銀行と信用金庫の役割(目的)は異なっているということをご存じでしょうか?
それぞれが異なる理由を豆知識として覚えておきましょう!
1.銀行と信用金庫の異なった目的
銀行と信用金庫は金融サービスを提供する部分では、ほとんど同じです。
組織の構造が違っていて銀行は株式会社で、信用金庫は会員の出資で成り立つ共同組織です。株式会社は利益を追求して、投資した株主に還元することを目的にしています。
信用金庫は利益優先を目標に掲げずに、地域社会と所属会員に利益を還元するのが目的です。
2. 銀行と信用機関の地域性の差
地方銀行の中には地域性を意識して営業活動をしているところもありますが、それを除いた銀行は地域に根付くような意識が乏しいです。
地域外の人でも口座の開設が可能で、融資を受けることもできます。
信用金庫は会員資格が明確で「営業地区内に住所または居所を有する者、事業所を有する者、事業所を有する者の役員、勤労に従事する者」と定められています。
その地域と何かしらの関係性がなければ、会員になれない仕組みで、銀行と比べても地域に対する意識の高さと存在の強さが分かります。
銀行は地域的な活動や事業に対して消極的で、信用金庫は積極的に取り組んで、地域内の存在を高めたり、利用者を増やす為の宣伝もしています。商店街の活性化を推進したり、観光スポットの紹介など地域の活性化を図る支援事業に力を入れています。
3.銀行と信用金庫では取引相手に求めるものが違うって知っていますか?
銀行は融資対象に制限を設けていないので、個人事業者や中小企業、大企業など幅広く、様々な個人や法人も顧客にしてます。
銀行は株式会社なので利益を追求する営利目的があり、大口の取引相手を優先させる傾向があります。
大企業は長年積み上げた営業実績と社会的信用度の高さで、先を見越した将来にも貸し倒れになる可能性が低いと判断されます。その為、利益を優先する銀行が大企業を優先するのは当然だといえます。その様な銀行が相手では個人や中小企業は融資を受けにくくなるので、信用金庫の存在が重要になります。
信用金庫は中小企業を主な取引相手にしていて、会員資格は従業員が300人以下と資本金が9億円以下の2つの条件があり、どちらか1つを満たした事業者に会員資格が認められます。会員でなくても融資を受けることは可能ですが、上限額は低く設定されます。
4. 金利と審査の違い
信用金庫は銀行と比較すると、僅かながら融資の金利が高い傾向にあります。
信用金庫 > 銀行 金利は、信用金庫がわずかに高い傾向あり!
これは不当に利益を追求している訳ではなく、顧客である中小企業との取引では、1件当たりの融資額が多くないからです。融資総額に比べて取引相手の数が多くなると、審査に掛かる人件費その他が増すので、高くなっている金利で補ってます。
信用金庫の審査は柔軟かつ迅速で、いざという時の小口融資にも対応してくれることで銀行との差別化を図っています。
5.銀行と信用金庫では、プロパー融資の上限が異なる!
銀行と同じように信用金庫にもプロパー融資が存在します。そもそも、プロパー融資とは貸し出しを行う金融機関が全責任を負って貸し出す融資のことを指します。
信用金庫の資金量はメガバンクなどの銀行と比較してしまうと劣ってしまうので、プロパー融資の際に貸し出せる上限は高くないです。もし年間売上高が5億や10億に上っているならば、運用資金や設備資金に何億も必要になってくることもあるでしょう。しかし、そのような多額の融資は信用金庫では不可能なこともあります。
事業が拡大してきた場合には信用金庫でなく地方銀行やメガバンクにも頼り始めた方がいいでしょう。しかし、だからといって信用金庫との関係を断ち切ってはいけません。信用金庫は銀行に比べて対応が親切で、少額の融資が必要になった際にも助けてくれます。
6.従業員が増えたら信用金庫は利用できない?
信用金庫が利用できるのは、従業員数が300人以下、または資本金が9億円以下のどちらか一方、もしくは両方を満たしている会社のみとなります。以前はこの条件に該当していたが、事業の拡大に伴ってこの条件から外れた場合には信用金庫から卒業する必要があります。
ただし、卒業生金融制度というものの存在のために、卒業したからと言って即座に信用金庫との関係がなくなってしまうわけではありません。
この卒業生金融とは、卒業して会員資格が消滅した事業者に向けた期限付きの融資のことです。会員だった期間に準じて5年、もしくは7年間の融資を受けられます。
7.ネットバンクは信用金庫より銀行が使いやすい?
ネットバンクの使い勝手はメガバンクと比較してしまうと信用金庫はやはり劣ってしまう可能性が高いです。全国各地からお客さんが集まるメガバンクはホームページの利便性にも力を入れていますが、信用金庫はそれほど力を入れていないところが多いです。
8.信頼性を確保するためには、決済口座は銀行にすべき!
知名度の点でも信用金庫はメガバンクには劣ってしまうため、2つともの口座を持っているのであれば、メガバンクを決済口座にした方が信頼性は強くなります。
まとめ
銀行、信用金庫には、それぞれメリット、デメリットがあります。
それぞれのメリットデメリットを理解し、上手に付き合っていくことで、倒産するリスクを軽減させることができるでしょう。
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