「何様だ!」と、思わず叫びたくなるプライドばかり高い部下を持ったことはないでしょうか?
たいした実力もないのに、言うことだけは“一人前”だが、あれこれ命令すると反発し、へそを曲げて、ふくれっ面で職場の雰囲気を壊す。そんな何様部下をどう導いていくか。
今回は、プライドの高い部下をマネジメントする方法を紹介します。
1.自分が適任かどうかまず考える。
まず、部下は自分が全て管理・指導(育成)しなくてはいけない。という概念に囚われないことです。この概念の打破は、例えあなたが部下の指導を任された教育係であったとしても同様です。
人間は、ラポール関係(心を許せる・一目置く人、つまり話を聞いてもよいと容認している人)にある人達からの意見や話は素直に耳を傾けますが、そうでない場合はなかなか従わなかったり、話を聞かないものです。
プライドの高い部下なら、なおさらでしょう。まずは、対象の部下をよく観察し、ラポール関係にありそうな別の部下(あるいは上司)がいるかどうか確認してみましょう。見つければ、その人をうまく使い修正させて行くことが最も早くて効果的です。
プライドの高い部下は、時間が経過するにつれチーム内で“浮いてしまう”ことがしばしばあります。そうなる前に手を打つことが重要です。直接、話をするタイミングがない場合は会議やミーティングの場で、ラポール関係にあるその人に発言してもらうことをお勧めします。間接制御も立派な制御です。
2.“褒める”を効果的に!-We・Iでほめる-
褒めるコミュニケーションが部下育成の万能薬と考える人は多いようです。勿論、プライドの高い部下にも褒めコミュニケーションは効果的な手段です。しかし、プライドの高い部下ほど、仕事のプロセスを細部まで褒めてほしいと思う傾向にあります。
自分の影響が確認できる・自分の存在価値が確認できることは、会社内における自分の居場所が明確に再認識できるからです。しかし、その為には上司(あるいは教育係)は部下の仕事のプロセスをいちいち観察・確認(タスクの推進・整理や成果の定義等々も含まれます。)する必要があります。
そうでない場合、褒めることが“上っ面だけ”になってしまいプライドの高い部下ほど過敏に反応して、褒めたにもかかわらず「この人は何も分かっていない」などとかえって扱いづらくなってしまう状況になる場合があります。
また、部下が一人ならまだしも、複数の部下の中で、良く観察し的を得た褒めコミュニケーションを毎回行わなければならないとなると上司のストレスもかなり高くなります。
その様な場合は、YOU(君は・・・などの上から目線の褒め)というメッセージの褒めコミュニケーションではなく、「チームに勢いがついた」など、We(チーム、我々、みんな)メッセージやI(私はこう感じた)メッセージで褒めるようにすると曖昧な褒めでも容認されやすく、上司の負担が軽減されます。
例えば、YOUメッセージで褒めると「君の仕事は素晴らしかったよ。」「君今回の仕事がんばったな」というと、部下は「どんな点がですか?」とか、あるいは「そんなことありません」 と感じてしまう可能性があります。細部までいわないと何故、褒められているのかが認識できません。
ところが、Weメッセージは、皆が実際に受けた影響を伝えるわけですから、曖昧でも部下が拒否・否定してくることがありません。 例えば、「君の仕事ぶりを見ていて、チームもやる気が出たよ。
(Weメッセージ)」「ミーティングでの発言、私はありがたかったよ(Iメッセージ)」って言った場合には、部下は「どんな点がですか?」「そんなことはありません。」と拒否することはないわけです。
部下の与えた影響を褒めるWe・Iでの褒めコミュニケーションを活用しましょう。
3.受身でなく、一貫性のある押しも重要!
プライドの高い部下は、自分の仕事の進め方に固着してしまいがちです。しかも、最良の方法と信じて疑わないので、そのスタイルを変えようとはなかなかしません。受身に回るのではなく、一旦部下の仕事の進め方を受け入れ、容認して、多種多様の人間を相手にする職場においてアプローチの多様化の重要性を懇切丁寧に説明しましょう。
つまり、仕事推進のバリエーションを広げる共同作業を提案するのです。最初、抵抗感を感じる部下もいるかもしれませんが、固着した仕事の推進ではいずれ破綻します。破綻はミスという形か停滞という形であらわれますから、何度もアプローチしておくことでフォローのタイミングを逃さないようにしましょう。
バリエーションを広げる共同作業を受け入れたら(実施することが共通認識となったら)一貫してそのスタイルを実践させることです。部下は、仕事推進の勝手が違う違和感から従来の手法へ戻してしまう場合があります。
その時は、容認せず最後まで別のアプローチを実践させるように励まし、促しましょう。ここでのポイントは提案を拒否されても諦めないことと、一貫性のある実践です。
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