時々、インテリアショップはどうして家具や小物のバランスがいいのだろうと思うことがあります。それは店員さんがセンスや色の理論を上手に使って並べているからです。今回は、そうしたちょっとプロ目線を、普段のインテリア選びに取り入れてみませんか?
参考にしたいカラーホイール
上記の円形のカラーチャートを、カラーホイール(色相環)と呼びます。デザインの専門領域では、特定のカラーの変更が他のカラーにどのように影響するのか、といったことや、色を選ぶときの配色のイメージに使われます。
インテリアにおいても、好みの色で家具や小物をやみくもに選ぶのではなく、全体のまとまりを意識しながら選びたいもの。そこで、カラーホイールを見ながら、インテリアに活かしたい色選びについて学んでみましょう。
①変化をつけやすい色をベースにする
まず、色を選び取るときに前提としたいのは、柔らかいトーンの色を基本色として選ぶこと。ベースに幅のある家であれば、家族がその後いろいろな色の選択肢(カラーバリエーション)を使って好きにコーディネートをしやすくなります。
②色を取り入れていくときに考えたい3つの項目
実際にカラーコーディネートに入っていきましょう。
1)色合い:色の種類をどのように選ぶかです。
2)シェード:色にどれくらい黒味を取り入れるか、といった、お部屋のあかるさに関わるポイントです。
3)トーン:他の色を混ぜて、全体的にどれくらい色を落ち着かせるか、というポイントです。
1)は、写真のように白を基調とした空間に、どれくらい色味を与えてあげるかです。鮮やかな色をふんだんに使うと、全体的に白も引き立ちますし、鮮やかな色をちょっとだけ使えば、その色が引き立ちます。
好みの色合いをつくるには、2)3)のように与えてあげる色が大切。お部屋を落ち着かせるためには、ところどころに黒を取り入れる量を多くし、逆に、トーンを全体的に淡くしたい場合には、ベージュやグレーなどの中和色を取り入れます。
③相補カラースキーム
対照的な色を使ってインテリアを魅せるカラースキームがあります。カラーホイール上でいうと、互いに対向している色を組み合わせます。たとえば、写真であれば暖色の強いオレンジと、水色。
同様に相性がいいのは、黄色と紫、赤と緑、青と山吹色などです。
④三極カラースキーム
カラーホイール上で、等間隔の3色を使うテクニックのことを言います。たとえば、3原色と言われる赤、青、黄。これはカラースキームでは、3つずつ等間隔に飛ばした色同士です。
写真は、緑、紫、オレンジで、やっぱり等間隔で選び取った色の組み合わせ。
⑤テトラディックカラースキーム
さらに今度は4色つかうテクニックです。テトラディックカラースキームとは、90度ずつ離れたカラーホイール上の色。そうすると4色になりますね。
数の多いアイテムや、ペアで色を選ぶときに参考にしてみましょう。たとえば写真はダイニングチェアに4色を使っています。同じ色のペアを用意することで、多色でも温度感が均一で、落ち着いて見えます。
⑥スクエア配色
ときに、色は形に左右されます。
たとえば、スクエア配色といって、正方形のアイテムをペアに見立てるテクニックがあります。色が均一になるように色を散りばめているこのリビング。カラーコーディネートはばっちりなのですが、このリビングのすごいところは、特に同じアイテムを使っているわけではないのに、正方形を取り入れることで色同士がペアのように見えているところ。
⑦類似カラースキーム
カラーホイール上の並びの3色を使うことです。たとえば青系なら、写真のように緑、青、水色といったように、同系色でまとめます。
⑧トーンを調和させるためのカラースキーム
トーンを調和させるための方法で、カラースキーム上で選んだ1色の、反対色の周辺にある色を選ぶテクニックです。
たとえば、写真は一見赤と水色という反対色が中心に見えますが、3色目として、オレンジと黄色を取り入れて、色合いをより落ち着かせています。
⑨強い色は、温度感をまとめる
色は混在させてコーディネートするものとはいえ、赤や黄色などの強いビビッドカラーで作るお部屋には、温度感の差があるとリラックスができません。
その一つの例として:派手めの色は、広い場所で使う
パッションカラーや蛍光カラーなどのビビッド色は、時に個性を出すためのアクセントカラーになりうる色です。しかし、あまりに閉鎖的な空間に大きな面積を使ってしまうと、閉所恐怖のような心地にもなってしまいます。開放的な空間で使うと、よりその色の効果が発揮されます。
⑩中和色のみで作るトーン
ベージュ、ブラウン、グレー、これらは、中和された色で、カラーホイール上には単独では存在しません。これらを組み合わせると、大人でシックな雰囲気のお部屋になります。
コツ・ポイント
いかがでしたか?たまにはインテリアネタの中でも、ちょっと専門的なものも加えていきます。どうぞ次回もお楽しみに…♪
コメント