デトックスーよく聞く言葉ですが、具体的には何をどうすれば良いのでしょう?
実はよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。
身体が毒素や老廃物を溜め込んでしまうメカニズムから、効果的なデトックス方法まで徹底解説します。
デトックス効果って何?
何となく身体がスッキリしない、最近ちょっと便秘気味で肌の調子もイマイチ…。「そんなときはデトックスが効果的!」エステサロンやサプリメントのうたい文句でよく聞かれる言葉ですよね。
身体の中の毒素や老廃物を排出するというデトックス効果。
サウナや岩盤浴で、汗をかくのもデトックスだし、サプリで便秘解消もデトックス、食事療法や断食もあるし、実に種類が豊富です。
ダイエット法の一種?それとも健康法?デトックス効果ってよく聞く言葉だけど、実はよくわからないという人も多いのではないでしょうか?今回はそんなデトックスについて徹底解説します。
デトックスとは
デトックスの英語表記は「detox」。
「detoxification」の略で「解毒」を意味する言葉です。
アルコールや麻薬中毒の治療にも使われる言葉ですが、ここでいうデトックスとは、体内に溜まった毒素や老廃物を排出し本来の身体の機能を取り戻すという健康法のことです。
私たちが普段食べてい食品の中には、農薬や保存料などなんらかの「人工合成化合物」が含まれています。
基本的に「身体に害がない」と言われるものですが、長期的な使用については、解明されていないものも多くあります。化粧品など肌に直接触れるものも同様です。
また、排気ガスやダイオキシン、タバコの煙など空気中にも有害物質が含まれています。
このように私たちが生活してる上で口・鼻・皮膚などから知らず知らずのうちに取り込んでしまっている有害物質は様々なものがあります。
この溜め込んでしまった毒素を解毒・排出させることで、本来の身体の機能を取り戻し健康や美容に役立てようとするのが、デトックスです。
デトックスの歴史
デトックスは、もともと1960年~70年代のアメリカで、戦争の化学兵器の影響で後遺症を負った人たちを救うためにスタートしたと言われています。
その後、一般に人々に向けての研究が広まり、今のブームに繋がっています。
「解毒」という考えそのものの歴史はもっと古く、古代エジプトが発祥といわれるアロマテラピー、インドのアーユルベーダ、中国の漢方医学なども「体内の余分なものを取り除けば、健康を取り戻すことができる」という考え方が根底にあります。
デトックスとは、新しい健康法ということではなく、古来から人が自然に取り入れてきた健康法の1つになります。
主な有害金属と身体への悪影響
「何となく身体がだるい」「疲れやすい」など、病気というほどではないけれど体調が悪いと感じるのは、有害物質が身体に溜まっているせいかもしれません。
特に有害金属は排泄されることがなく、体内に蓄積していきます。
多量に摂取した場合は、中毒症状を引き起こすこともあります。
また、有害物質が体内に入ると、活性酸素が活発に働くようになります。
活性酸素の増加は、身体を酸化させ老化を早めることになってしまいます。
体内に悪影響を及ぼす有害金属は、私たちの身近なところにも多数存在しています。
例えば、殺虫剤、除草剤、虫やねずみの駆除剤などには、タリウムやヒ素が含まれていて、多量に吸い込めば筋肉痛や疲労感、アレルギー症状、皮膚炎などの原因になります。
農作物や土壌にはカドミウムが含まれていて、貧血や血圧の上昇を引き起こします。
ペンキや顔料、古い水道管には鉛が使わているものがあります。
鉛は、子どもの脳の発育に、深刻な影響を与える可能性があるとして、世界的にも規制の動きが強まっています。
この他、化粧品、農薬、大型魚などに含まれている水銀は、めまい、しびれ、頭痛、難聴、倦怠感、うつ症状などの症状を引き起こすと言われています。
体内毒素排出のメカニズム
体内毒素排出のメカニズムは、便として排出されるものが全体の75%、尿が20%、その他汗3%、毛髪や爪から排出されるのが2%と言われています。
毒素のほとんどは便として排出されるので、デトックスを効果的に行うためには、まずは腸内環境を整えることがおすすめです。
便秘がちな人は、食物繊維や乳酸菌など腸の動きを活発にする、食品やサプリなどを積極的に摂取するようにしましょう。
デトックスの効果・5つ
身体の中の毒素を排出させるデトックスは、下記のような6つの効果があります。
1.新陳代謝を活発にする
活性酸素の働きを抑え、老化予防、美肌効果に繋がります。また基礎代謝が上がれば、痩せやすい身体になり、ダイエットの成功率もアップします。
2.血液やリンパの流れをスムーズにする
血管のつまりは重大な疾患に繋がります。血液の流れをよくすることで、生活習慣病を予防できます。また、リンパの流れを改善することでむくみ・肩こりなどを解消できます。
3.免疫力を向上させる
免疫力の向上は、風邪などの感染症を防いだり、アレルギー症状を抑える作用があります。
4.腸など内蔵機能を高める
便秘を解消し、不要な物質の排泄力を高めます。必要な栄養素の吸収率も高まります。
5.自律神経を正常に働かせる
不眠や倦怠感、ストレスを解消します。また、アレルギーも起こしにくくなります。
デトックスに有効な方法・8つ
発汗
体内毒素の排出という点では、汗からの排出量は全体の3%。
それほど多くはありません。でも、サウナなどで大量の汗をかくと「スッキリ」「さっぱり」した感じがしますよね。
血行が促進され、肩こりやむくみなどの改善や安眠効果によるストレス解消も期待できます。
また、岩盤浴、ミストサウナ、ゲルマニウム温浴による発汗は、皮脂腺が活性化され、毛穴の奥深くに詰まった汚れや古い皮脂などの、老廃物を除去することができます。
また、普段使っていない汗腺も刺激されるため、天然の保湿成分を含む良質の汗をたっぷりかくことができます。自宅であれば、足湯や半身浴を行うのも効果的です。
食事療法
解毒作用が高い食材を食事に取り入れることもデットクスには有効です。
例えば、タマネギ、ニンニク、ニラ、ネギ、ほうれん草、アボカドなどは血液の流れをスムーズにし、新陳代謝を高める効果があると言われています。
また、ハーブやスパイスにもデトックス効果が高いものがあります。
ハイビスカス、ダンディライオン(西洋タンポポ)エルダーフラワー、ジュニパーベリーなどは発汗作用や利尿作用が高く、ハーブティなどで摂取するのがおすすめです。
スパイスでは、チリ、ターメリック、ジンジャー、コリアンダーなどは、利尿・発汗作用のほか新陳代謝を高める効果や腸内環境を整える作用があります。
これらの食材を上手に利用し、食生活にもデットクスを取り入れてみてください。
運動療法
運動によるデトックスでは、ヨガやピラティスなどがおすすめです。呼吸法や瞑想などが神経に働きかけ、精神面でのデトックス効果も期待できます。
中でもホットヨガはおすすめです。温度39度、湿度60%に保たれた室内で行うため、発汗作用が高く、筋肉に負担をかけることなくトレーニングが行えます。
サプリメント
毒素を排出するためにサプリを利用するのもおすすめです。
腸内環境を整えるにはフラクトオリゴ糖。胃で消化されずに腸までとどき、悪玉菌をやっつけるビフィズス菌のエサになります。
ビタミン類では、ビタミンB1は炭水化物の代謝を促進し、便秘の解消や消化に役立ちます。
ビタミンCは老廃物の排出、ビタミンEには血行を促進し、老化を防止する作用があります。
この他、解毒作用があるサプリとしては、Lカルニチン、αリポ酸、フィトケミカルなどが有効で、体調を整えるためには、アミノ酸、ミネラル類などがおすすめです。
水をたくさん飲む
人間は、排尿や発汗などにより1日1.5リットルの水分を排出すると言われています。
デトックス効果を高めるためには、1日に最低でも1.5リットル、できれば2リットル以上の水を飲むのが良いと言われています。
水道水そのままでは塩素が含まれているため、あまりおすすめできません。
ミネラルウォーターや浄水器を通した水が良いでしょう。
「2リットルはなかなか飲めない」という人は、朝起きた直後と夜寝る前にコップ1杯の水を飲むことから始めてください。
水分を適切に摂取することは、腸へ刺激を与え代謝を促進させる効果があります。
腸内環境の整備
体内毒素の75%が便から排出されるわけですから、腸内環境を整えることが、デトックスには最も有効な方法です。
腸内環境を整えるためには、まず便秘を解消すること。
腸に便が溜まっていると、悪玉菌が増殖し毒素が溜まっていきます。毒素が溜まれば排便の機能も弱まり、さらに便秘が進むという悪循環に陥ります。
便秘は、膨満感などの不快な症状だけではなく、肩こり・腰痛、肌荒れや吹き出物の原因になります。さらに悪化すれば、ガンやポリープの原因にもなりかねません。
便秘解消のためには、食物繊維を多く含む食品と十分な水分を摂ること、適度な運動を心がけることなどがポイントです。サプリを利用するのも良いでしょう。
アロマテラピー
アロマにもデトックスに利用できるオイルがあります。
アロマテラピーを自宅で行うには、ディフューザーなどを使うのが一般的ですが、お湯を入れたマグカップに、精油を数滴垂らして吸引する方法や、植物性オイルに数滴混ぜてマッサージする方法などがあります。
便秘解消にアロマを利用するなら、オイルに混ぜてお腹回りをマッサージするのがおすすめです。
デトックス効果があるアロマオイルをあげておきますので、ぜひ参考にしてください。
・毒性物質を中和する作用があるオイル
オレンジスィート、グレープフルーツ、ジュニパーベリー、ブラックペッパーなど
・腸内のガスを排出させる作用があるオイル
カモミール・ローマン、ジュニパー、スイート・マジョラム、ネロリ、フランキンセンス、ペパーミント、ベルガモット、シナモン・リーフ、ジンジャー、フェンネルなど
・血流をよくする作用があるオイル
ジンジャー、ブラックペッパー、ベチバー 、シナモン、ジュニパーベリーなど
キレーション
キレーションとは、薬剤を使って身体の中から有害金属を排出させることで、病院で行われるデットクス治療です。
EDTAやDMSAなどのキレート剤を点滴により体内へ導入し、身体の中に溜まった有害重金属や活性酸素、動脈壁に溜まったカルシウムなどを、尿とともに体外へと排出させるという治療法です。
元々は、鉛中毒患者に対して行われる治療法でしたが、現在では動脈硬化の改善、脳梗塞の予防、心臓疾患などの治療方法として利用されたり、美容分野でも活用されています。
断食デトックスについて
健康志向の高い人や、ダイエッターたちの間でブームになりつつあるのが、断食(ファスティング)。
断食というと「一切の食事や水分を断つ厳しい修行」のようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、健康法としての断食は、食事について一定のルールに従い、その他のことは通常通りの生活を行うというものです。
1日だけのプチ断食や、週末の3日間だけ行う週末断食など様々な方法があり、自分のペースでチャレンジすることができます。
断食とデトックスの関係
人の消化器官は、毎日休むことなく働かされています。断食とは、この消化器官を休ませることで身体をリセットするというものです。
断食をすると、今まで消化に使われていたエネルギーは、内臓本来の機能を高めることに使われるようになります。
これにより、身体に溜まった有害物質を取り除いたり、毒素や老廃物を排出する力が高まるため、断食はデトックスにも効果的です。
断食デトックスの効果
断食デトックスには様々な効果があります。
・美肌効果
「肌は内臓を映す鏡」と言われています。毒素を排出し内臓機能が回復すれば、肌のトラブルやくすみも解消すると言われています。
・腸内環境をリセット
一般的に新しい食べ物が入ってこなければ、腸は3日でリセットすると言われています。善玉菌が増えて排泄力も高まることから、便秘解消や宿便の排出にもつながります。
・ダイエット効果
単純に食べないから痩せるというだけではなく、断食によって代謝が高まったり、排出の機能が高まることにより痩せやすい身体になります。また、摂取カロリーが減れば、身体は体脂肪をエネルギーとして消費し始めます。これにより体脂肪も減らすことが出来ると言われています。
週末プチ断食の方法
断食は、下手にやると命の危険に関わることがあるため、3日間以上の本断食を行う場合は、医療機関や専門知識がある人の指導の元に行う必要があります。
そこで、手軽にできる週末プチ断食の方法を紹介しましょう。週末プチ断食とは、1日目は準備食、2日目断食、3日目は回復食という形で、実際に食事を断つのは1日だけです。週末や連休を利用して手軽にできるので、短期ダイエットを目指す人や初めて断食にチャレンジする人におすすめです。
・1日目ー準備期
断食に向けて身体の準備をする日です。昼食から通常より食事量を減らし、7割程度にとどめておきます。夕食は半分程度まで減らすか、食事時間を早めておきます。胃に負担がかかるようなものは避けましょう。脂っこいもの、刺激物、アルコール類、タバコは厳禁です。
・2日目ー断食
食事は完全に断ちます。脱水症状に気をつけて、常温の水を1.5リットル~2リットル程度とるようにします。野菜ジュースや果物のジュース、ノンカフェインのお茶や酵素ドリンクなどでもOKです。断食中は激しい運動は禁止です。できるだけ室内で過ごすようにしましょう。
・3日目ー回復期
消化のよいものを食べて徐々に胃を普通の状態に戻していきます。朝食はおかゆ、昼食は消化の良いものを通常の半分程度。夜は普通に食べてもOKですが、できるだけ消化のよいものを食べるようにしましょう。
ソフト断食
まる1日断食をするのはちょっと…。という人には3食を低カロリー食材に置き換えて、ゆっくり腸内デトックスを行うソフト断食もおすすめです。
やり方は、朝はバナナとヨーグルト、昼はサラダ、夜はおかゆ、このメニューを3日間繰り返すだけです。
このメニューさえ守れば、量の制限はないのでバナナを何本食べてもOK。
おかゆを作るのが面倒ならサラダに替えてもかまいません。水分は、白湯やノンカフェインのお茶などで1.5リットル~2リットル程度摂るようにします。
腸によいと言われるものだけを摂り入れ、3日間かけて腸内をリセットします。
終了後は、腸が吸収しやすい状態になっているので、消化のよいものを少量づつ摂取し、徐々に胃を慣らしていきます。
ソフト断食でも、麻痺していた腸の動きが活発になり、排泄力が高まります。
また、普段過食気味だった人は胃が小さくなり小食が身につくようになるでしょう。
断食に比べて負担の少ない方法ですから、空腹感からくるイライラもなく心身ともにリセットできる方法です。
プチ断食を成功させるコツ
断食は、急に食事を断ってしまうと、消化液によって胃を傷つけたり、急に食事を戻すことで胃に負担をかけることになってしまいます。
徐々に食べ物を減らして、徐々に戻していくことがポイントです。
特に、回復期に過剰にカロリーを摂取することは、リバウンドにも繋がります。
せっかくの断食がまったくの無意味になるだけではなく、かえって太りやすい身体になってしまうことにもなりかねないので注意が必要です。
また、アルコール、タバコなども胃腸に刺激を与えてしまうので、断食中は禁止です。
欧米で人気の腸内洗浄とは
腸内デトックスの方法で、最も即効性が高いと言われているのが、腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)です。
腸内洗浄とは、肛門から水を入れて、腸に溜まった便や毒素を洗い流すという方法で、慢性の便秘や下痢の解消、ダイエット効果も高いことから、ハリウッドセレブやスーパーモデルの間で注目された美容法です。
欧米ではこれが急速に広がり、クリニックだけではなく、専門資格を持ったセラピストがいるエステサロンなどでも、処置が行えるようになっています。
最近日本でも、自宅でできる腸内洗浄キットが販売されるようになり、手軽な健康法の一つとして受け入れられるようになりました。
腸内洗浄のメリット
腸内洗浄の一番のメリットは便秘の解消です。
大量の温水を入れることで腸を直接刺激し、鈍くなっていた蠕動運動を活発化させます。水分を補給しながら行うので、下剤のように脱水症状を起こすこともありません。
また、浣腸では届かない、大腸の奥まで洗い流すことができるので、蓄積された宿便や老廃物を、排出させることができます。
増えすぎた悪玉菌も、同時に洗い流すことができるため、善玉菌が育ちやすい環境になり腸内環境が整います。
ダイエットや美容面でのメリットもあります。
慢性の便秘で悩む人は、体内に2~3㎏の便を溜めていると言われています。
宿便や滞留便が排泄されれば、それだけで体重が減ることもあるでしょう。
実際に腸内洗浄を行った人の感想でも、「お腹がペタンコになった」や「ウエストが細くなった」のようにダイエット効果を実感している人もいます。
また、腸の内壁がきれになるので、水分吸収力が高まり新陳代謝も活発になります。このため美肌やアンチエイジングにも効果的と言われています。
クリニックで行う腸内洗浄
腸内洗浄は医療行為にあたるため、できれば医療機関で行うことをおすすめします。
内科・胃腸科・肛門科、美容クリニックなどで治療を行っており、費用は保険外診療となるため1万円~2万円程度のところが多いようです。
では、クリニックで行われる一般的な腸内洗浄の方法を紹介しましょう。
1.問診のあと水分補給をしてベッドに仰向けに寝ます。
2.大腸全体をマッサージし、腸のツボを刺激します。
3.横向きになり、潤滑油を塗ったスぺキュラ(専用のチューブ)を直腸に5㎝~6㎝程度まで挿入します。
4.スペキュラに排水ホースを取り付け、再び仰向けに寝ます。
5.37℃程度の殺菌温水を腸内に流し込みます。腸内に入った温水は腸内の老廃物とともに排水ホースから排出されます。注水・排水のサイクルは1回5分程度で、マッサージ、注水・排水のサイクルを5~6回繰り返します。
6.最後に個室トイレで残った水と便を排出します。
クリニックで行われる腸内洗浄は、痛みや臭いといった苦痛を感じることはほとんどなく、リラックスした状態で治療を受けることができます。
所要時間は、問診や準備の時間を含めて1時間程度かかるでしょう。
腸内洗浄のリスクと注意点
デトックス効果が高く即効性がある腸内洗浄ですが、自分でやる場合はリスクや注意点があります。
安易な気持ちで腸内洗浄を行うのではなく、これらのリスクを認識した上で慎重に行うようにしましょう。
・腸を傷つける危険性
腸にチューブを差し込む際に、腸を傷つけてしまう可能性があります。また、正しく洗浄が行われなかった場合は大腸の機能が低下したり、感染症や出血による炎症などを起こす可能性があります。自宅用キットを使用する場合は、医療機器認定を受けたものを選び、定められた使用法を厳守するようにしましょう。
・処置後の食事に注意
腸内洗浄では、腸の悪玉菌だけではなく善玉菌も一緒に排出されてしまいます。そのため多くの病院では、ビフィズス菌などのサプリを処方し、処置後の食事指導まで行っています。処置後に暴飲暴食をすれば、逆に腸内環境を悪化させる原因にもなりかねないので注意しましょう。
・やりすぎは禁物
頻繁に腸内洗浄を行うと腸の免疫力が低下したり、排泄機能が低下してしまう可能性があります。薬剤等を使うわけではないので、腸内洗浄そのものに常習性はありませんが、処置後のさっぱり感がやみつきになり、何度も繰り返してしまう人もいるようです。2~3か月に1回程度にとどめておきましょう。
デトックス効果のある食材・9つ
肝臓と腸を強くし、働きを促す食材を食べる事がベスト
デットクスのメカニズムでも説明したとおり、身体の毒素や老廃物のほとんどは、便と尿から排出されます。腸には排便のための機能があり、肝臓は解毒の機能があります。デトックスを効果的に行うためには肝臓と腸の働きを活性化させることが重要です。
断食や腸内洗浄も有効な方法ですが、毎日できるわけではありません。毒素を溜めない身体にするためには、腸と肝臓の働きを促す食材を活用し、食生活から改善していきましょう。
白湯
白湯とは、沸騰したお湯を冷ましたもの。
「ゆざまし」とも言いますね。単なるお湯でデトックス?と不思議な気もしますが、実は白湯には秘められたパワーがあるのです。
インドのアーユルベーダでは「白湯を飲むことで身体のバランスが整えられる」との考えから、消化剤として日常的に飲む人が多いそうです。
デトックスには水分を摂ることが重要ですが、冷たい水は身体を冷やし、内臓の機能を低下させてしまいます。
その点、温かい白湯は内臓を温めてくれるので、基礎代謝が上がります。
また、消化を助け、胃や腸の毒素や老廃物を洗い流す効果もあります。もちろんノンカフェインですから、血行を妨げることもありません。
正式な白湯とは、水道水をヤカンで沸かし、10分以上沸騰させてから50℃程度に冷ましたものです。
10分以上沸騰させることで、水道水に含まれる塩素などを気化させることができます。
もしあれば、鉄瓶を使うのがおすすめです。女性にとって重要なミネラルである鉄分が含まれ、白湯の効果がさらにアップします。
飲むタイミングは、朝と寝る前。朝は朝食の30分前に1杯。
胃腸を目覚めさせ朝食の消化を助けます。就寝前の1杯は、内臓を温め胃腸の動きを活発にすることで翌朝の排泄をスムーズにしてくれます。
リラックス効果もあるので、ゆっくり眠ることができるでしょう。
レモン
レモンに含まれるクエン酸には、代謝をアップし血行を促進する効果があります。
またビタミンCは殺菌効果が強いため、体内の毒素を排出してくれます。
白湯にレモンを入れて飲むのもおすすめです。
ただし、レモンの皮には農薬やワックスが付着いているため、無農薬のものを使うか、よく洗ってから使用するようにしましょう。
ベリー類
ストロベリーをはじめとする、ブルーベリー、ラズベリー、クランベリー、などのベリー類には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
また、ポリフェノールなどの抗酸化物質も含まれているため、腸内環境を整え、アンチエイジングの効果も高いという共通点があります。
クレソン
肉類の付け合わせなどによく使われるクレソン。実は「最強の野菜」と言われるほどの様々な効能があります。
ビタミンA、Cが豊富で、血液の酸化防止や貧血防止の効果があります。また、クレソンの辛み成分であるシニグリンには、利尿作用や動物性脂肪の消化を助ける働きがあります。
この他、カリウムやカルシウムなども豊富に含まれいることから塩分を排出し、高血圧の予防にも良いと言われています。殺菌効果もあるので、デトックスにはおすすめの野菜です。
リンゴ
リンゴには食物繊維やビタミンが豊富に含まれています。
特に、リンゴの食物繊維であるペクチンには、コレステロールの吸収を抑え、特に悪玉コレステロール値を下げる効果があります。
また、アントシアニンやプロシアニン、フロリジンといった抗酸化成分が含まれているので、肝臓の働きを助け、体内に蓄積した不要な毒素を排出してくれます。
玄米
玄米には、ビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、リンなど、ビタミン、ミネラルがバランス良く含まれています。
また食物繊維の量は、白米の7倍以上です。
さらに玄米には、フィチンという成分も含まれていて、これが体内に入るとフィチン酸に変わります。
フィチン酸は、食物繊維より強力な毒素排出効果があり、身体の中のあらゆる毒素を排出してくれます。
生姜
身体を温める効果があるとして、ハーブティや漢方薬などによく使われているのが生姜です。
生姜に含まれるシンゲロールには、殺菌作用、免疫細胞を活性化、胆汁の分泌を促進、抗炎症作用などがあります。
シンゲロールを加熱すると、ショウガオールという成分に変化しますが、これには身体を温める効果があります。
また、生姜は胃腸の内壁に血行を高める作用があるため消化を促進し、さらに、ジンジベインという酵素が、胃腸の負担を軽減してくれると言われています。
キャベツ
キャベツにはビタミンCの他に、ビタミンKやビタミンUといった、珍しいビタミンが含まれています。
ビタミンUとは、別名キャベジン。
胃酸の分泌を抑え胃の粘膜を守る作用があり、胃腸薬の名前になるほど効能が高い成分です。
また、フィトケミカルの一種であるスルファラフォンや、解毒作用が強いグルタチオンといった、抗酸化物質も含まれています。これらの成分は肝臓に働きかけ、体内に溜まった毒素を排出してくれます。
ガーリック
疲労回復や滋養強壮のために、ガーリックを食べるという人は多いですよね。
古来から薬として重宝されてきたニンニクには、疲労回復以外にも様々な効能があります。
ニンニクに含まれるアリインというアミノ酸は、肝臓での脂肪代謝を高め、脂肪燃焼を促進する効果があります。このアリインという成分は、すりおろしたり、つぶしたりすることで、匂いの元となるアリシンに変化します。
アリシンには、風邪や気管支炎の原因となる、連鎖球菌やブドウ状球菌なども殺すほどの強力な抗菌・抗カビ作用があると言われています。
まとめ
いかがですか?「何となくすっきりしない」「肌の調子が悪い」「疲れやすい」など、特に病気でもないのに身体が不調だと感じるのは、知らず知らずのうちに、身体に毒素を溜め込んでいるからなのかもしれません。
断食や腸内洗浄などで、一気にデトックスする方法も良いですが、生活のリズムを整えることや食事内容を見直すなど、普段の生活から改善していくことで、毒素を溜めない身体づくりをしていくことも重要ですね。
デトックスには様々な方法があります。自分にあったやり方で心と身体をリセットしましょう!
コメント