「ワンショット学習」の秘密の一端が分かったようだ。効率的な学習につながるかもしれない。米国の研究グループが、生物学系のオンライン専門誌であるプロス(PLoS)バイオロジー誌2015年4月号で報告した。
ワンショット学習とは
私たちが新しい知識を獲得するには、試行錯誤で徐々に学ぶ場合のほか、「ワンショット学習」と呼ばれる場合の2つの過程がある。ワンショット学習とは、ある出来事(刺激)に対し即座にその刺激と結果を関係付けて学習するもの。短時間で物事を学び取れるため、効率的な学習につながる可能性がある。脳がどのようにしてこの2つ異なる学習の手法を使い分けているか不明であった。研究グループは、この過程についてボランティアからデータを集めて検討した。
腹外側前頭前野と海馬が関係する
データを解析した結果、ポイントとなるのは、脳で複雑な思考に関係していた「腹外側前頭前野」であると確認した。さらに、記憶に関係していた「海馬」と連携。腹外側前頭前野は脳の前方部、海馬は脳の側面部に位置している。腹外側前頭前野が状況に応じて海馬に結びつける。必要に応じてワンショット学習のスイッチを入れると考えられる。研究グループは、効率的に学習を進める方法が見つかる可能性もあると見る。良い学びは可能?
文献情報
Neural computations mediating one-shot learning in the human brain - PubMed
Incrementallearning,inwhichnewknowledgeisacquiredgraduallythroughtrialanderror,canbedistinguishedfromone-shotlearning,inwhichthebrainlearnsrapidlyfromonlyasingl...
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