ひと昔までは「営業は根性と気合いで勝ち取るもの」、とよく言われたのもです。
実際に仕事を遂行する上で、メンタルも非常に重要なのは確かですが、実は営業のコツをきちんとつかめば、精神論に頼らずに結果を簡単に出せすことは可能です。
そこでこの記事では、トップセールスマンも活用している、営業で結果を出すためのコツをお伝えしていきます。
売れない声、売れない呼吸をしていないか
営業トークの基本は、相手の心を動かすフレーズをどれだけ相手に届けられるかにあります。
そのため、聞き流されたくないフレーズを発するときの声は、通常より少し大きく、ハッキリと言うことが鉄則です。
それ以外の話は少し早口が良いとされていますが、呼吸まで速くなるとウソっぽく聞こえてしまい、クロージングでは特に警戒される可能性がありるので、声のハキハキ感や強弱と同時に、呼吸も確認してみましょう。
確認の際にはICレコーダー等を活用し、自分の声を録音して後で聞いてみるといいでしょう。恥ずかしさや違和感を覚えるかもしれませんが、確認ツールとしては最適です。
また、日頃からカラオケで声を出す練習をしたり、直接ボイストレーナーに習って声の出し方を覚えるのもいいでしょう。
営業資料やパンフレットの見直しと改善
継続的にアプローチをしているお客様を定期的に尋ねたいけど、新しいネタもなくて困っている場合には、営業資料やパンフレットを見直してみることも重要です。
上手く説明できない箇所はなかったかを中心に、実際に営業している状態をイメージしてチェックしてみましょう。
営業資料やパンフレットの補助説明資料(手作り)を変更することは、お客様の「資料のマンネリ化」を防ぎ、新たなる訴求を喚起できるツールとなる可能性があります。
安心が慢心になっていないか
受注後のアフターフォローをかねて、顧客の巡回(定期的コンタクト)を強化してみましょう。
追加受注は、新規受注よりクロージングのスパンが短いとされています。
商品やサービスを購入するということは、信頼関係が出来ているからに他なりませんが、定期的コンタクトは顧客に「何かあった時は相談してください」という安心感を与え、リピート率を上げる結果にもなります。
ポイント化で営業に「遊び」を導入
例えば、電話でキーマンと話が出来れば1ポイント、初めての訪問で雑談が出来れば2ポイント、プレゼンが出来れば3ポイント・・・とポイントをつけ、営業に遊びを導入してみるのもおすすめです。
ポイント化は、受注サイクル(受注までに何回訪問し、どの様な営業活動をしたか)を記録することにもつながり、点数を確認しながら訪問スケジュールの効率化や、改善策を見つけるヒントが生まれるかもしれません。
また、クレーム処理や予定外の行動など、営業成績に不利益な行動はマイナスポイントにしてみるのもいいでしょう。
定期的に気分転換する
気分転換は、営業成績の好調、不調に関わらず非常に重要です。
特に好調時は、仕事も詰まり気味で順調感を感じているかもしれませんが、同時に不調になる要因も育んでいるものです。
営業手法が画一的になりやすく、こなし仕事になってしまうこともあり、売れないスパイラルは、好調時から「いつのまにか」始まったりもするものです。
いつも良い状態をキープするために、定期的に気分転換を行って、違う角度や目線から自分や営業手法を見つめ直して見るといいでしょう。
手馴れた趣味などで気分転換をするだけでなく、経験したことのない事にチャレンジしてみたり、一流のホテルやレストラン等で一流のサービスを体感してみるのもオススメです。
自分より売れている営業に聞く
会社の内外を問わず、自分より売れている営業に会ったら、日頃感じている事を聞く習慣をつけましょう。
自分とトップセールスマンの違いを知るためには、実際にその人に聞いてアドバイスしてもらったり、営業風景を見してもらうのが一番です。
プライドや申し訳なさを感じるかもしれませんが、それはあくまでも一時の感情で、アドバイスのおかげで実績が伸びれば「良かった」と思う日が必ずきます。
営業トークや顧客管理術、営業推進、仕事の整理術など、自分が改善したいポイントを質問してみてください。
新しい発見や実施してみたくなる改善ポイントを見つけ、あなたにあったものは取り入れて、営業スキルを伸ばしましょう。
数字に挑んでいるか
営業に馴れてくると、「新規開拓に力をいれる」「顧客フォローから高リピートで売上げに」など、自分自身を納得させて無難な営業目標を設定してしまいがちです。
しかし営業は行動。行動はモチベーションです。
妥当な目標では、「これをやる時間は今しかない!」から「後でもいいか・・・。」と行動とモチベーションが低下しかねません。
少しだけ高い目標を設定することで、「前年同様の動きでは達成できない」という問題意識が生まれ、試行錯誤する気持ちが生まれてきます。
数字に挑んでいく姿勢こそが、営業の最大の成長薬とも言えるでしょう。
褒める力の強化
「営業は商品を売る前に自分を売り込め」とよく言われます。自分を売込む(人から好かれる)のに必要不可欠なコミュニケーションとして、「相手を褒める」ということがあります。
人間関係を円滑にする秘訣ですが、褒めるのは苦手という人が多いのも事実です。
そんな人に試してもらいたいのは、「成果を褒める」「プロセスを重視して褒める」「人柄を褒める」という3つのカテゴリから相手を褒めるということです。
よく「環境(会社)」を褒める人がいますが、勤務しているからこその苦労は分かりませんので、熟練しないと効果が薄くなってしまいますので、この3つのカテゴリから行ってみましょう。
相手をその気にさせる心理学的アプローチ
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実は、トップセールスマンの共通点として、「心理学を上手く活用している」ということがあげられます。
心理学を応用することで、不信感を取り除き「信頼感」を与えること、お客様に「欲しい」と思わせること、実際に購入に踏み切らせる、この3つを確実に手助けしてくれます。
では実際にどのようなテクニックがあるのか見ていきましょう。
フット・イン・ザ・ドアテクニック
このテクニックは、文字通り、「ドアに足を引っ掛ける」という意味で、1回目の「Yes」をもらうためのテクニックです。
人間は、話に「Yes」を積み重ねると、最終判断も全て「Yes」となってしまう傾向にあるため、この最初のステップで「Yes」を取ることが営業活動では非常に重要なポイントとなります。
訪問営業では「話初め」、セールスレターでは「キャッチコピー」に該当するところで、優秀なセールスマンやコンサルタント、コピーライターは、出だしをどのようにするかに全精力の40%を使用しているとも言われます。
営業トークで使う場合は、「1分だけお時間いただいてもよろしいですか?」「電気代がタダになるのですが、お話だけでもいかがですか?」というように、相手に負担がほとんどなく、かつ続きを聴きたくなるような提案をして、承諾を得るよう方法が挙げられます。
メラビアンの法則
メラビアンの法則とは、平たく言えば接触回数が多くなれば多くなるほどその人が好きになるという法則を指します。
ここでの「接触」とは、単に訪問することだけではなく、ブログやメールマガジンなどの文章による接触でも構いません。
そのため、注意喚起段階ではメールマガジンを徹底的に活用する企業が多いわけです。
なお、接触方法もランクがあり、訪問や電話など、1対1のコミュニケーションの場合はポイントが高く、メールマガジンやブログなどの1対多のコミュニケーションはポイントが低くなるということがあります。
しかし、大切なことは頻度を増やすことで、毎日接点があるのと、1週間に1回の頻度では大きな差があるという結果報告もあります。
カリギュラ効果
近年、「~しないでください!」というようなキャッチコピーをよく見かけるようになりましたが、実はこれも心理学を応用して作られらものです。
有名なものに「ピンクの象を想像しないでください」というフレーズがありますが、この言葉を読んであなたは「ピンクの像」を想像してしまったはずです。
人は、禁止された行為に対して「知りたい、やってみたい」という興味関心を引くことがあり、それを言葉で表現すると脳が反応してしまうことを利用したのがカリギュラ効果です。
営業トークの見直しで、カリギュラ効果を盛り込んでみると、印象深いつかみトークが実現できるでしょう。
スノッブ効果
スノッブ効果とは、平たく言えば「特別扱い」のことです。
たとえば、「あなただけに3か月で10Kg痩せるための特別な●●を教えます。」といったようなもので、人は誰しも自分自身のことを「特別」とどこかで意識しており、その特別感を刺激することにより興味を引き立てるというものです。
ただしこの心理法則は、すでに顧客として信頼関係がある場合のみにしか通用せず、全く人間関係のないところからこのような提示をされると逆に警戒されてしまいます。
そのため、あなたと信頼関係があり、かつ、不特定多数でない相手に使える手段として認識しておきましょう。
神話の法則
これは、神話と同様に商品やサービスにストーリーを作るという方法です。
神話の法則の基本は、主人公が使命感に基づき冒険し、苦労しながら最後には目的を達成するというものです。
商品やサービスを購入して問題解決をするというストーリーが一般的によく使われ、ホームページなどでよく見る「お客様の声」や「商品誕生の秘話」などがこれに該当します。
まずは、商品についてくまなく勉強してみてください。
そして、商品を使うことでお客様にどのような明るい未来が訪れるのかを、お客様を主人公にしたストーリで作ってみてください。
ドア・イン・ザ・フェイステクニック
最大限に欲しくなった顧客に対して、相手から断られるような金額提示をする、もしくは、相手から断られるような提案を一旦行い、実際の金額などを安く見せる方法です。
通信販売などでは、「10万円相当の商品ですが・・・今回は特別に29,800円でご提供します!」などと言ったものもこのテクニックの応用例です。
本来の金額の高さを記憶させ、解決策は簡単に手に入らないということをアピールし、次の購買段階へ導くためのテクニックです。
二者択一法
二者択一法は、文字通り最後に二つに一つを絞るという商品提示方法で、基本的な目的も二つあります。
一つ目は、「No」の選択肢を想定させないことです。
「買うか、買わないか」であれば「Yes」か「No」の選択であるため、選択肢に「No」が考えられますが、「「Aプラン」と「Bプラン」どちらにしますか?」といった二者を比較させることで選択肢が「AorB」となり、「No」の選択肢に対する意識を低くすることを目的とします。
もう一つは、人間の認知によるもので、4つ5つなどと選択肢があまりにも多すぎると、選択肢の絞り込みに頭が疲れ、結果的に「No」になってしまう傾向にあることから、選択肢を二つに絞ることで「No」の選択肢が出ることを防ぐためにこのテクニックを応用します。
締切効果
人は欲しいと思った物でも、実際に行動を起こすとなればいろいろなことを考え、買わない理由さえも作ろうとしてしまいます。
そこで、「○月○日まで、今だけ特別価格」「○日間の限定販売」といったように期限を設定することで、人はためらいを捨て思い切った行動を取ることがあります。
返品覚悟でも購買行動を起こす人を増やすための技術として「購入期限や期間限定」などを用いる訳です。
もしあなたの商品にもこのような限定性があるのであれば、実際にトークで活用する役立つでしょう。
損失回避バイアス
これはあまり聞いたことがない用語かも知れませんが、分かりやすく言えば「満足できなければ○○日以内なら返品可能」という、返品の保証を付けるものです。
人は、欲しいと思っても、どこかで「購入した物やサービスが期待に沿えなかったらどうしよう…」と考えています。
そこで、一定の返品を見込んででも一度は使ってもらうことを薦めるために、一定期日の返品と返金を受け付ける制度を設けるパターンがこれに該当し、昔は中小企業のみが使っていた心理法則ですが、最近は大企業でも活用しつつあります。
こちらも、あなたの営業商品に応じて使ってみてください。
バンドワゴン効果(活用例:共有)
「バンドワゴン」とは楽隊車のことで、にぎやかなところに人がついていくという心理です。
例えばたくさんの人が並んで行列を作っていたりすると、「この店は美味しい店だ」と認識するのと同じです。
インターネットの世界でも、商品を購入した消費者が口コミを書き込んだり、ブログなどにアップすることでさらに売れるということもこの効果です。
営業トークでも、「今期の売れ筋ナンバーワン商品です」「○○さんも使っています」など、商品がどれほど多くの人に使われているか言語化できると、大きな武器になることは間違いないでしょう。
まとめ
心理テクニックは相手や場面に応じて、複数のテクニックを組み合わせて活用することで、「Yes」の返事をもらうことができる確率が相当上がります。
最初は苦労するかもしれませんが、とにかくチャレンジして、失敗しても改善をすることで営業成績を上げることが可能となるので、ぜひ挑戦してください。
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