人の心は揺れ動くもの。今は調子が良い人も明日は生きる気力がなくなってしまうかもしれません。でも、言い換えれば生きる気力が減少していても明日になれば回復する。ということもあてはまります。
今回は、生きる気力がない時の対処法として、生きる気力を湧かせ人生を好転させる習慣をご紹介します。
ストレスを敵視しない
「ストレスは体に悪いモノ」「健康を脅かすもの」という概念は今や一般化しつつありますが、ストレスの発見者でストレス学の基礎を築いたともいわれるハンス・セリエ博士は、「ストレスは人生のスパイス」とストレスを表現しています。
人生のスパイスを敵視してしまっては、生き方を自らが狭めている(生きにくくしている)という認識を持つことが必要かもしれません。
その言葉を証明するように、近代科学ではストレスに対するアプローチによって生きるエネルギーの消費度合(ダメージ)が変わることが分かってきました。
例えば、ストレスをネガティブにとらえてしまうと、全身を調整しようとして緊張をうながす交感神経の活動が活発化してしまいます。その結果、身体的な影響で見ると血管は緊張から凝縮して血流悪化や脳梗塞・心筋梗塞をおこしやすいリスクが生じます。
しかし、ストレスをポジティブにとらえると副交感神経の活動が活発になり身体的にはリラックス状態に近いので血管の凝縮は発生しません。血流悪化や脳梗塞・心筋梗塞のリスクは高くないということです。
つまり、ストレスが生じたら病気になるという概念は統計学の上では成立するのですが、そこには心理的な対処法という要素は考慮されていないのです。
ストレスの見方やアプローチを変え、ストレスを味方にする工夫を考えてみるのも生きる気力を保つためには重要な事なのです。
コミュニケーションの根本に気がつく
生きる気力が減少する要因が人間関係にある場合、その傾向にある人はコミュニケーションの根本にあるものがよく分かっていない方が多いようです。
コミュニケーションとは人間の頭と頭をケーブルでつなぎ、相手の考えを、あなたの頭に流し込んでいるわけではありません。
あくまでも、相手の言動や動作や仕草、表情などを含む、場の空気や雰囲気などから「あなた自身が相手の考えを察している(察しようとしている)」ことなのです。
つまり、あなたは「あなた自身のフィルターを通して相手を見ている」わけですが、そのフィルターは自分の利害や希望、相手の目立ちやすい特徴などによって、歪みが生じてしまうことに気がつきましょう。
直感や先入観、想いこみ、恐怖心や願望、偏見など、あらゆるものがあなたのフィルターを歪めてしまう可能性があるのです。
この歪みを「認知バイアス」といいます。認知バイアスには数十種類のパターンがあるとされています。
例えば上司が他の同僚と談笑していたのを見て「自分の噂話をしているのではないか」などと思ってしまう場合や、メールをしたのに返信がない時などにあれこれ悪い方向に考えてしまうことは認知バイアスが悪い方に振れてしまっている現象といえます。
認知バイアスというコミュニケーションの仕組みに生じるリスクを認識しておくことは、人間関係を良好に保つためには必要なことなのです。
ヘルスツーリズムを試してみる
生きる気力が減少してしまうと、それに比例して行動範囲も狭くなってしまいがちですが、旅を活用して精神的なリフレッシュを行うことも方法の1つです。
行きたい場所(旅行したい場所)がすぐに思い浮かばない時は、ヘルスツーリズムというキーワードで探してみるのもお勧めです。
ヘルスツーリズムとは医学的な根拠に基づく健康回復・維持・増進につながる観光のことで、いうなれば昔の湯治(とうじ)のようなものです。
温泉療法や森林療法、海岸療法(タラソテラピー)などと地域交流や地元食材での郷土料理などを組み合わせ各地域の特色を生かして実施されています。
日ごろの生活から離れてみて、自然を満喫し(自然界のα波に同調し)地域の方との交流やおもてなしに触れていると心が良い方向に解放される可能性が生じやすくなります。
短期のコースもあったりするので、地域や実施内容にもよりますが、休日を利用して試してみるのも良いかもしれません。
人に引き出してもらう
「自分を癒すのは自分だけ」ということも真理ですが、「人は人に影響される」という側面もあります。生きる気力が減少していると自分で自分を癒す能力も低下していますので、思い切って他の人を活用してみるのも良いかもしれません。
例えば、カウンセラーなどです。信心も選択肢としてありますが、全てを放棄して何かにすがるのは、生きる気力の減少要素を見定め、対策を考えてみてからでも遅くはないので、まずは自分の中にある答えと向き合っていくことが重要でしょう。
そのような意味でもカウンセラーは最適です。また、身近で頑張っている人や書籍等で考え方に共感した、頑張っているスポーツ選手(過去・現在に関係なく)などの真似をしてみるのも良い方法です。
専門医を訪ねる
生きる気力が減少した場合、専門医を受診してみるのも方法の1つです。その段階度合においては向(抵)精神薬の服用をアドバイスされる場合もあるかもしれません。
少しでも不安があるようならセカンドオピニオンを実施してみたり、脳の血流の変化からうつ症状や統合失調症などが判る光トポグラフィーなどを受けてみると良いでしょう。
また、専門医を受診する際は、専門医はあなたの言葉や表情・仕草などの「問診」がその判断に大きく影響してきます。事前に紙に整理してみるなどの工夫をして、現状を正しく認識してもらう工夫をしましょう。
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