青色申告と白色申告
確定申告の方法は2つのパターンにわけられます。「青色申告」と「白色申告」です。
青色申告は帳簿づけが複雑であったりというイメージをもたれがちですが、平成26年の白色申告記帳義務化によって、白色申告者にも帳簿づけが必須となったため、あまり違いがなくなってきました。青色申告は白色申告に比べメリットが多いため、近年青色申告を選択される申告者は増えてきています。
経費の違い
上記でもご説明した通り、青色申告は白色申告に比べ、受けられるメリットが多くあります。
その一つが、専従者の給与を経費に出来るという点です。
出来るだけ所得の額を減らし、納める税金を減らしたいというのは、多くの人が考えることだと思います。専従者給与の全額経費計上化は有効な節税対策といえますので、上手に活用するとよいでしょう。
専従者給与の全額経費算入
専従者というのは、申告対象者の家族や親族などのことを言います。通常ですと、この専従者を従業員として雇い、給与をして支払った場合、経費に入れることはできません。ただし、青色申告者の場合、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」という書類を税務署に提出しておけば、その届出額を給与として経費に計上することが認められています。
個人事業主の方の場合、家族に事業を手伝ってもらっているという方が多くみられます。その場合、きちんと届出さえ出していれば、支払った金額を経費に入れることが出来るということです。
ただし、経費に出来るからといって際限なく支払うことはできません。一般的に同様の仕事をした場合に支払われる給与と同等の額になっているか、他の従業員とのバランスがとれているかなどが確認されますので、注意が必要です。
また、支払った給与は、受け取った家族の所得となります。今まで免税の範囲内であった場合でも、給与額によっては個人で税金を納めなければいけなくなりますので、給与額を決める際はその点も考慮して決定したほうがいいでしょう。
専従者給与の注意点
専従者給与にはいくつかの注意点がありますので、ご確認ください。
1.15歳以上であること
専従者給与の対象は、15歳以上の家族に対して給与を支払った場合のみ。
(年齢の上限はありません。)
2.勤務時間に目安がある
基本的には他の勤務先に勤めている場合は認められず、一つの目安として、月や年の半分以上を事業に従事しているかどうかで判断されます。そのため、短時間でのアルバイトや、日雇いなどは含まれませんのでご注意ください。
3.扶養控除や配偶者控除を受けられない
専従者給与を経費計上した場合、申告対象者は扶養控除や配偶者控除を受けることが出来なくなります。
控除額と給与額どちらのほうが、メリットがあるかを判断して申告する必要があります。
まとめ
青色申告は正しい申告を行ってもらうことを目的としているため、白色申告に比べ帳簿づけが複雑であったり、決算書の作成が必要であったりします。しかし、その分優遇されている点も多いため、節税という観点からみると、青色申告のほうが得な場合が多くあります。
多くの経営者は、いかに経費を増やせるかということを考えられると思いますが、この専従者給与の全額経費算入は、経費計上できる金額も大きいため、有効な選択といえます。
上手に活用して、事業の運営を発展させるとよいですね。
コメント