鰹節は栄養の宝庫だった!鰹節の栄養と効果を徹底解説!

食事・グルメ
スポンサーリンク

鰹節の栄養について考えたことがありますか? 鰹節はご飯と一緒に食べたり、焼きそばに載せたりと、あるのが当然みたいな所があるので日頃はあまり意識しませんが、実は鰹節には体に良い栄養がびっしり詰まっているのです。ここではそんな鰹節の栄養や知らざれる効果についてご紹介します。ぜひみなさんの健康維持にお役立てください。

スポンサーリンク

鰹節はどんな食べ物?

鰹節は頭や内臓を取り除いた生かつおを1時間ほど煮て、後で煙にいぶし乾燥させたもので、煮物や味噌汁などのだしをとったり、削って料理の上に乗せて食べたりと日本の食卓には欠かせない食品です。

主な生産地は鹿児島県の枕崎市と指宿市山川それに静岡県焼津市で全国の97%を占め、2014年度(平成26年)の統計によると総計で約3万トンのもの鰹節が生産されています。

これほど日本の食文化に欠かせない鰹節ですが、近年では健康志向の高まりと共に鰹節に含まれる栄養が注目されるようになりました。

参考資料:主要3地区の鰹節生産量 さつま鰹節協会

出典: www.satsuma-katsuobushi.com

鰹節の種類、「かつお削り節」と「かつお節削り節」の違い

いつも使っている鰹節には、「かつお削り節」と「かつお節削り節」の2つ種類があるのをご存知でしたか。種類によって料理に使う用途が違いますのでこの機会にご説明しておきましょう。

鰹独特の強い香り「かつお削り節」

鰹を煮て、煙でいぶして水分がなくなり固くなったのもを荒節と言いますが、この荒節を削ったのがかつお削り節です。

鰹独特の強い香りが特徴で、さらにお味噌汁のだしに使う「花かつお」やじっくり時間をかけてだしをとる料理に最適な「厚削り」などに分けられます。比較的安価なものが多く市販の商品の8割はかつお削り節です。

カビを付けて旨みを出す「かつお節削り節」

さきほどの荒節に良質のカビを付けて日に干すという工程を繰り返して出来上がるのが「枯れ節」と言いますが、その枯れ節を削ったものが、かつお節削り節です。

そもそも荒節にカビを付けた理由は、江戸時代に薩摩や土佐から江戸に鰹節を運ぶ際にカビが生えたのがきっけだそうで、そのカビの生えた鰹節を日に干して食べたところ大変おいしかったことから始まったと言われています。

かつお節削り節はさらに、上品なお吸い物に使われる「花削り」や花削りよりもさらに薄く切った「ソフト削り」などがあります。ちなみに、カビ付け工程を4回以上繰り返してできた鰹節の最高級品を「本枯鰹節」と言います。

栄養が生鰹の3倍!鰹節の栄養の特徴

生鰹(かつおの刺身)と鰹節の栄養を見比べてびっくりするのは、生の時よりも鰹節に加工した後の方がカロリー量が2倍以上跳ね上がっていることです。

まず100gあたりの総カロリーを見ると生鰹は100g中165kcalに対し鰹節は356kcalと2倍以上。鰹の主成分のたんぱく質にいたっては100kcalから308kcalと3倍に膨れ上がっています。

その理由は生鰹を乾燥させることで水分が抜けて栄養が凝縮するためと考えられますが、その他にもビタミンB12を初めとするビタミン群やセレン、カリウム、リンといったミネラルも多く含まれています。

鰹節の栄養がもたらすさまざまな健康効果

鰹節はたんぱく質を多く含む食品ですが、鰹節のうまみ成分や鰹節ペプチドなど鰹節ならでは栄養もたくさん含まれています。ここでは鰹節の栄養がもたらすさまざまな健康効果をご紹介しましょう。

必須アミノ酸を全て含む良質なたんぱく質

人の体の7割は水分、2割はたんぱく質でできています。つまり筋肉や内臓、爪や髪の毛にいたるまで、その主成分はたんぱく質なのです。

このように、たんぱく質は人の健康や生命維持に欠かせない栄養素ですが、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち9種類のアミノ酸は体内で作ることができません。(必須アミノ酸) 

ですから、必須アミノは食べ物から取るしかないのです。鰹節のたんぱく質はその9種類の必須アミノ酸を全て含む良質なたんぱく質です。

鰹節に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」の効果
必須アミノ酸のひとつ「トリプトファン」が脳に運ばれるとセロトニンという神経伝達物質を作る働きをしますが、セロトニンには心のバランスを保ち興奮を抑える作用があるので、ストレス解消や不眠症の改善に効果があります。

また、アメリカのテンプル大学健康科学センターにおいて、トリプトファンの鎮痛効果が証明され、頭痛や歯の痛み、生理痛などの痛みを軽減する鎮痛剤としての役目が期待されています。

鰹節ペプチドの疲労回復効果

ペプチドはいくつかのアミノ酸が結合した物質ですが、個別のアミノ酸よりも体内に吸収されるスピードが速く健康効果も高いのが特徴です。

鰹節に含まれるペプチドは、運動によって体内に溜まった水素イオンを取り除くことで疲労回復に効果を発揮します。さらに脳の神経細胞に溜まった水素イオンを除去して、集中力や思考力を高める効果もあります。

鰹節の栄養に含まれるビタミンやミネラルの効果

鰹節の栄養の中にはビタミンやミネラルがバランスよく含まれていますが、ビタミンDはカルシウムに作用して骨の生成を促進し、ビタミンEは強力な抗酸化作用で細胞の劣化を防ぎ、老化を遅らせる効果があるそうです。

また、ミネラルのひとつ「セレン」も抗酸化作用がありますが、他にも外からの毒素を浄化する解毒作用があることことからガンの予防にも効果があるとされています。

鰹節の旨み成分「イノシン酸」の健康効果とは

旨みの三要素は昆布に代表される植物系の旨み「グルタミン酸」、椎茸など茸類に含まれる「グアニル酸」、そして鰹節に代表される動物系の旨み成分「イノシン酸」に分類されます。

鰹節のだしから出る独特の旨みは、イノシン酸と鰹節のアミノ酸、それに煙でいぶし乾燥させる際の香りとの相乗効果で生み出されるものですが、イノシン酸の役目は旨みだけではありません。

高速で海を泳ぎまわる鰹の体内には、ATPと言われるエネルギー物質が貯蔵されていて、鰹が死ぬと鰹の体内のATPはイノシン酸に変化します。

ですから鰹節にはイノシン酸が大量に含まれているわけですが、このイノシン酸の健康に対する役目は全身の細胞を活性化させることです。この作用により、鰹節に含まれるイノシン酸は成長期の子供の発育や老化防止に効果があるとされています。

鰹節の栄養と美容効果について

お味噌汁のだしやお弁当のおかずのトッピングにと、いつでも気軽に食べれる鰹節には美容に良いとされる栄養がたくさん含まれています。ここからは、鰹節の体に与えるさまざまな美容効果をご紹介していくことにします。

お肌のハリや潤いに効果的な鰹節の栄養

皮膚に含まれるコラーゲンはお肌のハリや潤いの決め手になる成分ですが、そのコラーゲンの働きを活発にするのが、たんぱく質やビタミンなど鰹節に含まれる栄養素です。

コラーゲンをたくさん含む食べ物には鶏皮や手羽先、豚バラ肉などがありますが、これらの食品と一緒に鰹節を食べることで、コラーゲンの美容効果がさらにアップします。

鰹節はお肌の保湿に効果あり!

粘質多糖類と呼ばれる粘り成分は皮膚の表面に膜を作ってお肌の水分の蒸発を抑え、さらに空気中の水分を取り込んで保湿する効果があります。

そして粘質多糖類の一部を構成する材料になるのがメチオニンという必須アミノ酸ですが鰹節のたんぱく質の中にもメチオニンが含まれています。しかもたんぱく質にはコラーゲンを作る働きもあるので、お肌の潤いを保ち保湿効果を持続するには鰹節が効果的というわけです。

シミ、そばかすの改善には「ヒスチジン」がいい

鰹節に含まれる9種類の必須アミノ酸の1つヒスチジンは体の成長に関わる栄養素ですが、その他にも紫外線からお肌を守る効果もあるので、紫外線によるシミやそばかす、皮膚ガンの予防に効果があるそうです。また食欲を抑制し、脂肪燃焼を促進する作用が報告され、ダイエットへの効果も期待されています。

鰹節の栄養ビタミンDと美肌の深い関係

骨の原料となるカルシウムの吸収率をアップさせる作用で骨の形成とは気っても切り離せないビタミンDですが、ビタミンDは他にも細胞同士がコミュニケーションをとる信号の役目をはたしています。

たとえば、お肌のターンオーバーは古い皮膚が自然と剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わる新陳代謝ですが、この場合もビタミンDが不足して細胞間の連携がうまくいかないと、古い皮膚がなかなか剥がれ落ちなかったり、逆に新しい皮膚が成長する前に剥がれ落ちたりしてお肌が荒れる原因になります。ですから、ビタミンDは美肌にはとても大切な栄養素なのです。

鰹節で減塩ダイエット!

沖縄は全国でも有名な長寿県。それは塩の摂取量が全国平均の半分程度と大変少ないことにも起因しています。沖縄料理はじっくりだしをとる料理が多く、味付けにあまり塩を使いません。

沖縄の代表的な料理ゴーヤチャンプルも厚く削った鰹節でじっくりとだしをとり旨みを引き出していく料理です。この減塩が沖縄の長寿を生み出しているのです。

ところで、本題の減塩ダイエットですが、減塩がむくみ解消やダイエットにつながる理由を簡単にご説明しておきましょう。まず着目したいのは、血液中の塩分濃度は常に一定に保とうとする働きがあるということです。
たとえば・・・

塩分をとりすぎると血液中の塩分濃度が上がる
           ↓
血液中の水分を増やして濃度を下げようとする
           ↓
体内に水分が多めに蓄積され、体重が増える
           ↓
代謝が悪くなりむくみやすい体質になる

とてもわかりやすいメカニズムです。ですから、減塩すれば塩分濃度を上げるために体から水分が抜けて結果的にダイエットにつながるというわけです。ですから、味噌汁やスープのだしを作る時はなるべく科学調味を控えて鰹節や昆布などの天然のだしを使うようにしてください。

カツオ節をより効果的に食べる工夫

これまでご紹介しました通り、鰹節はたくさんの栄養を含んだ食品ですが、使い方をちょっと工夫するだけでその効果を十二分に発揮することができます。ここでは鰹節をより効果的に食べる工夫をいくつかご紹介しましょう。

鰹節と緑茶のセットでストレス解消

なんだかイライラして気分が落ち着かない時やストレスが溜まった時は鰹節と緑茶が効果的です。鰹節はイライラやストレスで消耗したビタミンやたんぱく質を補給できるばかりでなく、ストレスの緩和にもつながります。

また緑茶に含まれる「テアニン」は脳のストレス解消に効果があるとされています。鰹節はご飯の上に乗せてお召し上がりください。

成長期の子供には鰹節がオススメ!

子供の成長期にはたくさんの栄養が必要ですが、もしも栄養が偏ったり不足したりすると、脳の発達に影響して知能指数が低下するとの報告もあります。

したがって子供の成長期には特に十分な栄養を取る必要があるのですが、鰹節には必須アミノ酸を全て含んだ良質なたんぱく質やビタミン、さらに 脳の活性化や記憶力向上に効果的なDHA(海産物特有の脂肪酸)を含んでいます。ですから、頭の良い子を育てるためには鰹節がオススメなのです。

ダイエットにはカビ付け処理した「かつお節削り節」が効果的

鰹節の栄養にはわずかながら脂質が含まれています。しかし、カビ付け処理したかつお節削り節はカビが鰹節に繁殖する際、脂肪分解酵素「リパーゼ」が脂肪分を分解します。ですからダイエット中には値段は少し高くなるかも知れませんが、普通の「花かつお」よりも、カビ付け処理した「花削り」などのかつお節削り節が効果的です。

鰹だしには鰹節を使いましょう

スーパーやコンビニには鰹だしを謳ったインスタントのだしが販売されています。確かにお湯に混ぜるだけなので便利なのですが、糖分や塩分なども含まれていて鰹節本来の効果が引き出せない可能性があります。ですから、多少めんどうでも鰹だしには鰹節を使うようにしましょう。

鰹節と昆布の最強タッグ!

鰹節の旨み成分「イノシン酸」と昆布の旨み成分「グルタミン酸」がタッグを組むと最強の旨みだしが誕生します。またグルタミン酸には疲労回復や肥満防止、脳の活性化などの作用があり、美容、健康の面でも効果倍増です。

最重要!鰹だしのとり方

ここまで鰹節についてご説明しましたが、肝心の鰹だしのとり方がわからなければ、まさに紙上の空論になりかねません。そこで、家庭科の料理の時間でしか料理を習ったことがないという若い世代の方へ、お味噌汁の鰹だしのとり方をご紹介しておきましょう。

【使う道具】

・鍋 → 1個
・ざる → 1個
・ボウル → 1個
・キッチンペーパー →1枚~2枚

【材料】 (2人前)

・花かつお → 12g (1掴み)
・水 → 400g (お茶碗2杯強)

【作りかた】

1.お鍋に水を入れ沸騰させる
       ↓      
2.沸騰したら、かつお節を入れて弱火で2、3分煮る
       ↓
3.ボールにざるを乗せてざるの上にキッチンペーパーを敷く
       ↓
4. 2を3に移したら出来上がり!

【一言アドバイス】

・かつお節は鍋の中で固まらないようにほぐして入れてください
・かつお節を絞るとえぐ味がでるので絶対に絞らない!
・やってみるとすごく簡単なのでぜひ挑戦してみてください

美容に!健康に!簡単、おいしいかつお節レシピ

それでは最後に、栄養満点の鰹節を使った簡単でおいしいレシピをご紹介します。美容に健康に、そしてダイエットにもぜひお役立てください。

だしに使ったかつお節で作るおかかふりかけ

だしを取ったあとのかつお節、何となくもったいないと思いませんか?実はちょっと手を加えるだけで、おいしいおかかふりかけに早変わりです。忙しい朝に重宝しますよ。

【材料】

・だしをとった後のかつお節 → 約20g(1リットル分のだし相当)
・しょうゆ → 大さじ1
・砂糖 → 大さじ1
・みりん → 大さじ1

【作りかた】

・かつお節をみじん切りにする
      ↓
・みじん切りにしたかつお節をフライパンに入れ強火で炒める
      ↓
・しょうゆ、さとう、みりんを加えさらに炒める
      ↓
・汁気がなくなったら出来上がり!

【一言アドバイス】

・細かい味付けはお好みで行ってください
・なるべく強い火で炒めた方がカラッと仕上がりますが、焦がさないように注意してください。

とろ~り感がたまらない!チーズとおかかの焼おにぎり

かつおパックのかつお節と残りごはんを使ったおいしい焼おにぎりのご紹介です。チーズとかつお節の意外な食感をお楽しみください。

【材料】 (3~4人分)

・残りごはん → どんぶり2杯強
・かつおパック → 2パック
・ベビーチーズ → 2個
・しょうゆ → 大さじ2~3

【作りかた】

・ベビーチーズを7、8ミリの角切りにする
       ↓
・ごはんとかつお節としょうゆをよく混ぜ合わせる
       ↓
・角切りにしたベビーチーズを加えておにぎりを作る
       ↓
・熱して油をひいたフライパンにおにぎりを入れ、全ての面に焼き目がついたら出来上がり!

【一言アドバイス】

・チーズをあまり小さく切ると食べる時にチーズ感が味わえません
・おにぎりを作る時はラップを使った方がうまく行きます
・強火でしっかり焼いた方がしょうゆの焼けた香りが楽しめます

日本の食文化、鰹節のすすめ

鰹節、その起源は古く、701年に制定された日本最初の本格的な法律「大宝律令」の中に納税や貢ぎ物としての記載があり、すでに素干しなどの保存食として利用されていたようです。現在のような形になったのは江戸時代中期から後期とされていますが、カビを利用して旨みを加える製法は日本人ならでは食へのこだわりを感じさせます。

そんな日本古来の食文化を受け継ぐ鰹節には、さまざまな栄養がたくさんふくまれています。ぜひこの機会に鰹節をあなたの健康の維持や美容にお役立てください。

食事・グルメ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
adminをフォローする
スポンサーリンク
wills【ウィルズ】

コメント