【宝くじと年齢】Q.もし子供が買った宝くじが当選したらどうなる?

金銭・お金・税金・財務
スポンサーリンク

宝くじの購入に年齢は関係があるのでしょうか?それとも、子供がお小遣いで購入できるものなのでしょうか。お小遣いで購入できるとしたらまさかの高額当選も有り得るけれど、子供が当てた当選金はどうなるの?子供と宝くじ、年齢について考えます。

スポンサーリンク

宝くじと年齢

 

宝くじは一枚100円から200円くらいで値段設定されており、バラの購入なら小さな子供のお小遣いでもできてしまいます。とは言っても、宝くじを広い範囲で考えれば、スポーツくじやロトのような数字合わせも含まれます。本当に小さな子供では、数字合わせの数字を考えることも難しいですが、番号を一つ購入するなら、こちらもお小遣いで買えてしまいます。

宝くじは当選すればそれなりの額から高額まで手に入り、外れれば基本的に0円です。乗るか反るかとまではいきませんが、宝くじの購入をするなら、少なくとも宝くじの仕組みは理解しているのが望ましいのではないでしょうか。

幼稚園くらいの子供であれば、簡単に説明すれば理解してくれるでしょう。しかし、ベビーカーに乗っているくらいの、やっと言葉を覚え、お母さんが付き添いながら初めてのお遣いをするくらいの子供では、なかなか宝くじの仕組みを理解するのは難しいかもしれません。しかし、お母さんが200円を握らせて「買っていいよ」と言ってしまえば、買ってしまえるのが現実です。これってどうなの?問題ないの?

宝くじに年齢制限はあるのか?そして、子供が高額当選したらどうなるのか?について考えます。実はこの命題、法律の専門家でも首を傾げる超難題だってご存知ですか?

宝くじに年齢制限はあるの?

 

まず、宝くじの購入に年齢制限はあるのか?という問題です。

グリーンジャンボや年末ジャンボのような宝くじの購入には年齢は関係ありません。当せん金付証票法という宝くじに関する法律にも購入年齢については記載されていません。子供でもお小遣いで買えてしまいます。

100円で売っているようなくじの日の宝くじや、色々なキャラクターのついたキャンペーンくじのようなものも購入できます。こちらも見た目は年末ジャンボやオータムジャンボのようなぺらぺらの見た目のくじです。こちらには購入の年齢制限はありません。

制限ありのくじも?

 

(スポーツ振興投票券の購入等の禁止)
第九条 十九歳に満たない者は、スポーツ振興投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。

 

第三十五条  第九条又は第十条の規定に違反する行為があった場合において、その行為をした者がこれらの規定によりスポーツ振興投票券の購入又は譲受けを禁止されている者であることを知りながら、その違反行為の相手方となった者(その相手方がスポーツ振興投票券の発売者であるときは、その発売に係る行為をした者)は、五十万円以下の罰金に処する。

 

対し、totoには年齢制限があります。同じくじなのになぜこちらには年齢制限があるのでしょう。

色々な理由が考えられますが、一つにギャンブル性が挙げられるのではないでしょうか。宝くじは純粋に出るだろう番号を当てるくじです。それに対しスポーツくじは、どこが勝利するか、どれくらいの得点を出すかを当てるくじです。

仕組みが基本的に難しいという理由ももちろんあるでしょうが、それだけでなく、どこが勝つか、どこが負けるかに賭けるのは、昔から賭けの基本です。「当たるも八卦当たらぬも八卦」ではなく、「さあどっちが勝つか賭けた賭けた!」の方が子供には刺激が強いのではないかという理由もあります。

年末ジャンボやグリーンジャンボ、100円で買えるような季節の宝くじには購入年齢の制限はありませんが、どちらが勝つかに賭けるくじには年齢制限もあるということです。

 

他のくじはどうなの?

 
宝くじという言葉で思い浮かべるのは、それこそ年末ジャンボのようなくじだと思います。しかし、宝くじという言葉を広く解釈すると、「当たったら高額のお金がもらえるもの」と考えてもよいのではないでしょうか。

実際に「くじが当たった!」と言えば、オータムジャンボに当たったんだろうか、それともtotoで当てたのだろうか。詳細はよく分からないけど、何かのくじで当選金をもらったようだと想像するのではないでしょうか。

宝くじを当選により高額のお金がもらえるくじ全般と解釈したら、他に年齢制限のあるくじは発売されているのでしょうか。

(勝馬投票券の購入等の制限)
第二十八条  未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。

 

競馬は未成年者購入禁止です。また、競輪や競艇にも同じような制限があります。

お金の当たるくじには、購入の年齢制限がついているものがけっこう多いようです。基本的な宝くじは買えるけど、お子様がお小遣いをカウンターに差し出しても「もっと大きくなってから買おうね」と言われてしまうのがおちですね。

 
 

子供はお断り!くじの見分け方

 

年末ジャンボのような基本的な宝くじは子供が自分のお小遣いで買えてしまうけど、totoのようなくじは年齢制限があるから買えない。くじの中身の複雑さと賭博性の強さなどがその理由。ここまでは分かりました。それぞれのくじで発行母体は異なりますが、色々試行錯誤しながら制限や決まりごとを設けているようです。ですが、一般人の目から見れば、子供が自由に購入できるくじとできないくじの境界線がいまいちふんわりし過ぎていてよく分からないと首を傾げるのではないでしょうか。

スポーツの勝ち負けに賭けるのは賭けごとの基本。だから子供はもっと大きくなってから買いましょうという理由も、じゃあ数字当ては賭博性が少しでも含まれていないのか?と問われれば、うーむと唸ってしまいますね。

中身の複雑さも、例えばサッカーが好きで好きで、色々なチームの勝ち負けをチェックしているような子供はすぐに覚えてしまうかもしれません。結局、くじは何を買っても当たるか当たらないかという話なのだからくじの仕組みを理解できるなら買ってもいいのではないか?という考えも最もかもしれません。

しかし、そこにはもう一つ、重要な理由があると予想されるのです。しかも、この理由が、子供が買えるくじと買えないくじの判断する上での最大のポイントになります。

判断のポイントとは?

 
子供でもお小遣いで自由に購入できる宝くじと、子供は購入できない宝くじ。その最大の見分け方のポイントは、税金が発生するかどうかです。例えば子供が自分のお小遣いで年末ジャンボを購入し、一等が当選したとします。

当選金は非課税ですから子供が当てても、税金に関しては特に複雑な手続きは必要ありません。税務署への申告も不要ですから、堂々とお金を使うことができます。対し、totoや馬券、ボートレースの当選金は一時所得の課税対象です。もし子供が購入でき、当選したとします。

そうすると、まだ個人で所得税や住民税といった税金を支払う年齢ではない子供に対し課税しなければいけません。話がややこしくなりますね。子供は自分の名前で税務署に申告もしなければいけません。さらにややこしいです。子供が購入できるかどうかの判断基準として、税金の問題も一つの理由ではないでしょうか。

実は、子供が当選金を受け取ること自体は問題ありません。ギャンブル性や税金、中身の複雑さなどを総合的に判断し子供には適切ではないと判断したからこその制限なのではないでしょうか。理由はどうあれ、子供が購入してOKかどうかは一時所得の課税対象になっているものかどうかを見れば判断しやすいことは確かです。

 

子供と宝くじの答えなき命題?

 

宝くじと年齢に関係する大いなる命題があることをご存知でしょうか。実際に裁判になったことがないため判例を参考にすることもできませんし、法律家も確固たる答えを出すことができない問題です。昔、「数字の3を割り切れる方法を見つければ数学の賞がもらえる」という話を聞いたことがあります。同じようなものかもしれません。

この、考えれば考えるほど謎でありながら実に単純な問題に答えることができれば、賞は無理かもしれませんが、法律をかじっている人から褒められるのではないかと思います。問題点が分かりやすいように、まずは解決すべき命題の内容を説明いたしましょう。

Question!

 
ある子供がお小遣いで年末ジャンボのばらを一枚だけ購入しました。すると、何とそのくじが一等に当選しました。当選金は4億円です。ここで問題です。その4億円は子供のお小遣いでしょうか。それともお小遣いではないでしょうか?

問題を聞いて「お小遣いかどうかはそんなに重要なのか?」と思った方もいらっしゃるでしょう。「いやいや、額からして4億はお小遣いというレベルの額じゃないだろう」と思った方もいらっしゃると思います。

確かに、4億をほんのお小遣いですよ、なんて言い切る人は石油王レベルのお金持ちに違いありません。額だけ見ればその通りです。日本人一人が定年まできっちり働いて得られる賃金の平均は大体2億円くらいだという話もあります。そう考えると、この一等当選の子供は未成年にして一般人の平均を遥かに超える所得を手に入れてしまったことになります。到底、額を見てお小遣いとは言えないのではないでしょうか。

しかし、額を別にしてもう一度問います。この4億円は自分のお小遣いで宝くじを購入し、見事当選した子供のお小遣いですか?それともお小遣いではありませんか?

命題を解く上での基礎知識

 
 

(未成年者の法律行為)
第五条  未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3  第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

 

子供に「お小遣いだよ」と渡したお金は子供が受有に処分(使う)ことができます。対し、子供に「参考書を買いなさい」と渡したお金は、参考書の購入以外の用途に使った時は親が取り消しすることができます。親が「参考書を買いなさいと渡したお金で子供が別の物を買いました。返品しますのでお金も還してください」と言うことができます。しかし、お小遣いとして渡したお金は子供が自由に処分することができます。募金箱にそのまま投入することも自由ですし、宝くじをばらで一枚だけ購入するのも自由です。

自由に処分できるお金ですから、親はお小遣いで購入したものに対しては「返品しますのでお金返してください」と取り消しして回ることはできません。用途を決めて渡したお金で別の物を購入すれば親が取り消し可能。お小遣いは子供が自由に使え、親は取り消しできない。甘いお菓子を禁止されている子供がお小遣いで飴玉を買っても親は「返品します!」とは言えないけれど、参考書を買えと言って渡したお金で飴玉を買ったら返品可能ということです。

これは未成年特有の決まりごとです。大人(成人)で想像してみてください。夫にカレールーを買って来てと五百円を渡してコンビニに行ってもらったら、何とビールを買って帰宅した。この時にビールの返品に応じてくれるかは店側の好意によります。しかし、これが子供で、カレールーを買って来てと言ったのにコーラを買ってきたら法律で取り消しできる(返品できる)可能性ありと決まっているのです。

子供が「自分で自由に処分できるのは基本的にお小遣いだけ」です。そうすると、先のクエスチョンに対し、あれれ?と思いませんか。

お小遣いとは何なのか

 

お小遣いだと渡したお金で宝くじを購入し、当選したお金はどうなるのでしょうか。お小遣いになるのなら、子供は宝くじの当選金を自由に使っていいことになります。

本来、子供のことは親が代わって手続きするのが普通ですが、お小遣いは子供の方で処分自由です。当選金の手続きや、高額の買い物はさすがに親に関与してもらう必要がありますが、当選金の性質はお小遣いです。子供が自由に処分可能なお金です。そもそも、宝くじは子供のお小遣いで買ったものです。玩具を買えば、その玩具はお小遣いの代替物ですから当然子供のものですよね。宝くじの当選金もお小遣いで買った宝くじの代替物と考えれば、子供のお小遣いのような気もします。

しかし、額が額です。4億の当選金を子供の判断で使わせてしまうのは問題があるような気がします。悪い人が子供から上手くお金を巻き上げようと近づいてくるかもしれません(もちろん、高額の買い物は親が関与することになりますが)。それに、もし、不動産を子供がお小遣いで買ってしまったらどうなるのでしょう。子供が固定資産税を払うのでしょうか。管理も子供がするのでしょうか。親が管理するからと不動産を受け取った場合、即座に税務署が調査に来る可能性もありますし、最悪の場合、贈与税の課税対象になることも考えられます。親子間でも基礎控除を越えた贈与は基本的に贈与税の課税対象です。

子供が何かの間違いで、当選金で2億の不動産を購入したとします。当選金がお小遣いなら、親は取り消しできません。しかし、当選金がお小遣い以外のお金なら、親は取り消しできる可能性があります。子供が実際に宝くじで高額当選した事例は今までありません。事例ができて裁判にでもなれば子供が高額当選した場合の当選金の扱いについて判例ができ、すっきりするかもしれません。しかし、今は答えなく、宙ぶらりんのままです。

そんなことがあるわけない!と思われるかもしれませんが、現実に子供は一部の宝くじをお小遣いで購入できることをもう繰り返しておきます。

 

まとめ

 

宝くじを「高額当選金をもらえる可能性のあるもの」として広義的に捉えるなら、中には子供が購入できるものとできないものがあります。子供が購入できる宝くじの筆頭は、年末ジャンボやオータムジャンボ、サマージャンボにグリーンジャンボといった、おそらく最も知名度の高い宝くじです。

他にはくじの日の宝くじや、キャンペーンで登場する100円くらいのくじも購入可能です。親が子供にお小遣いとして200円を渡し、子供がバラでタラ各自を購入してそれが高額当選してしまった場合、未だかつてない法律問題に繋がることも?

年齢制限のあるくじは、基本的に当選金に課税されるものが多いです。ですから、年齢と宝くじを考えるなら、その宝くじの当選金は課税されるかどうかを見れば判断しやすいのではないでしょうか。

金銭・お金・税金・財務
スポンサーリンク
スポンサーリンク
itooneをフォローする
スポンサーリンク
wills【ウィルズ】

コメント