今治水は、明治20年代には既に歯痛薬の有力商品でした。その後、幾度か薬効強化のため、処方改良が行われ今日の「新今治水」に至っています。新今治水の特徴は(1)歯限定の痛み止め薬である(2)2分以内に鎮痛効果あり(3)小児からお年寄り迄服用可能(4)妊婦さんも服用可能など有用性の高い薬です。使用上の注意点は、虫歯以外に使用しない事、誤って歯茎や唇に付いた場合は、直ちにきれいに拭き取らねばなりません。
今治水ってどんなものなの?その効果とは
”今、治る歯くすり”として、1898年より歯痛薬「今治水」を販売開始し、その後、幾度か処方改良され、現在の「新今治水」に至っています。身体の全体的な部分に効く痛み止めは数多くありますが、歯に限定した痛み止めの薬は、なかなか無いのでとても珍しい薬です。
新今治水の鎮痛効果は、歯科大学の教授と試験を実施しており、虫歯に直接塗布した場合、2分以内に効果が現れ、さらに90.4%もの鎮痛効果があるそうです。歯痛で悩んでいる人は、即効性を一番先に求めているものではないでしょうか?この鎮痛効力は嬉しいですね。
今回は、新今治水の特徴から、使い方と注意点について紹介すると共に、姉妹薬である顆粒タイプの「コンジスイとんぷく」をも併せて紹介いたします。
突然の歯痛!歯痛薬の今治水とは
歯が突然痛み出して、虫歯になっていることに初めて気づいた、大した痛みではないからと放っておいたら、激痛に襲われたといったような場合に、虫歯の痛みをすぐに和らげてくれる応急処置のお薬として「今治水」を紹介いたします。
ただし、虫歯など歯の痛みの原因を取り去ることはできませんので、早めに歯医者さんによる、根本的な治療が必要です。
虫歯、歯の根の痛みを鎮める
今治水(こんじすい)は、明治31年から発売されている歯痛薬です(商品名:新今治水、定価788円、丹平新薬)。虫歯の痛みを鎮める効果があり、虫歯に直接塗る薬で、液体のほか、ペースト状や飲み薬のタイプもあります。
突然、虫歯が痛み出すということは、すでに虫歯が進行して、歯医者さんに治療して頂くしか手がないレベルであることを意味しています。その状態とは、虫歯菌が歯のエナメル質を溶かして、「象牙質」かあるいはその先の歯髄にまで到達している証拠です。
歯痛は突然やってきますので、直ぐに歯医者さんへという訳にいかないことが多いかと思われます。そのような時に、虫歯や歯の根の痛みを和らげるのが歯痛薬「新今治水」(液体タイプ)と、「コンジスイQ」(ゲルタイプ)です。
虫歯に塗った場合すぐ効き目あり
歯痛、虫歯につけて”2分以内”に効く!「新今治水」。虫歯が痛む場合、液体タイプの「新今治水(しん・こんじすい)」で、痛みを和らげることができます。液体を痛い部分に直接塗り込むことで、痛みを和らげる有効率は「90.4%」といわれています。
しかも、その効果が発揮されるまでの時間は「2分以内」と、即効性のある歯痛薬なのです。大阪歯科大学外海教授を中心として、「新今治水」の鎮痛効力の試験が行われた結果、剤型上(医薬品を患者に投与できる形に整えたもの)の特長、及び配合成分の総合効果により、高い有効率と速効性のあることが立証されました。
小児からお年寄りまで使える
使用年齢の範囲が、歯が生えている乳幼児から、お年寄りまでと広範囲なのが大きなメリットです。痛みのある歯に直接作用するため、安心で安全に使用できるのです。ただし、お子さんが使用する際は、歯茎に付けないように、保護者の方が注意することが必要です。
なお、「コンジスイQ」の場合は、ゲル状なので患部に的確に塗布することができ、特に小さいお子様には、より安心してお使いいただけるでしょう。また、妊娠中の方や授乳中の人にもご使用頂けます。1回に使う量が微量であることから、胎児や母乳に心配するような影響はありません。
小さなお子さんやお年寄りがおられるご家庭は、突然の歯痛を引き起こした場合に備えて、常備しておくと良いでしょう。
妊婦さんも使える、常備薬として備えて
妊娠中の悩みの種のひとつが、歯の痛みです。妊娠前までは大丈夫だったのに、妊娠したら途端に歯のトラブルに悩む妊婦さんが、大勢いらっしゃいます。新今治水は、妊娠中であっても安心して使うことのできる歯痛薬です。
使い方は、新今治水(液体タイプ)をしみ込ませた綿の球を、虫歯の穴に詰め込むか、或いは虫歯の穴が小さいときは、虫歯部分の表面に新今治水を塗るだけで大丈夫です。夜間に痛み始めると厄介ですから、妊娠したら常備薬として持っていると良いですね。
歯の質(エナメル質・象牙質)を傷めない
「新今治水」は、続けて使用しても 歯の質(エナメル質・象牙質)を傷めません。但し、歯以外の場所に余分に付いた場合には、一時的に食味などを変化させることがありますので、ガーゼ等でふきとってください。又、誤って口のまわりや顔などについた場合は、ただちに水でよく洗い流してふきとってください。
新今治水は、連用しても 歯の質を痛めないとはいっても、あくまでも応急処置で使用するもので、急な痛みをなくすのには良いのですが、虫歯に対するきちんとした治療ではありません。
そのまま放置していれば、神経はどんどん菌によってダメージを受け、腐敗していってしまいます。なので、早めに歯医者さんへ行きましょう。
安全性が高く、虫歯に直接作用する
<安全性の高い液体歯痛薬>
「新今治水」は、虫歯に直接患部に塗って作用するので、小児からお年寄りまで、安心してお使いいただける液体歯痛薬です。妊娠中の人でも、安心してご使用頂けるお薬です。
<姉妹品ゲル状コンジスイQ>
昭和58年、すでに歯痛剤「新今治水」の実績がある中で改良の余地を見出しました。改良の目的を、更なる安全性と使いやすさの向上において、配合成分フェノール・dl-カンフル・オイゲノールのEPC処方で剤型が使いやすい、ゲル状の姉妹品「コンジスイQ」を開発するに至りました。
大阪歯科大学をはじめとする4施設(大学付属病院)で、臨床試験(治験)を実施した後、承認を得て、需要に合わせた液剤・ゲル状軟膏剤を併売しています。
今治水ってどうやって使うの?
上部キャップを取ると、綿が入っています。綿を綿球にして、綿球に薬剤をしみ込ませ、虫歯に塗るか或いは虫歯の穴に押し込んで使うのですが、具体的な使い方を詳細に説明いたします。
適当な大きさの綿球作る
まず、手指をよく水洗いなどして、清潔な状態にしましょう。それから、新今治水の上部のキャップを外すと綿が入っている筈ですので、清潔にした手指で適当な大きさの綿球に仕上げましょう。
「適当な大きさ」といった意味を説明しますと、今治水が誤って歯茎や頬の粘膜に付いてしまうと、その部分が炎症を起こしてしまいます。ピンセットに綿球をつかんだ状態で、口の中の虫歯を狙った作業となりますので、大きすぎると虫歯以外の部分に今治水が付着しやすくなります。
そこで、虫歯の穴の大きさを確認して、その穴に詰め込める程度の大きさに、手指を使って丸めるのです。穴より少し大きめの綿球にするのがコツです。とても簡単なようですが…。綿球をつくるコツは、やさしくキレイにまるめることです。
そして、強すぎない力を入れて丸めます。硬すぎても、軟らかすぎても、大きすぎても、小さすぎてもよくありません。使えないわけではありません。尚、穴が小さすぎて、作った綿球を詰め込めない場合は、塗るだけになりますので、大きすぎず、ピンセットでつかんで濡れる程度の大きさにしましょう。
綿球に適量しみ込ませる
付属のピンセットを使って、綿球に適量の新今治水をしみ込ませてください。ポタポタとしずくが落ちて、虫歯以外の場所に付かない程度にしましょう。また、使用済みの綿球は、他人が触らないように処分しておきましょう。付着した場合は、下記します理由から水でよく洗い流しましょう。
今治水の痛みを鎮め、殺菌する成分はチョウジ油、フェノール、dl-カンフル、ケイヒ油などですが、フェノールは強力です。フェノール自体の性質は、毒性および腐食性があり、皮膚に触れると薬傷をひき起こします。絵具に似た臭気を有して、毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています。
用途としては、プラスチックの他、医薬品や染料など、各種化成品の原料として広く用いられており、フェノールそのものは希釈して、消毒剤などに利用されているのが現状です。
なので、毒?…怖いから薄めようか…薄めてはダメです。殺菌効果は、局所に一定の濃度以上が持続できるか否かによります。軟膏やデンタルペーストのように、患部に塗る薬品も同じ目的で工夫されているのですから。
綿球が穴に入らない場合は表面に塗る
今治水を適量しみこませた綿球を、付属のピンセットでつかんで、虫歯の穴に押し込むのがよいのですが、穴が小さすぎて押し込めない、或いは押し込んだつもりでも、抜けてきそうな場合は、仕方がないのでしみ込ませた綿球で虫歯の表面に塗ってください。
但し、歯以外の場所に余分に付いた場合には、一時的に食味などを変化させることがありますので、ガーゼ等でふきとってください。痛みのある歯の局所以外の箇所には、塗布しないように注意して塗りましょう。
穴の中に綿球を押し込む
大きな穴のあいた虫歯が痛むときには、新今治水をしみ込ませた綿球を付属のピンセットでつかんで、虫歯の穴の中へ押し込んでください。押し込んだ後、綿球が小さくて抜けやすいと感じたら、再度、新しく綿球を作り直してください。
歯以外の場所に余分に付いた場合には、一時的に食味などを変化させることがあったり、歯茎に付いた場合はそのままにしておくと、歯茎の腫れが起こる可能性がありますので、ガーゼ等でよくふきとってください。又、誤って口のまわりや顔などについた場合は、ただちに水でよく洗い流してふきとってください。
効果の持続性が高い今治水頓服とは
「コンジスイとんぷく」は、今治水のメーカーが発売の顆粒タイプの鎮痛剤です。のみやすく、胃の中で早く分散、溶解して胃障害の心配が少なくて、15歳未満も服用でき、しかも眠くなりにくい成分が配合されています。登録販売者がいるコンビニでは、販売可能な第「2」類医薬品でもあります。
胃の中で早く分散する顆粒タイプ
<効果の持続性が高い「コンジスイとんぷく」>
「コンジスイとんぷく」は、歯痛薬として有名な「今治水(こんじすい)」を発売している「タンペイ製薬」の顆粒タイプの鎮痛剤です。
歯痛・頭痛などにより、痛くて我慢ができないときに、痛みを素早く鎮めるため、四種の成分を配合した頓用の鎮痛薬です。白色の顆粒で飲みやすく、胃の中で早く分散、溶解して胃障害の心配を軽減しています。持続性も高い製品です。
15歳未満服用できる
「ロキソニンSプラス」と違う点は、15歳未満の人でも服用できる点です。「コンジスイとんぷく」の用法用量は以下の通りです。
15才以上:1回1包
11才以上〜15才未満:1回2/3包
7才以上〜11才未満:1回1/2包
1日2回を限度とし、なるべく空腹時をさけて服用してください。服用間隔は6時間以上おいてください。
(用法関連注意)
(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
尚、「コンジスイとんぷく」は、第「2」類医薬品に区分されており、第「2」類医薬品は「薬剤師」或いは「登録販売者」が、なるべく使用上の注意・説明をする必要のある医薬品です。
なので、登録販売者がいるコンビニでは、「コンジスイとんぷく」を購入可能です。もちろん薬局は、薬剤師の常駐義務がありますので購入可能です。
今治水を使用する際の3つの注意点
今治水はあくまでも鎮静剤であって、治療薬ではありませんので、早めに歯医者へ行く必要があります。一時的に使う場合の注意事項としては、虫歯のみに使う事、歯茎や唇には塗ってはいけません。
歯茎に塗らない
新今治水は、続けて使用しても、歯のエナメル質や象牙質を傷めることはありません。但し、今治水の説明書によると、使用上の注意として、歯ぐき、唇には使用しないでくださいと明記してあります。
お子さんが使用する場合は、歯茎に付けたりするなど、誤った使い方を避けるように、保護者の人が注意することが必要です。もし、歯茎についたら、直ぐにガーゼなどで拭き取ってください。新今治水の成分を調べると、下記の通りです。
チョウジ油:0.3g
フェノール:5.0g
dl-カンフル:10.0g
ケイヒ油:2.5g
l-メントール:0.1g
ジフェンヒドラミン塩酸塩:2.0g
ジブカイン塩酸塩:0.1g
塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル:0.03g
サンシシチンキ:15.07g
添加物としてプロピレングリコールを含有。
※合成着色料は使用していません。
この中で、フェノールは強力です。フェノール自体の性質は、毒性および腐食性があり、皮膚に触れると薬傷をひき起こします。絵具に似た臭気を有して毒物及び劇物取締法により、劇物に指定されています。
用途としては、プラスチックの他、医薬品や染料など各種化成品の原料として広く用いられており、フェノールそのものは希釈して、消毒剤などに利用されているのが現状です。確かに、次のような書き込みがありました。
「家族から歯茎が痛いなら歯茎にも塗ってみな、といわれたので鼻の下辺りからの歯茎一面に塗りました。塗る前に歯茎に腫れなどなかったのですが、塗って暫くして少し腫れてきて痛みが増しました。
塗る前に歯茎に腫れなどなかったのですが、塗って暫くして少し腫れてきて痛みが増しました。唇の裏にも少しついてしまい、やはり少し腫れてふやけて、皮がめくれてきました。」
治療薬ではない、一時的に痛みを取るのみ
虫歯痛に使用する場合、本剤は一時的に痛みを取るのみで、治療効果はありませんので、早めに歯医者に行ってください。効かないときは、それほど進行してない虫歯か、既に歯の根元のほうまで進行してる虫歯の場合があるみたいです。
歯が痛いときは、正露丸を歯に詰めるんだって、昔からよく聞きますね。正露丸は、木クレオソートというのが主成分なのですが、この成分は殺菌作用がとてつもなく強力で、実際に歯の治療でも根管の消毒用に使用されていたこともあるそうです。この成分が、神経をマヒさせるので痛みにも効くんですね。
そして、新今治水にも神経をマヒさせる様々な成分が入ってるから、ぽっかりと穴が空いてるような大きな虫歯には、効果が絶大だそうです。新今治水の液を痛い歯に綿棒で直接塗るか、或いは綿にしめらせて虫歯の穴に押し込みましょう。
ちなみに、新今治水が効くということは、神経の近くまで虫歯が進行してるというあかしなので、早めに歯医者に行ってください。効かないときは、そこまで進行してない虫歯か、又は、歯の根元のほうまで深く進行してる虫歯の場合があるようです。
効かない場合は放置しないで歯医者に行く
歯痛の原因は主として虫歯です。虫歯を放置しますと、徐々に歯が溶けてきたり、欠けたりします。そうなっていく途中で、痛みもひどくなります。痛みを我慢して峠を越えてしまい、痛みがなくなったころには、神経がダメになって、ほとんど原形をとどめない姿になってしまいます。
こうなってしまうと、歯が抜けた時と変わらない状態になり、その部分から、歯の噛み合わせがおかしくなり、全体の歯並びに悪影響を与える恐れがあります。このように1本の虫歯でも放置すると、歯全体に悪影響を及ぼします。
さらに、放置すると、顎の骨にまで原因菌が達して、炎症を起してしまいます。また、血液中を虫歯菌が通って、脳に移動すると脳梗塞、心臓の場合では、心筋梗塞や心内膜炎になります。このように歯だけではなく、全身に悪影響が出る可能性があります。虫歯は早く治療すればするだけ、軽い治療で済みます。
なので、歯痛の最初の段階で歯医者に行く迄の鎮痛剤として「今治水」を使用し、なるべく初期段階で治療してしまいましょう。もちろん「今治水」が効かない場合は、相当に進行している恐れがありますので直ぐにでも歯医者へ行かねばなりません。
今治水は明治時代から定番の歯鎮静剤です
1898年より、歯痛薬「今治水」が販売されており、その後、幾度か処方改良され、現在の「新今治水」に至っています。このように新今治水は、歯の痛み止めの定番として、ロングセラーになっています。歯限定の痛み止めの薬は、なかなか無いのでとても珍しい薬です。
小さい子供さんやお年寄りがいるご家庭には、是非とも常備薬として備えておきたい薬だと思われます。虫歯は、突然痛みが襲ってきます。
夜中に痛みが発生したような場合、今治水を患部に塗るか、綿球を虫歯の穴に入れ込むことによって、痛みを和らげる有効率は「90.4%」といわれています。しかも、2分以内に効果が現れる優れものです。
しかし、今治水は鎮静剤であって、治療薬ではありませんので、朝になったら歯医者さんに行きましょう。それよりも、こんな羽目にならぬよう、日頃から歯ブラシを励行するなど、歯の健康に気を付けましょう。
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