ある遺伝子に突然変異があると賢くなるかもしれない。
記憶や問題解決の能力を高める
カナダ、ブリティッシュコロンビア大学のアレクサンダー・マギル氏らの研究グループが、神経精神系の国際誌であるニューロサイコファーマコロジー誌において2015年8月17日に報告している。
研究グループは、ネズミの脳内にある重要なタンパク質「ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)」に関係する遺伝子の突然変異を特定。
突然変異のあるネズミの記憶や問題解決タスクの能力が優れていると突き止めた。
通常は不可能なタスクも突然変異があると取り組めると確認している。
突然変異があると神経の発達に違いが現れる。新たに生まれる神経細胞が多くなり、記憶中枢の神経細胞が他の場所の神経細胞と強く結び付くようになる。
ネットワークが強固になると見られている。
恐怖心がまひする不思議
悪い記憶を忘れる面があるのは興味深い。
通常は恐怖につながるような記憶をつけて、1週間後にテストしても通常と変わりがなかった。
不安が少ないと研究グループは説明する。
研究グループは、ホスホジエステラーゼ4Bに作用する薬が「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の治療に使えると想定する。
衝撃を受けて重い障害があっても、精神的な病気の発症を防ぐ可能性があるという。
注意すべき点もある。突然変異のあるネズミは、通常は避けるネコの尿を恐れなくなった。
恐怖心をまひさせる可能性がある。
研究グループは人での応用は遠いと見るが、可能性としては、認知症や精神的な病気を治すために使える可能性はある。注意点も併せて問題になってくるのだろう。
参考文献

Specific Inhibition of Phosphodiesterase-4B Results in Anxiolysis and Facilitates Memory Acquisition - PubMed
Cognitivedysfunctionisacorefeatureofdementiaandaprominentfeatureinpsychiatricdisease.Asnon-redundantregulatorsofintracellularcAMPgradients,phosphodiesterases(PD...

What ‘brainy mice’ can tell us about dementia and PTSD - UBC News
UBCscientistshavecreatedunusuallyintelligentmicebycausingamutationtoasinglegene.
コメント