IT業界は他の業界に比べて、お金の流れがシンプルで分かりやすいので、税理士や会計事務所に頼まなくても、毎月の記帳や決算を乗り切れるのではないかと考える人が多いのが、IT業界の特徴です。
もちろん、事業規模が小さく取引先も雇っている社員もわずかな会社や、個人事業主の方であれば自分でもできるところが多いでしょう。しかし、複数の社員を雇っていたり取り引き規模が大きくなっていたりするのであれば、税理士などに依頼することを考えた方が良いでしょう。より効率よく経理を行えますし、必要な業務に専念できます。
また、お金と税金のプロだからこそできるアドバイスを受けられるので、経営面でも大きな助けになるに違いありません。
専門の税理士は業界特有の注意点も精通している
特にIT系に強い税理士であれば、この業界特有の注意点にも精通していますので、トラブルなく税務や労務を行っていけます。たとえば、不特定多数のユーザーを対象としてソフトを開発して、公開販売している場合と、特定の会社などと契約を結んで専用のソフトを開発して導入する場合とでは、売り上げ計上のタイミングが異なります。
また、この業界では小売業などにはない特徴として、個人のプログラマーやデザイナーに外注という形で仕事を発注することが多くなります。しかし、個人への発注の場合は会社間の取引とは異なるため、発注依頼した会社の方で源泉徴収を行う必要が生じるケースもあります。このように、微妙なポイントではありますが、その見極めは素人には難しく、プロフェッショナルである税理士の助けが必要になることが多々あります。そのためにも、税理士と毎月の契約を結んで税務会計をお任せするのが賢明と言えるでしょう。
税理士の顧問料の相場とは
月次決算をしてもらったり、逐次経営や経理のアドバイスを求めたりするには顧問契約をする必要があり、顧問料が発生します。他の業界とあまり変わらずIT業界でも、顧問料の相場は安定しています。
年商や会社の規模などによって異なりますが、年商1000万円から1億円の間であれば、2万円くらいの毎月の顧問料が相場といったところです。そして、年次決算に8万円くらいかかりますので、年間で計算すると30万円ちょっとくらいが一年分の相場となります。
IT業界に強い税理士はクラウドをうまく利用する
この業界のメリットの1つが、利益率が高いことや他の業界より支出が少ないことにあります。製造業のように高価な機械をそろえた上で、材料を買ってから製品を作るということをしなくても、人件費と少しの経費だけで利益を出せます。そのため、純利益の割に年商が少なめで済むので、税理士の顧問料も少なくて良くなります。
その分を、経営コンサルタントなどのオプションに回すことで、より的確な経営ができるようになり、さらに利益のでる経営ができるようになるのです。
また、IT系に強い税理士はメールやチャット、クラウドなどを上手に使って連絡や書類の受け渡しを行っているので、時間や手間をかけずに必要な作業を行えます。そのため、より効率よく税務会計が行えるというメリットもあります。
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