どういう場でも、自己紹介には緊張がつきものです。新しい集団(新しい人)に自分を受け入れてもらえるための儀式のようなものなので、失敗した時のことを考えると、居ても立っても居られない気持ちになります。
自己紹介の流れを見た場合、始める前、自己紹介の過程、終わった後、と短い時間ながら3段階に分かれます。さらに細かく分ければ、自己紹介の過程は「導入部」「展開」「終結」と3段階になります。
それぞれの段階でより良い状態を維持していければ当然、結果はついてくると思いますし、仮に自分が思った以上には評価が良くない時は、どの部分が良くなかったか反省もできますし、今後に生かせることもできます。
覚えていて欲しいのですが、自己紹介はコツさえ知っていれば、上手くいくことが多いです。
今回は、「あなたともって仲良くなりたい!」と、思わせる好印象な自己紹介にするためのコツについてご紹介します。
自己紹介をする上での心構え
練習を積んでその場に臨んでも、やはりドキドキしてしまうと思います。
サルの場合を例に考えてみると、群れから外れたサルが新しい群れに入るような心境ともいえます。群れに入れてもらえない時は、死ぬかもしれません。こんな時の一つの処方箋は、相手は敵ではない、という認識です。少なくとも自分の話を聞こうとしてくれるわけですから、その姿勢からも敵ではあり得ません。
こう考えられれば、自然体でいいわけですし、リラックスしてもいいという気持ちも生まれてきます。
これから長い付き合いになるかもしれない集団(人)ですから、自然体で受け入れてもらえなければ、いずれは歪みも生まれてくるでしょう。自分なりの方法(深呼吸をしたり、他の楽しいことを想像したり)でリラックスできるように臨んでください。
自己紹介の構成方法
自己紹介の内容は、その場の目的に応じて違いますが、長さは15秒、1分、3分、と大まかに3段階あると思われます。
15秒の場合は、名前をとにかく印象づけることにしぼって、最後に「よろしくお願いします」、の言葉で締めくくります。この時、相手の目を見て言い終わってから、お辞儀をするように気をつけます。言いながらお辞儀をするよりも丁寧な印象を感じさせます。
1分の場合は一番標準的な長さです。名前の印象づけはもちろんですが、出身地や住んでいる所、趣味の話まで広げられます。名前を憶えてもらうことが一番の目的ですから、趣味の話などで脱線しないように気をつけてください。
3分ぐらいの長さになると、起承転結を考えた方がまとまります。
起の部分で、自分の名前を印象づけます。
承の部分で、出身地や趣味の話を盛り込みます。
転の部分で、承の部分で面白い話やためになった話などを挿入します。
結の部分で、前向きな気持ちを伝えて、「よろしくお願いします」と言って終わります。
どういう話をするかまとまったら、練習します。練習の段階から姿勢、笑顔、声の調子、視線の向け方にも気をつけましょう。
姿勢は、猫背になっていないか(猫背だと声がこもってしまいます)、手の位置はどうか(体の側面に自然に沿わせるか、体の前で左手を上にして重ねる)をチェックします。
終始、笑顔で話すのは不自然にもとれますので、最初と最後は笑顔になるように気をつけます。
自分が思っているよりも聞き手には小さく聞こえています。声の大きさを考えて話をする練習をしてください。録画して声の大きさをチェックすることも必要があればやってみてください。
視線は一対一の場合は相手の目を見ます。一対大勢の場合は、視線を一定にしないで見渡すように話をするようにしましょう。
緊張して悪い印象を与えないために
最初、緊張していても、話を進めていくうえで少しずつ緊張がほぐれていくことも多いものです。相手が目の前の一人だけの場合は、緊張がほぐれる可能性はより高いです。
目の前に大勢がいる場合も、受け入れてもらえそうな人をひとり見つけて、その人に向かって話をするようにすると、だいぶ緊張がほぐれます。最初の挨拶は忘れずに。緊張すると、すぐに名前から始めてしまう人もいますから気をつけるようにしてください。
「初めまして」、あるいは「こんにちは」を言うことを忘れないでください。
これをある程度ゆっくり言うことで、気持ちが落ち着くことも多いです。聞いている相手も、その挨拶に答えてくれると、対話が生まれ、また話がしやすくなります。
練習した通りに言葉がでなくても気にしないように。その場の雰囲気で使う言葉は変わってくることもあります。練習段階で使いなれない言葉は使わないようにすることも必要です。
また、ネガティブな言葉は使わないように。「趣味は特にありません」というような言い方はしないようにします。
終わりの言葉は最大のアピール
締めの言葉で「僕は人気者になります。よろしくお願いします。」と言った人がいました。笑いとともに終わり、その言葉通り、自己紹介終了後、彼は人気者になっていたそうです。
仕事を頑張ります、でもなく、英語ができる、というような自慢の話でもなく、それでいてしっかり自分をアピールできる良い終わり方をめざしましょう。
最初の笑顔と挨拶、そして締めの言葉は大切です。自分の良いところを最大限表現できるような自己紹介をしてください。
終わった後が本番
無事に終わった後の解放感は格別です。しかし、本筋はこれからです。「後味」という、聞いた人の判定があります。終始、笑顔だった人でも後味があまり良くないこともあります。笑いもとり、うまくまとめたのに印象が良くない場合もあります。
場数を踏むということも大切ですが、慣れてしまうのも考えものです。
印象の良い後輩の態度で多かったのは、謙虚さ、素直さ、前向きという結果もあります。うまくいけば素直に喜び、失敗したらどういう所が良くなかったか反省して、またチャレンジしてください。
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