレスを感じやすくなるため、肌荒れや便秘、肩こりや胃腸の不調につながります。まさに負のスパイラル…というわけですが、このセロトニンは必須アミノ酸とビタミンで合成されることがわかっています。
ミドリムシには必須アミノ酸とビタミンが豊富に含まれており、セロトニンの材料が揃っているというわけです。ストレスを感じやすい方はミドリムシで予防することもオススメです。
免疫力アップ
さきほど、ミドリムシにだけ含まれているパラミロンという成分を紹介しましたが、このパラミロンは免疫力アップにもつながります。このパラミロンはβ-グルカンの一種で、抗菌・抗ウイルス、抗アレルギー、抗腫瘍や代謝改善などの働きがあることが証明されているらしいのです。
パラミロンが腸管の粘膜細胞を刺激することによって、免疫力が上がるといわれています。また、有害な細菌が体内に侵入してきた際に、先ほど紹介した強力なデトックス効果によって体外に排出されくなることが期待されています。
ミドリムシダイエットとは
ミドリムシダイエットの方法とは?
これまで紹介したとおり、パラミロンは食物繊維にも似た性質をもち、デトックス効果や中性脂肪を減らしてくれる効果が期待されており、ダイエットにも向いている成分だと言われています。ミドリムシを食べてパラミロンを摂ることで、太りにくくなる(脂肪分を吸収しにくくなる)と考えられているわけです。
脂肪分の吸収をより抑えたいと考えている方は、脂肪分を摂取する前、つまり食前にミドリムシサプリメントを飲むとより効果的だと言われています。ここで注意すべき点は、パラミロンは吸収しにくくなるというだけで、全く吸収しなくなるわけではないということです。脂肪分を摂りすぎると当然吸収もされますので、気をつけましょう。
ダイエット効果が現れるまでの期間
ダイエットをしていると、どれくらいで効果が出るのかというのはやはり気になるところですよね。ミドリムシのような天然の生物から作られたサプリメント等によって効果的な栄養分を摂取していくという方法は、やはり薬というわけではないので、目に見えて効果があらわれるという人は少ないと思います。
サプリメントというものはそもそも、継続的に飲むことが大事です。飲み続けることで体質を改善していくものなので、すぐに効果を感じられないからといってすぐに飲むのをやめてしまっては、何も意味がありません。
すぐに効果を得られずとも、体質が良くなっていることを信じて、3ヶ月は続けて飲んでみることをおすすめします。口コミなどを検証した結果、便秘解消は割とすぐに効果が現れるようです。もちろん、サプリメントの服用は補助的なものとして、食生活を見直すことで自分でも改善に向けた努力をすることも大事です。
ミドリムシダイエットの副作用について
サプリメントや薬を飲む前にまず気になるのが副作用だと思います。ミドリムシを食べることによる副作用ですが、調べてみたところ副作用はないようです。なんでも、原料であるミドリムシ(ユーグレナ)は厳しい安全試験をクリアしており、副作用がないことが確認されているのだとか。
今や普通に手に入るものですし、メディアで取り上げられることも多いものが、副作用のある危険なものであるはずもない気がしますよね。2006年にサプリメントが登場して以来、一度も副作用の報告がされていないそうです。ミドリムシはかなりの安全性が期待できます。
ミドリムシサプリを選ぶポイント
いざサプリを飲もうとしても、様々なメーカーから販売されていて、どれを飲めばわからないというかたは多くいらっしゃいます。しかし、実はどのメーカーから販売されているサプリも、中に含まれるミドリムシは全て、後で紹介する東京大学のベンチャー企業によって培養されたミドリムシを使用しているので、ミドリムシの効果や効能に差はありません。
模造品が出回っている場合もあるので、安心なミドリムシサプリを探しているときは「株式会社ユーグレナ」のマークが記載されているかを確かめましょう。ミドリムシの効果効能が同じなわけですが、メーカーによって、ミドリムシの配合量や、サプリに含まれる他の成分に違いがあります。
なので、選ぶ際はそれらをしっかりと見ることが大切です。ミドリムシが含まれているほどより高い効果が期待できます。濃さに自信のあるメーカーはそれを積極的にアピールしますので、ミドリムシの含有量を明記しているところがよさそうです。逆に明記していないものは、問い合わせるか選ぶのをやめたほうがよさそうです。
ミドリムシダイエットがお勧めな方とは
体重の維持をしたい
先ほどミドリムシはダイエットに効果的だということを紹介しました。ミドリムシを食べてパラミロンを摂取することによって、脂肪分を吸収しにくい痩せやすい身体をすれば、体重の維持ができると考えられます。
健康な身体を作ることによって、体重維持をしたいという方にはミドリムシダイエットがおすすめです。体重維持をすることが、メタボの予防に直結しているのです。
コレステロール値や中性脂肪値を改善したい
コレステロールや中性脂肪の値が高いと、中年太りやメタボリック症候群、更には心臓病や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病にかかる危険性が高くなります。
パラミロンに含まれるβ-グルカンはコレステロールの低減効果も確認されているそうです。上述したとおり、中性脂肪を減らす効能もあるので、コレステロール値や中性脂肪値を改善したい方にはミドリムシが良いかもしれません。
食事制限ダイエットをしたくない
ダイエットは継続することが大事ですが、食事制限ダイエットをするのが苦痛で、途中で諦めてしまう、という方も多いのではないでしょうか。また、中年太りの方は少しの運動や食事制限では痩せにくく、悩むこともありますよね。そこで諦めて、生活習慣を改善しないままだと、リバウンドしてしまいます。
ダイエットをする上で必要なのは基礎代謝をアップさせることです。代謝をアップするためには栄養をしっかりと摂取することが大切です。59種類もの栄養素を含み、更に吸収率が90%以上のミドリムシを食べれば、代謝が上がりやすくなり、自律神経が整うことが期待されています。
また、ミドリムシの脂肪分を吸収しにくくなるという効能もポイントです。食事制限をしたくないという方はミドリムシを試してみてはいかがでしょうか。もちろん、食べ過ぎないことや生活習慣を見直すことも大事です。
慢性的な便秘に悩んでいる
パラミロンは食物繊維に似た性質を持つことは既にお伝えしました。継続しないと効果がなかなか実感できないのがサプリメントですが、便秘解消効果は比較的早く効果を実感できる人が多いようです。慢性的な便秘に悩んでいる方は一度ミドリムシのデトックス効果を期待してみるのもよさそうです。
いつまでも健康でいたい
「いつまでの健康でいたい…」それは多くの人が考えていることだと思います。そのためには、栄養を偏り無くしっかりと摂取し、体質改善をすることが大切です。ミドリムシには豊富な栄養素が含まれており、またミドリムシにしかないパラミロンという成分は多くの可能性を秘めた成分ですので、日常的に摂取することで体質は良い方向に向かっていくでしょう。
東京大学内のベンチャー企業って知ってる?
株式会社ユーグレナとは
株式会社ユーグレナ(euglena)は、東京大学内のベンチャー企業です。「another future. -ミドリムシが地球を救う-」というメッセージを掲げ、ミドリムシの可能性に情熱を捧げ、生産から販売に至る事業を展開しています。
世界で初めてミドリムシの大量培養に成功!?
ミドリムシの歴史を上で紹介しましたが、ミドリムシは昔からその可能性に注目され研究されていたものの、世界で誰もミドリムシの大量培養に成功することがなく、技術も確率していない状況であったため、事業化は遠いものであると考えられていました。
創業者であり代表取締役である出雲氏は、東京大学在籍中にバングラデシュを訪れ、そこでの貧困や栄養事情の実質を目の当たりにすることに。帰国後、ミドリムシを紹介され、食料問題や環境問題解決に大きく貢献することができるのでは、と大量培養の研究を続け、世界初のミドリムシの大量培養に成功しました。
バイオザイムとは?
東京大学の研究機関によって開発されたミドリムシを飲みやすいように粉末状にしてカプセルにしたもの、それがアンテナ社のオリジナル商品バイオザイムです。今ではカプセルタイプだけでなく、スティックゼリータイプもあります。
カプセルタイプだと、1粒あたりのミドリムシ含有量が260mgと他商品に比べてもかなり高濃度です。含有量が明記されている商品は、それだけ濃さに自信があるということなので、これはミドリムシの効果に期待できそうです。1日3~6粒摂取が目安ということなので、780~1560mgものミドリムシを1日に摂取することができます。
このバイオザイム、模造品が多く出回っているようです。バイオザイムは店舗や店頭のみの取り扱いなので、極端に安いものやネットで出回っているものは模造品である可能性が高いので充分に注意しましょう。
まとめ
ミドリムシに秘められた可能性を知っていただけたでしょうか。今回紹介したサプリメントなどの食料品以外にも、バイオ燃料や化粧品まで活用販路が広がりつつあります。バイオ燃料として活用されることが期待されており、「ミドリムシで飛行機が飛ぶ」と言われているほど。ミドリムシの可能性は無限大です。
副作用もなく、豊富な栄養素を摂取できるサプリメントはなかなかありません。人それぞれお悩みがあると思いますが、ミドリムシの効果や効能に興味がある方は、試してみる価値がありそうですね。
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