1.審査が通らなかった時には「原因分析」を!
融資審査が通らなかった時に、まずやるべきは「原因分析」です。
例えば、日本政策金融公庫で融資を受けた場合には、融資が通らなかった理由は、基本的には教えてもらえません。
そもそも以下の条件に該当する方は、融資を受けることは非常に難しいです。
・自己資金がゼロ ・税金を対応している ・債務超過状態(資産よりも負債が多い状態) ・信用保証会社に登録されたデータに大きな減点がある(信用情報ブラック) |
上記に当てはまっていないにも関わらず、融資に失敗した場合には、何が原因なのかをしっかり考える必要があるでしょう。
原因分析を行う際の3つのポイントとは?
融資失敗の原因分析を行う上で、3つのポイントが重要です。
「現在の会社状況の把握」
「希望の融資金額と、融資後の目標設定の見直し」
「課題に対する解決実行の可能性」
です。
それでは、細かくチェックをして検討しましょう。
「現在の会社状況の把握」チェック項目
- 仕事内容と会社理念にズレはありませんか。
- 返済の財源は確保されていますか。
- 企業や人材の支援はありますか。
- 自社商品の魅力を分析できていますか。
- 市場において、自社の立ち位置の明確ですか。
- 現状の戦略は同業企業と競合できていますか。
- ご自身の経歴の整理はできていますか。
- その経歴は、返済の確率を上げられていますか。
- 自社の弱みをしっかり把握していますか。
「希望の融資金額と、融資後の目標設定の見直し」のチェック項目
- 希望の融資金額にあう、自己資金はありますか。
- 希望の融資金額の目的と動機は明確ですか。
- 融資後、どの程度の効果が期待できていますか。
- 企業成長の戦略は出来ていますか。
- 融資を受けて、市場の動向に有利に働きますか。
- 自社の独自性はありますか。
「課題に対する解決実行の可能性」のチェック項目
- 実績に近い数字を自身の経歴で明確にすることができますか。
- 行動指針は明瞭ですか。
- 企業の最終目標は設定されていますか。
- 自社の独自性やその良さが、客観的にわかりやすくなっていますか。
- 融資を受ける前に、現状では足りないことが明瞭になっていますか。
- 自己資金の貯蓄状況を説明できますか。
- 客層や客単価の設定を説明できますか。
- 来客の人数や、購入予定数は、どのように想定していますか。
- 設備や人材の数は想定できていますか。
- 広告媒体などは、適正に行われていますか。
他にも、いろいろな条件があるかと思いますが、まずは、チェック項目を利用してすべて回答できるかを確認してみてください。
2.融資の審査に通るためには、内容のある経営改善計画書を作ろう
リーマンショックによる経済不況の中にできた、中小企業金融円滑法という法律がありました。経営状態が芳しくない企業にも、円滑に資金提供をさせることを目的とした法律でした。
しかし、この法律の施行が終わったため、各金融機関は債権の保全措置として、融資を受けるために、理にかなった経営改善計画書を出すことを企業に要求することが多くなってきました。
融資が断られた人は、内容の豊富な経営改善計画書を作らなければ絶対に融資を受けることができません。
作成に当たっては、注意点があります。
経営改善計画書を作成するための注意点
まず、数字だけを羅列するだけではだめです。現実的に実行できる根本的な対応策を練り上げる必要があります。利益を上げるにはどのような計画で行くのか、どう実行していくのかを具体的に述べなければいけません。
例を挙げてみましょう。
ダメな計画書
弊社は電気代節約のために休み時間は冷房を止めて、消灯します。
これでは説得力がありません。
もっと戦略面で訴えなければなりません。
良い計画書
弊社はおもちゃ販売の一環として、ドローンを扱い始めます。これは単におもちゃという枠にとどまらず、高所得者が利用しやすいように部品を特別注文で作る予定になっています。少なくとも年に500万円の利益が出ることをもくろんでいるところです。そのための宣伝にも力を注ぎます。店舗だけにとどまらず、マンション展示会で営業をして、高所得者の関心を呼ぶように努めます。
このように具体的な計画を詳しく書きましょう。
3.事業計画書を作り直そう
なぜ作成した事業計画書では、審査に通らなかったのかよく考えてみてください。
その答えは、具体的にどのように事業を進め、拡大していくかの手順がはっきり示されていなかったということになります。
準備段階から事業進行、発展に至るまでの道のりが詳しく提示されていないといけません。
そこでもう一度内容を改めます。
・世の中のためでもあり、需要も大きいが、まだ取り扱っている企業が少ない物に対応できるシステムであること
・長い目で見ていること
・多方面に目が行き届いていること
・根本的な取り組みをすること。
これらの要素を上手に取り入れて、事業計画書を作成してください。
4.事業承継後に会社をどうするかを文書にまとめよう
起業したばかりの会社か、後継者が後を継いだばかりの会社かによって、銀行の対応がちがってきます。
事業承継をしたばかりの会社では、以下のポイントを押さえておきましょう。
・後継者はどのような地位に就くのかやこれから組織をどう組み立てていくのかの具体案
・事業方針をどうしていくのか
・事業を拡大していくのかの計画
・現社長の地位はどうするのか
・現社長が退任した場合の対応はどうするのか
・昔からいる幹部や幹部の一族をどう取り扱っていくかの見通し
事業承継後には、いろいろと頭をひねることが多くなりますが、それらを文章にまとめて提出できるようにしておきましょう。
まとめ
融資の審査に落ちてしまった方は、確実に何かに問題がありました。
その問題を解決することが出来なければ基本的に融資を受けることができませんので、何が問題だったのかをしっかり考えましょう。
問題解決が出来れば、融資を受けられる可能性はありますよ!
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