初めてライブに参加する方は、もちろん楽しみでもある一方、準備だったり会場でのマナーだったり「どうしたらいいの?」という疑問や不安がたくさんあると思います。
実際にライブを楽しむためのコツとして、「色んな楽しみ方」「楽しむために知っておいたほうがいいマナー」 をお伝えします。
アーティストを間近で観たいなら?
大好きなアーティストを生で観ることのできる貴重な機会であるライブ。せっかくだから、少しでも近くで見たいというあなたの気持ち、痛いほど分かります。
しかし、前のほうに行くにはやはりチケットの整列番号、コレが鍵になります。番号が一桁に近いほど、会場内に入るタイミングは必然的に早くなります。
とはいえ、整理番号は多くの公演で抽選制をとられており、一種の運試しになっています。なので、整理番号1番といった番号を取れた暁には、その年の運を全て使い果たしたとすら思うほど。
じゃあ、整理番号が後ろのほうで、列の前に多くの人が並んでいる自分に前のほうに行くチャンスはないのかと思われるでしょうが、大丈夫です。案外いけるものなのです。
さすがに一番前の列に入り込むのは難しいのですが、タイミングさえ見計らえば限りなくアーティストに近い場所に行くことができるのです。
そのタイミングとは・・・「開演のSEがなったら」です。SEとは、開演までにライブハウスでなっている音楽のことをさします。ちなみにこの開演前のSEはアーティスト選曲の場合が多いです。
自分の好きなアーティストがどんな楽曲を聴いているのかを知ることもできるので耳を澄まして聴いてみることをオススメします。
そして、開演の前にそのSEが一瞬鳴り止み、音量の上がった別の楽曲「入場SE」が流れ始めたらアーティストの登場です。その瞬間が前に突進するチャンスなのです。
その一瞬に多くの人が前にドドドッと進むので人の流れが生まれます。その流れに乗れば、良ければ2列目、3列目くらいまではいけます。
しかしこの入場SEも、アーティストによっては使わなかったり、映像を活用するところもあるので、前に行くタイミングを見計らう力は、ライブに何回かいくことで身につけられる力ともいえます。
そんなにライブに行かないだろうしな・・・と思われた方。甘いです。
一度ライブに足を運んだら、病み付きになります。いやでもそのアーティストの公演には足を運ぶようになりますよ。
ステージの構成をゆっくり見るのも楽しい
ライブは大好きなアーティストの楽曲を生で聴けるのが最大の魅力です。でも、それ以外にも魅力があります。
以前テレビ番組「アメトーク」にて「Perfumeすごいぞ芸人」が放映されましたが(2015年10月29日)、ご覧になりましたでしょうか?ご覧になった方は、そのステージ構成に度肝を抜かれたのではないでしょうか?
彼女たちのステージには最新映像技術が組み込まれており、しかも彼女たち自身がその映像の一部になっていて、正直「何が起こっているかわからない」状態だったのではないでしょうか?
Perfumeを例に挙げましたが、多くのアーティストはライブもクリエイティブの一部と捉えており、聴覚だけでなく視覚でも楽しめるようになっているのです。
ACIDMANというバンドがいます。このバンドは「生命」や「死」、「自然との共生」等をテーマに壮大なバンドサウンドを奏でるのが特徴の、もうそれはそれはカッコイイとしか言いようのないアーティストなのですが、彼らもまた映像をライブに大いに活用しています。
美しい映像と彼らの壮大で激しい楽曲が相まって、ライブは感動物です。
また、ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドの『Wonder Future』というホールツアーでは架空の街をイメージしたステージが作られ、ファンの間で話題になりました。
聴いて楽しいは当たり前。観ても楽しいライブをアーティストの皆さんも工夫しているのです。
MCはCDでは分からない人柄が分かる!?
ライブの魅力は楽曲とステージングにあるとご紹介してきましたが、もうひとつライブならではの楽しみがあります。曲と曲の間に挟まれるMCです。MCとは、アーティストのおしゃべりだと思ってもらえたら分かりやすいです。
演奏している曲はめちゃくちゃかっこいいのに、しゃべったらめちゃくちゃゆるいとかは結構ある話です。
あと、公共の電波には乗せられないエグい下ネタなんかもあります。(笑)本当に、アーティストの違う一面が見えるようで、面白いのです。そして、全国ツアーであれば、地方であればあるほど話の内容がゆるいようです。
地方のおいしい食べ物と暖かい雰囲気がそうさせるのでしょうか?東京から地方公演に来た人がよくこのように言います。
また、MCは同じものはひとつとてありません。ツアーの公演ごとに違うのも魅力。お金が許す限り、観光がてら、色んな公演を見に行くのも面白いですよ。
一部の非常識な行動がアーティスト・ライブ・ファンの品位を下げる!?
「ディッキ族」という言葉をご存知でしょうか?ライブに初めて行く方であればなじみのない言葉ですよね?
これは、ディッキーズという服のブランドのハーフパンツを履いたライブキッズたちが、常識のない行動をし始めたことから、悪い意味の言葉としてSNS上で広まるようになりました。
「またディッキ族がやらかした」というような投稿を目にすることも結構あります。(人通りの多い交差点を塞ぐように写真撮影をした・帰るよう促されているのに大勢集まって写真を撮っていた等)
これは、ディッキーズを着ている人が悪いというわけではなく、たまたま非常識な行動をとった人がディッキーズを履いていただけのことなのですが、ディッキーズもいい迷惑だろうな・・・と。
というように、ライブを楽しんでいた一部のお客さんの中に、非常識な行動をする人がいることで、ファンの品位はもちろん、アーティストやライブ自体の品位が下がる、といったこともあります。
最近では悲しいことに、お客さんのマナーやモラルについてアーティストが注意を促すなんていう、なんとも悲しい事態も起こっています。
ファンのしたことが、大好きなアーティストを結果傷つけてしまうという行動は、恥ずかしいとしかいいようがありません。
モッシュが嫌なら後ろに下がれ!?
これまた、よく議題にも上がりますし、ずいぶんと昔から討論が繰り広げられている話題です。
そもそもモッシュとは何ぞや、というそこのあなたに簡単にご説明しますと、盛り上がったお客さん同士が音楽に合わせて激しくぶつかり合う、ライブの楽しみ方の一つです。なぜ、ぶつかり合うのか?
音楽を聴いて、気持ちが高ぶると人はぶつかり合うのです。それ以外に理由はありません。その他に、クラウドサーフィン、通称ダイブと呼ばれる、人の上を転がるという楽しみ方もあります。
これらの楽しみ方は、気持ちが高まった結果であって、非常に楽しんでいる証拠でもあるのですが、反面とても危険な行為でもあります。
2008年の年末のフェスにて、ダイブをする人に巻き込まれ、後遺症の残る怪我をした人が出たこともあって、近年のフェスやライブでは、ダイブやモッシュを禁止し、罰則が厳しくなってきています。
ダイブに関しては以前に比べ件数は激減しているのですが、モッシュは規制がしにくいこともあり、現在も黙認の状態です。とはいえ危険な行為であることに変わりはありません。だからといって楽しみ方を規制するわけにも行きません。
という矛盾点が常にあることで、「モッシュゾーンが嫌なら後ろに下がれ」「モッシュめちゃくちゃ痛かった」というようなモッシュ肯定派と否定派が生まれ、その溝は埋まらないどころか広がっている傾向にあります。
でも、一人ひとりが意識すべきことはあります。「思いやり」「周りへの配慮」です。
初めてのライブでモッシュが怖いなら、確かに前列に行くのを控えたほうがいいのは事実ですが、前のほうで見たいのであれば、自分の中で覚悟を決め、「モッシュがちょっと・・・」とぼやく余地がないようにしておくことで、モッシュ肯定派の人の楽しみ方を否定しないという思いやりになります。
また、ライブに慣れてきて、モッシュゾーンに慣れない人がいたとしても、その人を責めるような言動をしないというのも周りへの配慮になりますよね?
つまり、双方どちらの意見を持っていたとしても、その人の楽しみ方を否定する権利は誰にもないということだけ肝に銘じてライブに臨んでいただければと思います。
お前の歌を聴きにきたわけじゃない
これもよくSNSで話題になるライブマナーです。確かに、好きなアーティストの楽曲を聴いて歌いたくなる気持ちは分かります。
でも、そこでの主役はアーティストであり、多くのファンは生で聴けるアーティストの声を聴きにきているのです。
そこに、知らない人の歌声が乗っていたら、自分がされたらちょっと嫌じゃないですか?
別に、歌うなとはいいませんが、サビの一部分であったり、アーティストが「一緒に」とあおってきたときに一緒に歌うくらいに抑えておくのがいいでしょう。フルコーラス歌いたいなら、カラオケでもOKですよね?
髪の毛が口に入ってきたんだけど・・・
特に女性に多いライブトラブルです。髪の長い女性で、人の多いところに飛び込む際に髪の毛を結んでいないことで、周囲に迷惑をかけてしまうのです。
なぜ髪を結ばないといけないのか?答えは、髪の毛が他人の口の中に入ったり、汗をかいた肌にまとわりつくという不快感を与えてしまうからです。
確かに、自分の髪の毛でも口に入ってきたら気持ち悪いのに、他人の髪の毛とかもっと嫌ですよね?ですので、髪の長い人はゴムで結びましょう。
またポニーテールや頭の高い位置でのお団子などもステージが観にくい等の理由で毛嫌いされる傾向にあります。なのでおすすめのヘアースタイルは、「頭の低い位置での一つ結び」です。
他人に怪我をさせないことが何より大事
ライブで怪我をする・・・そんなことある?と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、事実ライブでのけが人は多数います。
怪我の度合いもさまざまではありますが、モッシュに少し巻き込まれただけでも、気づかないうちにアザや傷ができていたなんてことはライブでは日常茶飯事です。
また、自分でモッシュに飛び込んで怪我したのなら、責任は自分にありますが、他人を傷つけてしまうことだけは避けなければなりません。故意でなくともです。
嫌な思いをさせることももちろんですが、病院での処置が必要な怪我であればその人の生活に支障をきたすこともありえます。ですので、まずは怪我をさせる可能性のあるものは極力排除した上でライブに臨みましょう。具体的には・・・
□足元はスニーカーがマスト!ヒールは踏まれると骨折等の大怪我に繋がります。
□アクセサリーや時計はつけない!ぶつかったときに相手の怪我を誘発する原因になる場合も。
とにかく、ライブに参加するときの一番の心得は「周りへの気配り」です。それを一番体現する行動が、武器にもなるものを身に着けないことです。
自分がよければ・・・という感覚は許されません。
まとめ
今はライブをテレビで中継する番組もあったりして、ライブというものがより身近なものになっています。その映像をみて「ライブに行ってみたい」と思う人もいることでしょう。
ライブにはライブでなければ味わえない体験がある反面、人が増えることでどうしてもマナーやモラルの面で課題が多く発生しているという現状もあります。
ライブにはたくさんの人がいます。そんな場所だからこそ、色んな考えがあって当たり前です。
でも、ライブに参加するひと一人ひとりが「自分だけよければ」という感覚を捨て「思いやり」の心をもつことで、一人でも多くのファンがライブを楽しめるだけでなく、アーティストのライブがよりすばらしいものになるはずですよ。
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