「私はあなた(DV夫・DV男)に殴られるために生まれてきたのではありません。」
DV夫に困っているときに必ず知っておきたい、DV夫の特徴と対処法についてお伝えしていきます。
DV(ドメスティックバイオレンス)とは同居関係にある配偶者や内縁関係との間に起こる「家庭内暴力」です。(意味を広げると「恋人間」「親子間」も含みます。)警察が公式発表する年度別被害認知件数は年々増加の一途をたどっています。
夫と結婚式で
「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くします」
と一緒に誓ったかもしれません。
しかし
「DVを受けとめ、これのDVに耐え、命ある限り殴られ続けることを誓いますか?」
とあったら、大声で「誓いません!」と叫びましょう。
まったく違う環境に育った男と女が、夫婦(内縁関係)として寄り添い生きると誓った中に、DVはあっていいことでしょうか?
DV夫の特徴をよく知れば、対処する方法が必ず見つかりますので、この記事を読んで一緒に闇から逃れましょう。
DV(ドメスティックバイオレンス)とは
DV(ドメスティックバイオレンス)とは、外の世界から遮断された「家庭内」という密室の中で、自分より弱いものに対して暴力に及ぶ行為です。
夫婦関係、恋人関係、親子関係、にあるから「DV」です。
その程度によりますが法律的に「暴行傷害罪」にあたります。
また、精神的なDVも存在します(モラハラと言います。)
今回は特に夫から妻へのDVについて解説していきます。
DV(ドメスティックバイオレンス)とは、関係性である
DVとは「ぶつこと・蹴ること」と言った行為ではなく、「関係性である」と理解してみましょう。
その関係性とは「パートナーへの尊敬のない主従関係」です。
DVとは、パートナーを支配して奴隷化してしまった主従関係のことを示します。
ですので、最終的にDVから逃れるためには、
①この関係性自体を断ち切る
②この関係性を改善する
と言うところにたどり着くことがわかってきます。
このような行為を行う人の特徴と、それがなぜ生まれて、どうしたら解決できるのか、さらに具体的にお伝えしていきます。
DV夫の特徴9つ
もしかしたらあなたは「DV加害者には『人を傷つける行為にともなう痛み』も『傷つけられた人の痛みを思いはかる心』もない。だからこそ、長期間にわたり何度も何度も継続して行えるのだ」と考えるでしょう。
きっとその通りだと思います。
ただし、それだけを考えるだけでは事態は前に進みません。
まずはDV夫の特徴を知って行くことから始めましょう。
暴力を正当化する
DV夫に「暴力行為ですよ!」と伝えても、大抵の場合、DVを行っている本人はその「暴力」を正当化してしまっています。
殴る理由は、なんと後付けで正当化しています。暴力行為を正当化するために後で考えています。
妻(同居する女性)がこうだから、こうしたから、といった理由を後で考えています。
暴力をふるったあとに、極上の優しさを見せる
暴力に及んでしまったのちに、感情が静まり冷静になってくると、「自分はもう拒絶されてしまったのではないだろうか」と不安が襲ってくるのです。
まだ自分を受け入れてくれるかどうかを確認したいために、このような行動に出ます。
また、DVなどなかったように普通の日常に戻ることも特徴です。
暴力に及んでしまったのちに、感情が静まり冷静になってくると、「DV」という事実を自分の記憶から消してしまいたくなるのです。謝れない性格とバツの悪さから、関係を円滑にするために日常を取り繕っているのではありません。
自分の犯してしまった事実の責任を考えたくないので忘れた!というだけの行動です。本当に記憶から削除されるケースもあります。
我慢しても耐えても無駄に終わることもあり、周囲が泣いていることにさえ気づかない。覚えていないことさえあります。
コミュニケーションが表面的で、本当の親友がいない
DV夫はコミュニケーションが表面的にしかできないので、自分の意見の表現のために「DVという行為」を行います。DV夫にとってDVは単なる「コミュニケーションの手段」でしかありません。
実は、DV男は、仕事ができたり、モテる場合も多いです。
DV男は「表面上の関係を構築」するのが上手くて、表面上は優しくて素敵に見えてしまったがために、結婚してしまう女性がいるのです。
しかし、表面的なコミュニケーションであるため、本音で妻と語り合えるわけではなく、本当の親友もいない場合が大多数です。
DV夫はDV家庭で育ってきたことが多い
DV夫は、幼少期に暴力を受けた場合も多いです。
刷り込まれた父親像が暴力を使うものであると、自分もパートナーを暴言や暴力によって思い通りに動かすようになってしまいます。
また、暴力を使った親を憎んでいたとしても、それを意識しすぎるあまり、パートナーに暴力を使ってしまうことがあります。
裏(内面)と表(外面)をはっきりと使い分ける
外面がいいので、周囲の人間からは「いい人ね」「優しい人ね」「穏やかな人ね」といった褒め言葉が多いです。
内面を絶対に外面に反映させないスゴ業を持っており、家庭内でDVが行われた場合、どれだけ世間に訴えても「まさかぁ」としか反応されません。
内面=外から遮断された密室=人目に触れなければ何をしてもいい!という考え方が育つ過程の中で潜在意識としてうえつけられているのです。
内面に触れる人間関係が成り立つ存在が、妻(同居する女性)だけとなってしまいがちです。
妻(同居する女性)は内面をさらけ出していい存在、妻だからDVは当たり前のことと認識してしまうことがあるのです。
妻を「モノ」扱いする
DV夫は妻を「モノ」扱いします。自分が傷つけている物が「人間」であると言う認識が足りなくなっています。
付き合っているときには優しかったという男も多いかもしれません。大抵の場合「結婚・同居」という「束縛する手段」を得たあとにDV男へと豹変します。
妻を「モノ」扱いする例
・「ごめんなさい」と「ありがとう」を言わない
・何をしているかイチイチ報告させ自由を奪う
・服装にとにかく文句をつけて管理する
束縛が激しい
DV夫は束縛が激しいです。
昔の恋愛話を聞きたがったり、メールの返信が遅いことを怒ったりする束縛。
さらには、家庭の中において、女性のテリトリーである台所、冷蔵庫の中、財布の中身ほか、逐一聞いてきて意見をする(ほぼクレーム)というのも束縛にあたりますね。
特技は責任転嫁!責任感がなく他人依存の傾向にある
DV夫は「責任」という言葉の意味を理解できていないことがあります。
遠くにいて「自分は何もしない」のに「決定権は俺さま」の人が多いです。
常に、頼りたい人間にとって「いてもいなくても関係ないところにしか待機しない」傍観者型。でありながら「決定権は俺さま」と、自分の存在を絶対だとしてしまうことがあります。
天気が悪い、世間が悪い、店員のマナーが悪いなど、日常から責任転嫁で精神の安定をはかるクレーマー的要素が強く見られます。自分が暴力に及んだ理由も、他人(妻または同居する彼女)に責任転嫁して考えています。
自分の感情を自分でコントロールできない
感情の起伏が激しく、暴力に及ぶスイッチがON-OFFとなるタイミングを周囲の人間が予測することは難しいです。
他人(妻または同居する女性)を意のままにすること=自分が他人をコントロールしているととらえており、そこからまた=自分自身をコントロールできている安堵と自信に置き換えます。
「してはいけない理由を理解する」「我慢すること」もことを学習しないまま、大人になってしまった場合があります。
DV夫への対処法
関係性から考える
DV夫への対処法を見ていきましょう。DVは関係性(パートナーへの尊敬のない主従関係)であると前半で伝えましたが、最終的にDVから逃れるためには、以下にたどり着くことがわかります。
①この関係性自体を断ち切る
②この関係性を改善する
いますぐ別れるべきか、別れないで耐えるべきか
DV夫と、簡単には別れられない理由もあります。
・子供 子供には優しいパパだから…。
・経済的に自立するのが困難である。
・周囲の理解と協力が得られず頼る人がいない。
・私がいなくなったら生きていけない…DV男への愛情を断ち切れない。
・この人は私を必要としている…DV男を救いたいという思いと愛情の混同。
このような場合も、これからお伝えしていくの対処法を参考にしていきましょう。
以下の場合は、気持ちを切り替えて、別れてしまいましょう。
・子供に手を出しているとき
・命の危険を感じたり、怪我をしそうなとき
・その他、耐えられない苦痛を感じたとき
子供にも暴力を振られている場合、子供のトラウマにつながりますので、別れるべきです。
命の危険を感じたり、怪我をしそうなときも、すぐにでも逃げ出しましょう(逃げ場がない人のためのDV被害者のためのシェルターもあります。)
DVを専門とする機関へ相談しよう!
「相談」することによって、今後の選択肢、今の状況下で準備しておくこと、警戒しておくことなどの助言をしていただけます。
いざというときのために、相談の記録を残しておくことも大事です。DVという異常な状況を、自分だけの知識や思考で判断してはいけません!専門家の意見を仰いでください。
以下で相談が可能です。
・全国の警察も相談に乗ってくれます(後述)
・DV事案を専門とする弁護士(弁護士協会に問い合わせると紹介してくれます)
・全国のDV被害者支援団体
・女性の人権ホットライン (電話相談。匿名も可)
・配偶者暴力相談支援センター (電話相談。匿名も可)
交番の警察官はDV関係の相談は苦手です。警察に相談する場合は、警察署で相談すべきです。生活安全課の女性が親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
離婚を考える場合は、裁判で有利になるDVの証拠となるやり取りを記録しておくようにしましょう。
・相談後 → 支援
子供が一緒の場合は特にありがたい制度です。
職を得て、生活が成り立つまでの期間を支援してもらえる施設があります。
※現在保護されているDV被害者の安全保護のため詳細は非公開です。
世間体を気にして、大げさにはしないで解決して……などという要求は真に命の危険を感じているDV被害者の言葉には聞こえません。
更生させる覚悟がある場合
DV夫の更生は難しいですが、今からでも相手を更生させる覚悟がある場合は、更生手段もあります。
※ただし、夫が子供に手を出している場合や、命の危険を感じる場合などは、すぐにでも別れましょう。
相手を更生させたい時は、相手が100%悪いにせよ、とにかく「関係性」を解決するように努力をする必要があります。
そして、あなたから状況を変えようとしなければならないです。
また、専門機関にも相談しながら進めることをオススメします。
①「相手にDV加害者ですよ」と罪の意識を気づかせる
まずは、相手にDV加害者ですよと気づかせることが大切です。DV夫は、罪悪感が欠如している場合も多く、自分がDV加害者であるという自覚がある場合も少ないです。
②自分自身を責めない
自分自身を責めないようにしましょう。被害者のあなたが自分を責めること自体が、DVを引き起こす原因となります。
③相手から尊敬されるようにする
あなたがDV夫からナメられて尊敬されていないのでDVの被害を受けているとも言えます。もの扱いされるのは、相手があなたに人としての敬意を払っていないからです。家事や仕事、会話を通じ、相手からの尊敬を得られるようにしましょう。
ただし、DV夫からナメられずに尊敬を得ようとした時、DV夫のプライドを傷つけるとDV悪化の危険があります。ナメられないようにと言っても、相手の心を理解しながら、慎重に対処しましょう。
④互いに自立して尊敬できる関係性を目指す
互いに尊敬できる関係性を目指しましょう。家事や仕事などで、尊敬を勝ち取れるようにしましょう。さらには相手の存在を受け入れていることをしっかり伝え、互いに対等で尊敬できる自立した関係を構築していきます。
⑤話し合いの仕方
前もって、話す内容をまとめてから、話し合いましょう。
遠回しに本音を伝え合うことも有効です。DVを行う相手の友人、家族に相談し、遠回しに、なぜDVをするのか、夫婦関係を自分はどのようにしていきたいのか、思いを聞いてもらうようにしましょう。
家族にDVを話したことがバレるとまた暴力を振られる可能性もあるので、この点は相手の家族とも事前に口裏を合わせておきましょう。
いずれにせよ、まずは、専門機関に一度相談することが有効です。
・全国のDV被害者支援団体
・女性の人権ホットライン (電話相談。匿名も可)
・配偶者暴力相談支援センター (電話相談。匿名も可)
リアルタイムで通報する
DVを受けたら、現場から、リアルタイムで通報することも非常に有効です。
スマホを取り上げられてしまうような場面なら、110番を発信して、DV男の死角になる場所にスマホを隠しておくだけでもいいのです。
通話状態となった電話口から聞き取れる現場の状況を判断したら、GPSで位置情報を把握し、現場近くに待機する警察官がすぐさま駆け付けてくれます。
警察が現場に介入すると、DVは傷害事件として扱われるようになります。現行犯逮捕も可能です。
その後も「相談」の段階では介入できなかった実質的対応にかわります。
メディアで「警察の対応が……」と取り上げられることも多いですが組織である以上、どの段階でどんな対応がとれるかについては、段階に応じて限界があって当然です。
だからこそ、救ってもらいたい被害者側には、明確に訴える、詳細に伝えることが大切であるということを念頭に置きましょう。
・通報後 → 隔離
住民票をたどって追ってこられないように戸籍を非公開にするなどあらゆる不安要素を万全の体制をもって隔離してもらうことも可能です。
今すぐできること「その場を逃げる」
まずは、自分の身の安全を最優先に考えましょう。
屋外に出る、人のいる場所に逃げ込むなど。
DVに立ち向かってはいけません。DVの発生要因が理不尽な以上、その場一瞬でDVの消滅に効果のあるものなどないのです。
何よりも、その瞬間での、自分の身の安全を最優先に考えましょう。
まとめ
一生にたった一枚しか描けない「自分だけの絵」を完成させるとき、「DV被害者」というピースは必要ありません。DVに苦しんでいるDV被害者の皆さま。我慢しないでください。関係性を断ち切る勇気を持ち、または、関係性を改善するきっかけを作る努力をしていきましょう。
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