アップル社のロゴ。単純でごく一般化したロゴも、正しく記憶している人はほとんどいないようだ。
思い出せる?
米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究グループが、心理分野の国際誌クオータリー・ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー誌に2015年5月号で報告した。
誰しも知らず知らずのうちに、有名なブランドの印象を製品や広告などから刷り込まれている。
ロゴはそんなブランドの印象を決める重要な要素になっているのは間違いないだろう。
メーカーにしても、ブランドのイメージを訴求する上で、ロゴを可能な限りインパクトのあるモノになるようにデザインする。アップル社のロゴもシンプルでよく知られるもの。
世界のあらゆるロゴの中でも知名度は高いかもしれない。
研究グループは、あらためてこの単純で、とりわけ普及したロゴを題材として、一般の人がどれくらいロゴを正しく認識して、記憶にとどめているかを検証することにした。
みんな「覚えている」
結果として、対象となった人のほとんどがロゴを正しく記憶できていないと分かった。
まず、アップル社のロゴを描いてもらったところ、正しくロゴを描けていたのは85人中わずか1人にとどまった。
なかなか覚えていると思っても、いざ描くとなると正しく描くことは困難というわけだ。
さらに複数の選択肢から正しいロゴを選んでもらったところ、ここでも正しく選べたのは半分にも満たなかった。
誰しも、「正しく描ける」と自信満々だったという。
実際に描いてみると、根拠のない自信は吹き飛んでしまったという。
アップルユーザーでも、そうでなくても変わらなかった。研究グループは、「人々は重要でないと思うと細部まで記憶しようと努力しない」と説明する。
まさに知らず知らずのうちにブランドの印象は心に刻み付けられているのかもしれない。
文献情報

The Apple of the mind's eye: Everyday attention, metamemory, and reconstructive memory for the Apple logo - PubMed
Peopleareregularlybombardedwithlogosinanattempttoimprovebrandrecognition,andlogosareoftendesignedwiththecentralpurposeofmemorability.TheubiquitousApplelogoisasi...
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