筋トレを始めたばかりの方に発生しやすい「筋肉痛」を経験された方がいるのではないでしょうか? そんな時、人によっては「湿布」を活用されている方々を目にします。しかし…本当に筋肉痛に湿布をして大丈夫なのでしょうか? 本日は筋肉痛に湿布が有効なのか? そして湿布の種類や効果的な筋肉痛の治し方まで幅広く解説していきます。
筋肉痛はなぜ起こる?その原因を解説
筋肉痛は筋繊維が損傷することによって発生します!
アスリートのような理想的な筋肉に近づけるために、皆さんは日々筋トレに励まれているかと思います。しかし筋トレによって、私達の体の中ではある箇所が悲鳴を上げ始めるのです。その箇所と言うのが「筋繊維」です。私達の筋肉は1つの塊で「筋肉です!」と言うのではなく筋繊維と呼ばれる糸のように細い線維状の物質が集まって筋肉となっているのです。その筋繊維が筋トレによって損傷すると筋肉痛の症状として現れます。次の項目では、筋繊維がどのように損傷して私達の体に「筋肉痛」として現れるのか? そのメカニズムについて解説していきます。
筋肉痛のメカニズム
もともと私達の筋繊維は初めから損傷しているわけではありません。しかし、普段使っていない筋肉を使う、今まで体験したことの無いような負荷が筋肉にかかってくる、または同じ筋肉を何回も使用すると話は変わってきます。いつもとは違う負荷、そして使用される回数に筋繊維達は「もう耐えられない!」と悲鳴を上げ始め結果、筋繊維の一部が損傷してしまうのです。
ですが! 私達の体はよくできていますので筋繊維が損傷しましたら脳より「筋繊維が損傷したから早く修復しなさい!」と言う命令がすぐ行き渡るのです。そこへ現れるのが修復のスペシャリストこと「白血球」「血小板」等のチームです。これらのチームは筋繊維の修復に役立つ「衛生細胞」と共に活躍してくれる優れものです。ではどのように損傷箇所を修復して行くのかを順序立てて説明していきます。
・まず血小板が最初に駆けつけている赤血球と共に、筋繊維の損傷箇所に集まり傷口を封鎖します。この時、スペシャリストの1人「フィブリン」がそれらを巻き込み血栓を作ってくれるのです
・上記の修復作業が進むにつれて、徐々に他の細胞にもシグナルが届くようになります。例えば衛生細胞・リンパ球・単核球と言ったものです。それらが血管を抜けて損傷箇所にに集合(これを遊走と呼びます)してより細かい作業へ移ります
・そしてやってきた「単核球」が「マクロファージ」に変化し、損傷によって死滅した細胞の除去を行います。除去を行いませんと次に生まれてくる細胞の邪魔、または修復できる細胞の足手まといになります
・マクロファージの作業によって最も重要な物質「線維芽細胞」が招集されるのです。線維芽細胞が修復に必要な物質「コラーゲン」を分泌し、正常な状態にするサポートを行ってくれるのです。コラーゲンの生成に滞りが無ければ傷は徐々に修復され綺麗な状態へと戻るのです
以上が筋繊維を修復する過程となります。
「筋肉痛のメカニズムと何が関係しているの?」と思いますよね? 実は上記のように筋肉の損傷を回復している過程こそ筋肉痛の原因なのです! つまり筋肉痛が発生すると言うことは、私達の体内で筋繊維を修復している証拠なのです。ですので筋肉痛に対してマイナスイメージを取らず、反対にプラスに考えるようにしましょう。
筋肉痛に湿布は効く?温と冷の使い分けは?
湿布の「温」「冷」は何が違うのか?
皆さんも店頭で湿布を見たとき「温湿布」「冷湿布」2つの種類を見たことがあると思います。どちら湿布も「湿布」と言う面では同じですが、効果や使い方が大きく分かれるのです。それでは温湿布・冷湿布について下記に詳しく解説していきます。
●温湿布
温湿布は貼った際に冷湿布のような冷たさを感じない温かい湿布です。主に「血行促進」の効果が期待されており、温湿布には血行促進のための成分が数多く含まれています。ですので活用するとすれば「肩こり」「腰痛」と言った血液循環の悪さによって発症する症状に効果的なのです。
●冷湿布
冷湿布は温湿布と反対で、貼った際に冷たさを感じるタイプの湿布になります。冷湿布は「冷やす」効果を主体としているため、例えば「打撲」「捻挫」と言った熱を持った箇所に貼り付けると効果的です。一時的ですが鎮痛作用があり、肩こり・腰痛よりもそれらの怪我に活用すると良いでしょう。
上記の他にも現在ではローションタイプやスプレータイプと言った、湿布と同等の効果を持つアイテムまで販売されています。ただし、湿布やローション・スプレータイプを活用していると時折「かぶれ」が発生することがあります。肌の弱い方々はかぶれに注意するようにしましょう。
筋肉痛には温・冷の使い分けが大切です!
筋肉痛が発生したからと言って、何でもかんでも貼れば良いと言うものではありません! 筋肉痛に湿布を貼る時は状況を鑑みて温・冷を使い分ける必要があります。例えば皆さんの中で「どうしても筋肉痛を早く鎮めたい!」と思う方がいましたら鎮痛作用が期待できる「冷湿布」ところが「筋肉痛の痛みが長引いてなかなか痛みがひかない…」と言う場合も無くは無いです。そんな時は冷湿布ではなく「温湿布」を活用して血液循環を良くし、筋肉痛のメカニズムで紹介した細胞を活躍させるようにしましょう。
人によっては効かないことも…
湿布を活用しているのになぜ効かない?その原因は筋肉痛のメカニズムにあり!
「筋肉痛のために湿布を活用しているけど…なぜか痛みがひかない…」と言ったように、筋肉痛のために湿布を活用しているはずが、思うような効果を期待できていない方が中にはいることでしょう。人によって湿布が効かないのは仕方の無いことかと思います。と言うのも、先のところで紹介した「筋肉痛のメカニズム」にその原因があるからです。
重複となりますが、筋肉痛を発生させている原因は外部からの攻撃・細菌、病原菌による攻撃等ではなく「筋肉を修復」するために痛みが発生しているのです。例えば昨日鍛えていた箇所が筋肉痛で痛んだ時、冷湿布を貼ったとします。確かにその時は冷湿布の効果によって痛みは多少和らいだと思いますが、根本的な解決には至りません。
人によって筋繊維の修復速度は様々です。ある人は次の日に回復しても違う人は2日後に回復しているかもしれません。よって例え湿布を貼ってその場は痛みが和らいだとしても、未だ体内で筋繊維の修復作業が進んでいるうちは湿布を貼っても痛みが和らぐことは無く効果がそこまで期待できないのです。
冷湿布を使うと逆効果になることもあります
筋肉痛を治すには基本的に体内の修復を待つことが一番無難です。そのために体内で働く細胞達に必要な栄養を摂取する・体を休ませ細胞達が活動しやすいコンディションにする、等のようなことを行うのが良いでしょう。とは言え、筋肉痛の痛みに耐えられず湿布に手を伸ばす方もいると思います。しかし使い方を間違えてはいけません!
湿布の中でも特に「冷湿布」は筋肉痛を解消するのに逆効果になる可能性があります。理由として、筋肉痛の箇所を冷やしてしまうからです。筋繊維を修復するために数多くの細胞が「血管」を通って集合してきます。にもかかわらず、冷湿布によって筋肉痛の箇所を冷やしてしまうと血管が縮んでしまいます。するとどうなるか? 縮んだ血管の中を修復のために集まったはずの細胞が通ることができず修復に支障が生じてきます。
だからと言って「冷湿布を使うな!」とは言いません。人間の体は良くできていますので、1回貼った程度で血管が縮小することはほぼありません。ただし、冷湿布の効果が切れるたびに毎回貼っていくのはいけません。すると筋肉痛の箇所を集中的に冷やしますので血管の縮小を招いてしまいます。皆さんは冷湿布を使用する際には経過を確認しつつ貼るようにしましょう。
湿布薬売れ筋ランキングトップ10
第10位:スキュータムA
「テイコクファルマケア」では筋肉痛にも対応している冷湿布が販売されています。ただし、先ほど解説したように「効果が無くなったからすぐ貼ろう」ではなく経過を見ながら貼るようにしましょう。
第9位:サロンシップ(温湿布)
湿布と言えば「久光製薬」と呼ばれるほど、有名な企業です。その湿布は冷湿布もありますが、今回紹介するのは温湿布です。貼りますと40度前後の温熱が5時間以上持続しますので、値段も手頃のため手軽に温熱療法を試したい方におすすめです。
第8位:新フジパップ温感
「第一三共ヘルスケア」から温湿布の登場です。生薬の「オウバク末」そして血行を促進する数々の成分が含まれているため、血行不良を起こして発生している肩こり・腰痛に最適です。もちろん慢性的な筋肉痛にも最適のアイテムと言えるでしょう。
第7位:サロンシップ巻貼タイプ
「手首・足首に貼ると剥がれる…」と言った方々のニーズに応え、久光製薬では「巻貼タイプ」の冷湿布が登場です。こちらは手首・足首に巻きつけるだけではなく、写真のように長めに貼ることも可能です。値段も手頃ですので1つ持っておいても損はなさそうですね!
第6位:ウインパスクール
テイコクファルマケアからもう1つ紹介します。こちらは先ほどよりもサイズが大きく、一部分だけでなく全体に貼りたいと言う方のニーズを満たす冷湿布になります。伸縮性にも富んだ素材のため、肘・膝・肩と言った箇所にも最適の一品です。
第5位:のびのびサロンシップS
久光製薬から、テイコクファルマケアに負けない伸縮性能を持つ冷湿布の登場です。写真のように湿布として難しい箇所も申し分なく、湿布特有の臭いも軽減されています。48枚入っているのも嬉しいポイントです!
第4位:サロンパス
第5位で紹介したタイプと異なり、こちらのサロンパスはスタンダードタイプになります。湿布特有の臭いを抑えつつ、小さめのサイズで様々な場所へ貼り付けることができます。もちろん貼り心地も柔らかく「チクチクする」と言ったことは無いでしょう。
第3位:パテックス うすぴたシップ
第一三共ヘルスケアでは、衣服に絡みにくく下着の邪魔にならない「薄い」冷湿布を販売しています。薄いからと言って効能が無くなったと言うことは無く、他の製品に負けない効能を持っています。「湿布をしたいけど衣服の邪魔になるな…」と考えている方にはおすすめのアイテムです。
第2位:フェイタス5.0温感タイプ
テレビCM・情報誌等でおなじみの「フェイタス」皆さんも1度はテレビ・情報誌・店頭で見かけたことがあると思います。抗炎症作用を持つ「フェルビナク」を贅沢に5%使用した温湿布だけあり、多くの方々に愛されている湿布です。「ノニル酸ワニリルアミド」の働きで暑すぎないちょうど良い温湿布を体験することができるでしょう。
第1位:ビーエスバンFRテープV
第1位に紹介するのは大昭製薬が販売する「ビーエスバンFRテープV」です。先ほど2位で紹介したフェイタス同様「フェルビナク」を贅沢に5%含んでおり、その他にも血行促進のために「ビタミンEまで」配合している徹底振りです。こちらは冷湿布になりますので、好みでフェイタス・ビーエスバンを使い分けると良い思いますよ。
湿布薬の基本的な貼り方!部位によって柔軟に貼り付けよう!
上記で紹介してきた湿布を、ただ単に貼ればよいと言うものではありません。部位によって柔軟に湿布薬を使い分ける、または切り込みを入れる等を行い貼っていきましょう。基本的な貼り方は写真のように、痛む箇所に貼るだけです。一番手っ取り早く簡単に貼れますが、粘着性が低い・伸縮性の無いタイプですとすぐに剥がれてしまうため注意が必要です。特に衣服を着用する場所に貼り付ける時は粘着性の高い湿布が良いでしょう。
手首・足首に貼る場合はそのまま巻きつけるように貼るのが基本的です。しかし剥がれてしまう可能性があるため、例えば一緒にテーピングを巻きつける、または先ほど紹介した巻くタイプを活用すると良いでしょう。もし指の間に湿布を通す場合は湿布に切れ込みを入れて貼りやすいように工夫を凝らしましょう。
最後に
最後になりますが、筋肉痛は決して悪いものではなく私達の体内で筋肉を修復している活動によって生じているのです。つまり筋肉痛は良い兆候と言えるのです。ただし、痛みに我慢できない場合や慢性的に筋肉痛が生じた際には湿布を上手に活用していきましょう。そうすれば筋肉痛の痛みを軽減する、または温湿布の効果によって血行が改善され慢性的な筋肉痛を軽減させることができると思いますよ!
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